生田緑地観察会
主催 青少年科学館

生田緑地観察会“まるごと生田緑地”

日時 2018/3/25(日) 10:00〜12:00 快晴
ガイド講師 特定非営利活動法人かわさき自然調査団
       シダ植物班 田村成美
       野鳥班班長 大橋 毅
       水田ビオトープ班班長 岩田臣生
サポート  特定非営利活動法人かわさき自然調査団 事務局長 岩田芳美
観察会参加者 21人(大人 19人、大学生 1人、高校生 1人、小学生 2人)
       市内 麻生区 2人、多摩区 1人、宮前区 3人、高津区 1人、中原区 3人、幸区 1人、不明 1人
       市外 大阪府吹田市 3人、横浜市 1人、綾瀬市 1人、東京都大田区 1人、世田谷区 3人
観察コース:青少年科学館前(集合)〜クスノキの辻〜七草峠〜谷戸の降り口〜ピクニック広場東斜面〜萌芽更新地区〜 ハンノキ林〜梅畑〜上の田圃(解散)

生田緑地の雑木林はうっすらと萌黄色を帯びていました。
観察会の直前、快晴の空をオオタカが飛翔しました。

青少年科学館前に集合して観察会を始めました。

機関車周りでヒメスミレを観察しました。

中央広場北雑木林付近のマテバシイの幹に開いた穴に、コゲラ♀が上半身を入れていました。
大勢のギャラリーを無視して、逃げる様子がありませんでした。

カントウタンポポ、オオイヌノフグリ、ツクシ(スギナ)、タチツボスミレなどを観察しているとビロードツリアブが姿を現しました。

野鳥担当の大橋がコケの観察ガイドも試してくれました。

シダの新芽は力強くて、なかなか魅力的なフォルムをしています。
園路の植栽桝にいくつものオクマワラビが観察できました。

七草峠の崖面には、ヒゴスミレの花が盛りを迎えていました。
ニオイタチツボスミレも、コスミレも観察しました。

谷戸に降りる階段で、キブシ、ハンショウヅル、ウグイスカグラ、イノモトソウ、オオバノイノモトソウ、ベニシダ、ミドリベニシダなどを観察しました。
早くも花をつけているタマノカンアオイも観察しました。
ヤマブキも咲き始めていました。

ピクニック広場では、越冬していたテングチョウが飛んできて、ヤマグワの枝先に止まりました。
翅は傷んで、色が薄くなっていました。
ピクニック広場下のナガバノスミレサイシンの花が増えていました。オカスミレも観察しました。

咲き始めたマルバスミレを観察しました。

ヤマルリソウを観察しました。

萌芽更新地区には、イヌシデとアカシデが並んで、沢山の雄花序をぶら提げていました。

所々にモミジイチゴが白い花をベルのように並べて提げていました。

2週間前の生田緑地観察会「里山の自然」にも参加した常連さんが、アズマヒキガエルの卵はどうなったかと気にしていたので、田圃まで行くことにしました。
アズマヒキガエルの卵は孵化して、黒い幼生(オタマジャクシ)が卵のあった場所に群れていました。
畦にはタネツケバナ、ケキツネノボタンなどが咲いていました。
アカタテハが田圃に入れた落葉の上で吸水していました。


観察した動植物とガイドの感想
シダ植物 15種
ツクシ(スギナ)、ノキシノブ、ナガバノヤブソテツ、イノモトソウ、オクマワラビ、ヤマイタチシダ、、コバノヒノキシダ、トラノオシダ、ベニシダ、ミドリベニシダ、 リョウメンシダ、オオバノイノモトソウ、フモトシダ、イワガネソウ、クサソテツ(コゴミ)
△シダ植物班 田村成美
シダはみな似ていてわからないとよく言われますが、今日はみなさんおもしろがって見てくれました。
シダの芽が動き出して急成長中、今にも動きそうな動物的な形がおもしろいのかな、と思います。
ヒメスミレは小さくコスミレは大きい、コゲラが生木に穴を開けるのは珍しい等、おもしろいことがたくさんありました。

野鳥 5種、コケ 2種
(野鳥)コゲラ、ヒヨドリ、メジロ、アオゲラ、ガビチョウ
(コケ)コモチイトゴケ、ヒロハツヤゴケ?
△野鳥班 大橋
冬鳥と夏鳥の入れ替わる時期であまり鳥が見られませんでした。 この時期だとウグイスやガビチョウがうるさいくらい鳴きますが 今日はそれも聞こえませんでした。
大勢の人がすぐそばで見ていても我関せずで 巣穴に出入りしていたコゲラがかわいかったです。 本来、枯れた木にしか穴を掘らないコゲラが多少傷んだとはいえ 生きた木(マテバシイ)に穴を開けていたらしく、 興味深い観察ができました。
他には、たくさんのメジロが椿の花のそばで行き交いご機嫌に地鳴きしていました。 「ケッケッケッ」と特徴的な声でアオゲラが地鳴きし、飛ぶ姿が見られました。

植物 25種、昆虫 4種、その他 1種
(種子植物)ヒメスミレ花、タチツボスミレ花、ニオイタチツボスミレ花、ヒゴスミレ花、コスミレ花、オカスミレ花、マルバスミレ花、 カントウタンポポ花、オオイヌノフグリ花、オニタビラコ、ミヤマナルコユリ蕾、ハンショウヅル蕾、モミジイチゴ花、クサイチゴ、タマノカンアオイ花、 ヤマルリソウ花、シュンラン花、タネツケバナ花
アセビ花、ヤマブキ花、ウグイスカグラ花、コブシ花、ソメイヨシノ花、アカシデ花、イヌシデ花
(昆虫)ビロードツリアブ、キタキチョウ、テングチョウ、アカタテハ
(その他)アズマヒキガエル幼生
△水田ビオトープ班 岩田臣生
観察会前とはいえ、快晴の空にオオタカの飛翔を観察できたり、中央広場では、大勢の来園者が通行している手が届く所にコゲラが観察できたのは驚きでした。
つい 2週間前までは観察対象の少ない観察会だったのに、気温が高くなって植物は大急ぎで開花してくれたようで、観察対象が急増し、楽しい観察会になりました。
アズマネザサ刈りに励んだ場所に咲き出した花々を案内できるのも嬉しいことでした。
萌芽更新地区では雄花序をぶら提げているイヌシデ、アカシデを観察でき、樹木の観察にも関心が芽生えました。


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