【ミドリシジミ亜科】
アカシジミ、ウラナミアカシジミ、 ミドリシジミ、オオミドリシジミ、 ミズイロオナガシジミ、ウラゴマダラシジミ、 ムラサキツバメ、ムラサキシジミ 8種 【ヒメシジミ亜科】 ウラナミシジミ、ヤマトシジミ、 ツバメシジミ、ルリシジミ、 トラフシジミ 5種 【ウラギンシジミ亜科】 ウラギンシジミ 【ベニシジミ亜科】 ベニシジミ アカシジミ ミドリシジミ亜科アカシジミ属 Japonica lutea 卵で越冬し、年1回、5〜6月に出現する。 コナラやクヌギの多い雑木林で見られるが、日中は不活発で、夕刻になると活発に活動する。 幼虫の食樹は、落葉性ブナ科であるコナラ、クヌギ、カシワや、常緑性ブナ科であるアカガシ、アラカシなどである。 成虫はクリの花などで吸蜜する。 アカシジミ 2011/5/26 生田緑地、岩田芳美撮影 ウラナミアカシジミ ミドリシジミ亜科アカシジミ属 Japonica saepestriata 卵で越冬し、年1回、6〜7月に出現する。 幼虫の食樹は、落葉性ブナ科であるコナラ、クヌギ、常緑性ブナ科のアベマキなどである。 成虫はクリの花などで吸蜜する。 ウラナミアカシジミ 2011/5/31 生田緑地,岩田臣生 ウラナミアカシジミ幼虫 2013/4/27 生田緑地,岩田臣生 ミドリシジミ ミドリシジミ亜科ミドリシジミ属 Neozephyrus japonicus Murray, 1875 神奈川県準絶滅危惧種 ミドリシジミはハンノキ林の固有種。 成虫は年1回、6〜7月に見られる。 ミドリシジミは卵で過ごす期間が長く、4月頃孵化し、幼虫として1ヶ月半ほど生活し、蛹となって半月ほどで羽化する。 成虫♂ 2014/6/10 生田緑地にて、岩田臣生撮影 成虫♂ 2014/6/10 生田緑地にて、岩田臣生撮影 成虫♀ 2008/6/18 生田緑地にて、岩田臣生撮影 幼虫 2008/5/8 生田緑地にて、岩田臣生撮影 卵 2007/7/19 生田緑地にて、岩田臣生撮影 オオミドリシジミ ミドリシジミ亜科 Favonius 属 Favonius orientalis (Murray, 1875) 成虫は年1回、6〜7月に見られ、卵越冬。 食樹はブナ科のコナラ・クヌギなど。 ミズイロオナガシジミ ミドリシジミ亜科ミズイロオナガシジミ属 Antigius attilia (Bremer, 1861) 成虫は年1回、6〜8月に見られる。卵越冬。 幼虫の食樹はブナ科植物で、主にクヌギや、他にコナラ、ミズナラ、カシワ、ナラガシワ、アベマキ、アラカシなど。 東アジアに分布し、国内では北海道、本州、四国、九州に棲息。 写真/ 2008/6/8(日) 生田緑地ハンノキ林にて、岩田臣生撮影 写真/ 2008/4/23(日) 生田緑地にて、岩田臣生撮影 ウラゴマダラシジミ ミドリシジミ亜科 Artopoetes pryeri (Murray) 尾状突起を持たない。 幼虫の食樹はイボタノキ。 成虫は年1回、5〜6月に出現。卵越冬。 ウラゴマダラシジミ成虫 2010/6/7 生田緑地、岩田臣生撮影 ムラサキツバメ ミドリシジミ亜科ムラサキシジミ属 Narathura bazalus (Hewitson, 1862) 成虫は年3〜4回発生し、成虫越冬。 開長36〜40mm。尾状突起ある。 幼虫の食樹は マテバシイ、シリブカガシ等。 東南アジアに広く分布するチョウで、日本のものは日本亜種( Narathura bazalus turbata )とされている。 日本では、1990年代までは近畿地方以西にしか生息していなかった。 1990年代後半から、東海、関東、福島県などで目撃され始め、生息域を東に広げている。川崎では 2001年から採集報告がある。 撮影/2009/9/26、生田緑地、岩田臣生 撮影/2010/9/10、生田緑地、岩田臣生 ムラサキシジミ ミドリシジミ亜科ムラサキシジミ属 Narathura japonica (Murray, 1875) 成虫は年3〜4回発生し、成虫越冬。 開長30〜40mm。尾状突起ない。 幼虫の食樹は アラカシ、イチイガシ、スダジイなどのブナ科常緑樹。これらが少ない場所ではクヌギ、コナラなどのブナ科落葉樹も食べる。 台湾、中国西部、国内は宮城県以南。 撮影/2011/9/19、生田緑地、岩田臣生 ウラナミシジミ ヒメシジミ亜科ウラナミシジミ属 Lampides boeticus 北海道南部,本州,四国,九州,国外ではアフリカ,ヨーロッパ,アジア,オーストラリアなど熱帯〜亜熱帯を中心に広く分布. 移動性の高いチョウで夏〜秋に温帯域に分布を広げる. 川崎では夏から秋に見られる. 幼虫はマメ科植物を幅広く食べる.クズの生い茂った荒地などは好む場所である. ウラナミシジミ 2011/10/2 生田緑地,岩田臣生撮影 ヤマトシジミ ヒメシジミ亜科ヒメシジミ属 Pseudozizeeria maha (Kollar, 1848) 日本では本州以南に分布。春〜秋に3〜5回出現。 前翅長9〜16mm。 幼虫の食草はカタバミ。 ヤマトシジミ 2024/8/1 生田緑地,岩田臣生撮影 ルリシジミ ヒメシジミ亜科ルリシジミ属 Celastrina argiolus (L, 1758) 日本全土に広く分布。3〜11月に3〜4回出現し、個体数も多い。 前翅長12〜19mm。 幼虫の食草はマメ科、バラ科、タデ科、ミカン科などの花。 ルリシジミ 2024/7/11 生田緑地,岩田臣生撮影 ツバメシジミ ヒメシジミ亜科ヒメシジミ属 ユーラシア大陸の温帯に分布し、国内では北海道から九州に棲息。3月〜10月に4〜5回出現。幼虫越冬。 前翅長9〜19mm。 幼虫の食草はシロツメクサやカラスノエンドウなどのマメ科の植物。 ツバメシジミ 2004/9/4 生田緑地,岩田臣生撮影 トラフシジミ ヒメシジミ亜科トラフシジミ属 Rapala arata 全国に分布し、春早くから夏の終わりにかけて年2回出現する。個体数少ない。蛹越冬。 食樹はリンゴ(バラ科)、フジ・クズ(マメ科)、ウツギ(ユキノシタ科)、ナツハゼ(ツツジ科)など広範囲。 トラフシジミ 2012/7/8 生田緑地,岩田芳美撮影 ウラギンシジミ ウラギンシジミ亜科ウラギンシジミ属 Curetis acuta paracuta Niceville, 1901 ウラギンシジミ成虫 2009/9/16 生田緑地,岩田臣生撮影 ウラギンシジミ成虫 2012/6/2 生田緑地,岩田臣生撮影 ウラギンシジミ幼虫 2012/8/12 生田緑地,岩田臣生撮影 ウラギンシジミ蛹(左)、ウラギンシジミ蛹殻(右) 2012/8/12 生田緑地,岩田臣生撮影 ベニシジミ ベニシジミ亜科ベニシジミ属 Lycaena phlaeas (Linnaeus, 1761) 成虫は年に3-5回ほど、春から秋にかけて発生するが、特に春から初夏、4月から6月にかけて多く見られる。春に発生する成虫(春型)は赤橙色の部分が鮮やかだが、夏に発生する成虫(夏型)は黒褐色部分が太く、黒い斑点も大粒になる。 冬は幼虫で越冬する。 幼虫の食草はスイバ、ギシギシ、ノダイオウなどのタデ科植物で、卵もタデ科植物に産みつけられる。幼虫は脚の無いワラジムシのような形をしている。ふつうは緑色だが紫の縦じまがある場合もあり、これはタデ科植物の葉と葉脈に似せた保護色とみられる。 ベニシジミ 2006/5/14 生田緑地,岩田臣生撮影 ベニシジミ 2007/7/10 生田緑地,岩田臣生撮影 特定非営利活動法人かわさき自然調査団
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