水辺保全
【2025/6/12 更新】

谷戸の水辺保全など
日 時)6月12日(木)9:00〜12:00 曇
活動者)岩田臣生、伊澤高行、田村成美

湿地地区
 9:00〜10:50 
活動者)岩田臣生、伊澤高行

週末は雨で、来週は暑くなるという天気予報でしたので、水漏れを起こしそうな所を予め補強しておくことにしました。
湿地再生地区(B05)は、水田ビオトープ班が、本格的に、生田緑地の自然の生物多様性保全を始めた最初の場所です。
かつては、低地部から続いていた田圃の一番奥の田圃だった場所です。
ここには、昔は、貴重な水草が生えていたと聞いて、それを復活させることを目的として、乾ききっていた土地に水を引いて、湿地にする活動を、2004年末に始めました。
その目的は、水辺をつくることで達成しましたが、その植物は環境省絶滅危惧II類、神奈川県絶滅危惧IA類の植物でした。
この植物は県内各地から次々に消えてしまい、今では、生田緑地だけに残る植物となってしまいました。
この植物の種子は非常に軽くて、降雨時に簡単に流されてしまうため、水が流れ易い水辺にしてしまうと種子が流出してしまいます。
何度も消えかけて、今春も、ついに絶滅させてしまったかと暗い気持ちを経験させられました。
幸い、保管していた種子が生きていて、発芽してくれましたので、今年は、この植物の保護に注力しようと反省しています。
降雨は、谷戸の水流の弱い所を攻撃しますので、週末の降雨が水漏れ穴を開けて、水辺の水涸れを起こしたら、 来週予報されている高気温によってダメージを受けると思いますので、 事前に、サワガニの活動で水漏れ穴となりそうな所を、イネワラで補強する活動を行うことにしました。
その場所は、次の写真の辺りで、ヒメシロネやチダケサシが成長しています。

水流には、オニヤンマのヤゴがいました。

イネワラを押し込んだ穴は深くて、何度も繰り返していたら、サワガニが迷惑そうに現れました。
今回、狭い範囲ながら、5〜6ヶ所に、手を押し込みましたが、驚くほど、土が柔らかくなっていました。

1段目の水路を辿って、水路を覆っていた草を刈ったら、水路の畔には、コツボゴケが繁茂していました。


ハンノキを伐採して明るくし、ミヤマシラスゲを取り除いた水辺には、発芽した植物が育っています。


水涸れしていた2段目の水路に水を流して、水漏れ穴を補修しました。


水涸れしていた3段目にも水面を広げました。



上の田圃地区
 9:00〜10:50 
活動者)田村成美

湿地地区の活動をしている間、上の田圃の水漏れを起こしそうな穴を塞ぐ活動を田村にお願いしました。
田圃は、5/25(日)に田植えを行いましたが、湛水したら苗が浮いてしまいましたので、5/29(木)に植え直していました。
その後の苗の状態を観察しましたが、何とか育ってくれそうです。
水温が上がることは、稲には良いことですが、他の生きものにとっては違うので、水深を深くしたいところです。
上の段の堰を少し高くしましたが、3人で活動しなければならない状態ではないと思いましたので、後は任せて、私は下の田圃に移動しました。





木道の手摺の上を、多数のハゴロモの仲間の幼虫が行き来していました。

ヤブキリ幼虫が、田圃近くの草地にいました。



下の田圃地区
 11:15〜11:45 
活動者)岩田臣生、伊澤高行

絶滅危惧種の植物を下の田圃にも育てて、リスク分散していました。
それが発芽していたので、その周囲のミゾソバ、コナギ、クワイなどの草取りをしておこうと思いました。
畦からジョレンを使ってできる範囲を行ってから、田圃に入りましたが、膝上まで沈んでしまい、水が入ってきましたので、流石に長靴では無理だと諦めました。
オオシオカラトンボが縄張りを張っていました。

田圃には、カワニナ、ホトケドジョウ、シュレーゲルアオガエル幼生、エビの仲間などがいました。




木道脇に、ササグモがいました。

下の田圃は今年、田植えを行いませんでした。
生きもの優先の田圃状の水辺としては、一番、目的に近い田圃だと思っています。

かわさき自然調査団の活動

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Kawasaki Organization for nature Research and Conservation

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