日時 2018/5/13(日) 10:00〜12:00 曇
ガイド講師 特定非営利活動法人かわさき自然調査団
種子植物班 田渕まこと
シダ植物班 田村成美
野鳥班 平賀孝政
水田ビオトープ班班長 岩田臣生
サポート 特定非営利活動法人かわさき自然調査団 事務局長 岩田芳美
観察会参加者 21人(大人 16人、小学生 3人、幼児 2人)
市内 麻生区 4人、多摩区 1人、宮前区 3人、高津区 1人
市外 横浜市 5人、東京都大田区 1人、府中市 1人、狛江市 1人、川越市 3人、東村山市 1人
観察コース:青少年科学館前(集合)〜県の木見本園〜中央広場〜奥の池〜西口園路〜伝統工芸館裏〜ピクニック広場
今回の観察コースは菖蒲池周囲も考えていましたが、菖蒲池と東口駐車場との間でフリーマーケット開催の準備が行われていたので、中央広場から西口園路方向としました。
スタートは科学館裏谷戸にしました。
生田緑地の特徴的な景観を観察し、地層と湧水について考え、アカショウマの花を観察しました。
オカタツナミソウも咲いていました。
中央広場に戻って、ウツギ(花)、トベラ(花)、ウラジロチチコグサなどを観察していたら、参加者がケラを捕まえました。
ジャブジャブ池に流れ込む水辺には、ゴウソが咲いていました。
中央広場南西隅では、エゴノキ(花)、シャリンバイ(花)などを観察しました。
子どもたちはツマグロオオヨコバイ、ノミバッタ、ヒシバッタ、センチコガネ、ゴミムシ類などを捕まえて観察していました。
参加者が開花しているスダジイの葉上に見つけたのは、交尾中のアオジョウカイでした。
ダイミョウセセリが遠くに逃げないで、何度も、園路上に舞い降りてきたのには理由がありました。
子どもの指に止まって逃げようとしないカギシロスジアオシャクがいました。
こんな経験をしたら、蛾が好きになるかも知れません。
この日は、多数のキアシドクガが羽化して樹林近くを白いチョウのように飛んでいましたので、西口園路広場では、網を持参した子どもたちがこれを追いかけていました。
ドクガ科ではあっても毒を持たないので問題無いと思いましたが、捕まえることができた子は一人もいませんでした。
丁度、ムクドリが草地の上に群れていましたが、走り回る子どもたちに追い立てられて戸惑っているようでした。
上空に、ツバメが飛んでいました。
次の写真は、この日、生田緑地整備事務所の外壁に止まっていたキアシドクガです。
西口園路広場の草地の観察を続けました。
センダンの大木が花盛りで、参加者の関心を集めました。
マユミ(オス)の花を観察しました。
ヤマボウシが花盛りでした。
参加者の殆どが着生シダを知らなかったので、クスノキに着生しているトキワシノブを不思議そうに観察していました。
ピクニックのアワブキを観察して解散しました。
キアシドクガ脱皮殻、イチモンジカメノコハムシ、オオアオシャチホコ幼虫を観察しました。
観察した動植物とガイドの感想
●(田渕)植物 11種
アカショウマ、オカタツナミソウ、ウツギ、トベラ、シャリンバイ、マユミ、ヤマボウシ、アワブキ、スイカズラ、ウラジロチチコグサ、ゴウソ
●(田村)シダ植物 10種
トキワシノブ、ミドリベニシダ、ベニシダ、オクマワラビ、ミドリヒメワラビ、イノデ、ナガバヤブソテツ、ヤブソテツ、リョウメンシダ、ノキシノブ
トキワシノブの所を通ったとき、参加者全員で見ることができました。
寄生してるのではなく、くっついてるだけ(着生してる)です。樹上に本体(茎と葉)、木の皮に根っこで止まっていることが不思議で、おもしろいようでした。
事務所から谷戸に下る右手の草土手で、ベニシダの赤い包膜を観察できました。
オクマワラビの胞子が完熟でした。
胞子のうが割れるのを子供に見せたいという人がいたので、そういう完熟の葉っぱを顕下で観察していれば見られます、と教えました。
とりあえずファーブルは持ち歩くべきかな、と思いました。
●(平賀)野鳥 9種
天気も観察中もってくれ良かったです。
種類としては、9種、上空を舞うツバメ・住民票がある?アオゲラ・賑やかなヒヨドリ・
いい声で囀りを聞かせてくれたヤマガラ・上から目線のコジュケイ・少々迷惑なガビチョウ・
この時期の名主役キビタキの囀り・集団行動のムクドリ・春の名声ウグイス等の声が聞こえ
楽しい時でした。
●(岩田)昆虫、その他 17種
ツマグロオオヨコバイ、ケラ、アオスジアゲハ、クロヒカゲ、ダイミョウセセリ、キアシドクガ、カギシロスジアオシャク、オオアオシャチホコ幼虫、
アオジョウカイ、ヤトセスジジョウカイ、センチコガネ、ゴミムシ類(未同定)、イチモンジカメノコハムシ、
ノミバッタ、ヒシバッタ、コメツキムシ(未同定)、オオスズメバチ
普段の活動で見慣れていない生きものは、名前すら教えることができません。
しかし、生田緑地に棲息する多様な生物との出会いを楽しむことができれば良いと考えるようにしています。
その上に、キアシドクガが羽化して飛んでいる光景のように、タイミングが合わないと出会えない場面を見ることができたことは嬉しいことです。
出会えた生きものの種数が少なかったのは、天気のせいでもあると思います。
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