生田緑地の生物多様性保全活動


谷戸の水辺保全、植生管理  
日時:2024/3/19(火) 9:00〜12:30 曇
場所 生田緑地 城山下谷戸合流部〜上の田圃下草地、梅ノ木広場
参加者 岩田臣生

今回は、稲目谷戸の上の田圃下から梅ノ木広場にかけて、必要と思った手入れを行うことにしました。
寒々しい天気であり、水流の流量は減少していると感じました。


(城山下谷戸合流部)
前回、水流に土嚢堰をつくって、水溜まりをつくりましたが、その水深が浅くなっていました。
しかし、この土嚢堰の下流側は水が涸れていましたので、土嚢堰から水漏れして、浅くなっているとは思えません。
今回は、この水流が斜面にぶつかって、左に曲がる所に、土嚢堰を設けることにしました。
その部分の水底は飯室層でした。
そのため、土嚢を置くと、直ぐに、水が溜まり始めました。
前回設置した上の土嚢堰を越える流れが無かったのに、水の溜まる勢いが速いのはどうしてだろうと思い、辺りを調べてみると、 戸隠不動尊見晴台下の城山下谷戸合流部から水が染み出していました。
更に、上流側も調べてみると、城山下谷戸合流部からの水の染み出し口は、数ヶ所ありました。
全ての染み出し口を止めるのは簡単なことではありません。
今回は見晴台下斜面の裾から出ていた水穴を、外側から止めるだけで済ませました。
次の手は、ゆっくり考えることにしました。



一休みして、アブラチャンを見に行きました。
アズマネザサのヤブを切り開いて、つくった道を使うと、分岐点と合流部が近いことを実感できました。
アブラチャンは咲き始めていましたが、まだ黄緑色という感じでした。


伐開したばかりの道を歩いていたら、アズマネザサのヤブの中に、ツバキが咲いていました。


上の田圃下に戻って、完全に水涸れしていた田圃下草地の水路に水を流すことにしました。
水路途中に開いた穴を一つ一つ潰して、前回、つくった水溜まり辺りまで、水を流しておいて、田圃下草地の活動は終えることにして、移動しました。



(上の田圃)
上の田圃のアズマヒキガエルは孵化していました。

タネツケバナが開花していました。

ゲンゲの花が咲いていました。

ハナダイコンも咲き始めていました。

フキノトウは、すっかり伸びて、花の時期を終わろうとしていました。


(梅ノ木広場)
梅ノ木広場のテーブルベンチで一休みしてから、アズマネザサを刈り、ヒメコウゾなど、実生の除伐も行うことにしました。
テーブルベンチの座面が一ヶ所、要修理の状態になっていました。
芝生広場側の雑木林から、一本、枯木が倒れてきていましたので、これを片づけました。

梅園内で大きくなっていたヒメコウゾを伐採して片づけました。
このヒメコウゾを伐ろうとしたら、フィーと鳴く声がして、やがて、向かいの梅の木に、一羽のジョウビタキ(メス)が現れました。
そこで、こちらも口笛で答えながら、伐採していたら、飛んで来て、伐った枝に止まりました。
伐った枝の中を動き回りながら、何かを訴えている様子でした。
そのうち、突然、20〜30cmの所に飛び込んで来て、何かを銜えたようでした。
これは、若しかすると、里山倶楽部の時に、近くに飛んで来た個体かも知れません。
その後も、暫く、目の前のジョウビタキに見惚れて、作業は中断してしまいました。
やがて、芝生広場側の斜面のヤブの中から、異なる声がしたら、そこに飛び込んでいきました。
そこで、伐りかけていた3m程の木を伐って、先程、枯木を積んだ上に積んでいたら、芝生広場側の斜面から、フィーという声がして、 ジョウビタキが、こちらを見ていました。






30分程の雑な作業の中で、あり得ない経験をさせてもらったと思いながら、整備事務所裏の倉庫に向かいました。



帰り道の木道の上に、クロマルハナバチが、動かなくなっていました。

萌芽更新地区では、モミジイチゴが咲き始めていました。


寒い日でしたが、ジョウビタキとの接近遭遇?という特別な体験をさせていただきました。


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