生田緑地自然観察会《早春の里山ビンゴ》
主催 特定非営利活動法人かわさき自然調査団、青少年科学館
《平成20年 3月 9日》


日時 2008年3月 9日(日) 10:00〜12:20 晴
ガイド講師 岩田臣生(水田ビオトープ班班長)
参加者 13名(うち女性8人、そのうち子ども2人)



《早春の里山ビンゴ》
11)きいろのはな(木)

  キブシ

12)あかいはな(木)
  サザンカ
  ツバキ
  紅梅
13)そらをとぶいきもの
  ルリシジミ
  トラツグミ

21)あおいはな(草)
  オオイヌノフグリ
22)しろいはな(草)
  タネツケバナ
  ハコベ
23)あかいはな(草)
  ヒメオドリコソウ
  ホトケノザ
31)しろいはな(木)
  ウメ
  
32)ささぶえをふいてみよう
  
  
33)みずのなかのいきもの
  ホトケドジョウ



園路脇のサザンカの葉にルリシジミが春の陽光を浴びていました。

北部公園事務所付近の道端に白い花(草)を見つけました。

谷戸に降りて、萌芽更新地区上側の木道で、3分間目をつぶり、周囲の音に耳を傾けました。 野鳥の囀り(シジュウカラ、ハシブトガラスなど)、風の音、笹のこすれる音、...。
萌芽更新地区は10年程度で伐採更新を繰り返し、若い樹林として管理していくことになったこと、生田緑地の雑木林は老齢化しているので若いコナラ林の存在は重要であることなどについての説明もしました。
ハンノキ林上の池で、水温とその場の気温を感じて当てるゲームをしました。なかなか難しかったようです。
生田のハンノキ林については、環境省の特定植物群落に指定されていること、ハンノキ林をハンノキ林として保全することが、 ここに棲息するゲンジボタルをはじめとする様々な生物の棲息環境を保全することになるという説明をしました。
湿地再生地南端に生えている数本のフリソデヤナギについて、生田緑地では唯一のヤナギであるらしいことなどを昨年の開花時の写真を示して説明しました。 こんな華やかなヤナギがどうしてここにあるのかと皆さんの興味はつのりましたが誰も知りません。
湿地再生地についても昭和30年代までは田んぼであったことなど、保全活動の概要について説明しました。
上の田圃の南側の草地に入っての観察をしてもらいました。但し、これは特別なことで勝手に入らないように注意しました。
オオイヌノフグリ以外の越年草はまだ開花しておらず、“春の野”というには早い感じの状態でしたが、 温かい陽光に包まれて、束の間のんびりとした空気が流れました。

後で観察するホトケノザとの比較ができるように、ヒメオドリコソウの観察をしてもらいました。 帰化植物ということもあってか普段はよく見たことがなかったという皆さんでしたが、茎が丸くなくて4稜があることなどに驚いていました。

ホタルの里の末端、Yさんの畑の垣根近くに咲いているホトケノザとハコベの観察をしました。
ハコベの柱頭の先端が3つに割れていることでウシハコベとは区別がつき、雄しべの数でミドリハコベとは区別がつきます。ルーペで見ながらスケッチをしてもらいました。
枯れ草の上に数頭のキタテハがいて、そのうちの2頭が螺旋を描きながら空へ昇っていきました。卍行動というそうです。

12時を過ぎてしまったため、梅林付近で解散にしました。
水田ビオトープ班の観察会は、生田緑地観察会の入門編として、小さな子どもも対象におきながら、 主体的に参加してもらう手段として“里山ビンゴ”を使いながら進めようと考えました。 また、保全活動という視点での説明も加えました。 1月に続き2度目でしたが、参加した皆さんに感想を聞いたところ、好評で、春、夏、秋にもやってほしいという意見もありました。
この希望は、対象を絞ってしまわないで、出会った生物、事象の全てを対象にする観察会を要望するものと受け止めました。



かわさき自然調査団の活動

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation