里山の自然学校2024
第11回《冬の里山》

【2025/2/9 更新】

日時 2025年 2月 9日(日) 10:00〜15:00 晴
場所 生田緑地の谷戸と市民活動室
参加(里山の自然学校 2年生)佐野詩織
  (里山の自然学校 1年生)杉山智基、関山敢太、富岡橙生、増田健、山崎晃汰、
              峰和菜子、横山芽立
                                       8名
卒業生サポーター 安達湊都
応援サポーター  伊澤高行、廣瀬朗子
講師・事務局   岩田臣生                       合計 12名


図)活動ルート図



冬の里山では、出会える生きものは限定的です。
里山の自然学校を開校した始めの頃に購入した双眼鏡を二つ、使うことにして、伊澤と卒業生サポーターの安達に携行してもらうことにしました。
植物については、常緑樹と落葉樹について観察することにしました。
植物は、開花している植物、実をつけている植物、枯葉を落とさないでつけている植物、葉を落とした落葉樹の枝から緑葉を出している植物など様々な植物があることを 学習します。
生田緑地整備事務所裏のエノキには、数個のヤドリギが棲息していて、実が熟しています。

ピクニック広場東の階段を降りました。

ピクニック広場に降りた所で、野鳥の群に出会いました。

更に、谷戸に降りました。

ピクニック広場下地区には、落葉樹(ニワトコやムラサキシキブ)があります。
鮮明な葉痕を残す樹木が見つかるでしょうか。



生田緑地では、一般来園者が雑木林に入ることは禁止されています。
萌芽更新地区については、2008年1月に萌芽更新の失敗を確認して、伐採更新をやり直すことを決議し、以後、やり直しの伐採更新に取り組んできました。
現在、伝統的な里山管理としての萌芽更新を観察できる雑木林に育成しています。
当該雑木林の植生管理を行っている者の立場で、萌芽更新地区の雑木林に入って、観察会を行うことが認められています。
今回は、冬の樹木を観察して、主に、葉痕を観察してもらいたいと思いましたが、鮮明な葉痕を残す落葉樹は、余りありませんでした。








最後に、オニグルミの葉痕を観察してもらいました。
子どもたちは、何に見えたでしょうか。

萌芽更新地区下のデッキに降りて、集合写真を撮りました。


ハンノキ林上の池は、湧水量が少なくなっていて、水は濁り、僅かに凍りかけていました。
厳寒期の気温と水温は、次表のようになっていました。
この場所の現在の気温は 13℃を超えていましたので、氷は無理だと思いましたが、子どもたちは氷になりかけた部分をみつけて騒いでいました。
この場所の厳寒期の気温と水温について見てみると、12℃を超えていませんでした。

       (気温)   (水温)
2009/1/27    10.5℃    4.5℃
2011/1/30     4.0℃    3.0℃
2013/1/27     5.5℃    5.0℃
2014/1/23     6.0℃    3.0℃
2015/1/23     3.5     2.7
2016/1/28     5.0     3.0
2017/1/28     6.7     6.0
2019/1/26     4.1     1.4






落葉樹であっても、春まで枯葉を落とさずにいる樹木があります。
冬の谷戸では目立つ存在です。それを観察しました。
すると、そこに、メジロの群がやってきて、私たちを無視して、夢中で、目の前の木々の枝を啄み始めたのです。
樹木観察は、突然、現れたメジロの群によって、野鳥観察に変えられました。




ハンノキは、今が開花期です。
梢の先端には、沢山の雄花が花粉を撒き散らしていますが、雌花は小さくて見えません
木道上に落ちていたハンノキの雄花を拾って、観察しました。

ノダケは、種子散布を終えていましたが、殻を残して、立っていましたので、観察しました。

ハンノキ林西の池には、野鳥が飛来していましたが、大騒ぎになったため、野鳥は逃げました。
多分、ヒヨドリだったという意見が多数でした。
木道に来園者がいても、水浴びができるように、茂みを残しておいた池の奥のインレットが利用されているようです。


上の田圃に移動しました。
田圃には、氷が張っていました。
昼食も含めて、結局、1時間半ほどを、田圃で過ごすことになりました。




















子どもたちが、田圃の氷で遊ぶのに夢中になっている間、田圃下草地や下の田圃では、アオジが数羽集まって、草の実などを漁っていました。



朝の話し合いでは、お弁当は市民活動室に戻ってからにしたいという意見が多かったのですが、日溜まりで遊んでいたからでしょうか、 梅の木広場周辺で、お弁当を食べることになりました。




田圃で遊ぶのは終わりにして、枡形山広場に向かいました。



桝形山広場は来園者で賑わっていました。
5分間だけ、遊具で遊ぶことを許しました。
トイレ休憩も済ませておいて、生田緑地市民活動室に向かいました。

市民活動室では、1年間の里山の自然学校についての感想文を書きました。



書きあがった感想文の発表に合わせて、修了証を授与しました。
今年の修了証は、第5回<夜の昆虫観察>の時の集合写真をベースにしました。
卒業生サポーターの安達君に感謝状として渡したものが、次の写真です。
サポーターとしての活動参加、有難うございました。
講師サポーターとして支えてくれた水田ビオトープ班の伊澤、廣瀬にも、感謝状を渡しました。










昨年5月に田植えを行い、9月に稲刈りを行い、10月に脱穀した谷戸の田圃の玄米を、少しずつですが、全員に分配しました。




今年の全プログラムを終了しました。
参加者を10人に限定すれば、運営できるだろうと考えて、2023年度から、募集定員を10人程度に減らして、開催していますが、 自然についての説明は雑になっていると感じています。
応募が無かったら止めようと思いながら、次年度の参加者募集を、この日、2/9(日)に開始しましたが、、3日後の 2/12(水)には、10人に達してしまいました。
もう、開校しないという選択肢は無くなりました。
サッサと、次年度はサポーターとして参加すると告げて帰る子もいました。
20年間、生田緑地の自然を保全するための活動を続けてきたので、活動に使えるフィールドがあります。
里山倶楽部の応援参加も可能だと思います。
可能な形で、実現することを考えることになりそうです。



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Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation