里山の自然学校2011
第1回《春の里山》
【2011/4/25 更新】
日時 2011年4月24日(日) 9:30〜15:00 快晴
場所 生田緑地 参加者 A 鈴木萌恵、山内雄仁、酒見果歩、谷 実鈴、永喜康雅、内藤真衣 B 野村麻理亜、原田大雅、大江田慧、上野美紀、丹羽小蒔 C 内藤義人、江口暁香、吉田光誠、島津千咲、山本来幸 D 豊島芳璃人、井原沙羅、島田真衣、吉田太誠、棟安恵万、高田泰成 22人 講師 藤間煕子、中臣謙太郎、山本晃、梅原和仁、神山歩未、鈴木志歩、岩田芳美、岩田臣生 早いもので、2005年に開校した里山の自然学校は 7年目を迎えました。 お蔭様で、特別な広報をしなくても20人程度が応募してくれ、また、参加者から戴いた参加料のみで運営することができています。 それは、参加してくれている先生方にとっても楽しいプログラムになっているからだろうと思います。 昨年度の里山の自然学校2010は全て野外活動のみという条件下でしたが、天候に恵まれて無事に全プログラムを実施することができました。 今年も同じ条件下での開催になります。 1週間前の週間天気予報では傘マークがついていたため、延期にしようかという話も出たのですが、 雨でもやろうと決めて準備をしていたところ、数日前に傘マークが外れ、当日は快晴となり、里山の自然学校2011を好天の下に開校することができました。 9:30、中央広場の客車前、満開の八重桜の下に集合してもらい、参加手続きを行いました。 2月10日〜3月20日までの募集期間に24人の応募を戴きましたが、手続き中に2人から欠席の電話があり、手続きを完了したのは22人でした。 配布したものは名札(兼参加者証)、里山ノート、ボールペン、ノートで、観察容器は地震の影響で少ししか入手できなかったことを説明しました。 9:55 オリエンテーション 折角天候に恵まれたのです。オリエンテーションは里山ノートにそって、基本的な注意事項を説明したのみで、先生を紹介し、参加者の自己紹介を行いました。 今年度4年目の子ども(中1)が1人、3年目の子どもが2人、2年目の子どもが8人(うち1人は午後からの参加で、保護者が手続きのみ済ませてくれました)、初めて参加する子どもが13人(うち2人が欠席)でした。 10:40 春の里山体験 例年と同じく、歩くコースは菖蒲池〜枡形山〜戸隠不動尊跡〜ホタルの里〜公園管理事務所裏としました。 集合した時から、クマバチのオスがホパリングしているのが観察されており、春の里山らしい雰囲気が満ちています。 まずは菖蒲池に向かいました。 初めは全員が一塊になって案内する先生に集まっていました。 まだヒメスミレやアリアケスミレが咲いていました。 でも菖蒲池に着く前に、各々の興味を引くものに吸い寄せられて、小さなグループに分かれていました。 誰かが、枯れて腐りかけている桜の木肌に奇妙な生物を見つけました。 キノコムシの仲間の幼虫のようです。皆の注目を浴びて、コソコソとコケの中に潜りこもうとします。 ウジムシだという子もいましたが、良く観察すると脚(あし)が3対あって、頭があって、...甲虫幼虫の特徴を学習しました。 同じ枯木にノキシノブが葉を広げていました。葉の裏にあるソーラスが興味を引いたようです。 不思議な生き物だと思った子もいました。シダ植物は、種子植物と異なり、胞子で増えることを学習しました。 1本の枯木が大活躍でした。 子どもたちの目が次々に様々なものを見つけ出し、先生を囲んで、いくつものグループができました。 水流にエビ?を見つけたと言って、野遊びも始まりました。 生き物(動物)ばかりではなく、植物にも関心は高いようでした。 春の菖蒲池の周囲には、オニタビラコ、カタバミ、オオイヌノフグリ、タチツボスミレなどが咲いていました。 センチコガネを見つけた子もいました。 スジグロシロチョウもつかまりました。 11:30 菖蒲池から枡形山へ向かいました。 登り口のところに、飯室泥岩層の露頭があります。120〜140万年前には海底になっていて、その時にたまった地層で、貝類の化石がとれることを学習しました。 表面を水が滴っていて、生田緑地の湧水の流れは飯室泥岩層の表面を滴る水が集まっていることも学習しました。 山路の林縁には、所々に、春〜初夏の花が咲いていました。 11:50 枡形山広場でお弁当にしました。 広場には、桜の花は既に散ったというのにプルーシートを敷いて宴会をしている学生たちの奇声が煩く響いていました。 春の桜の木の下は毛虫だらけというイメージなので、そんな所で、お弁当を食べようという気にはならないのですが、ここでは毛虫は見られませんでした。 そのためか、桜の木の下でお弁当を食べる子がいたのですが、イモムシを見つけて、これは何かということになりました。 皆でワイワイ観察会となり、初めは恐がっていた子が手の上を歩かせて楽しむようになりました。 カラスヨトウの幼虫でした。 12:30 集合写真を撮ってから、いつものように少し遊んでもらいました。 神山先生は心得たもので、オニゴッコでは、自分がオニになって、初めての参加者の相手をしてくれていました。 12:50 戸隠不動尊跡に向かって山路を降ります。 ヤマツツジがチラホラと咲き始めていました。 戸隠不動尊跡上の雑木林で「自分の樹」を選んでもらいました。 太くて大きい樹木を選ぶかと思っていると、カマツカやアオハダなどを選ぶ子どもがいて驚かされました。 また、例年のことになりましたが、神山先生の指導でササブエ教室が始まりました。 子どもたちはササに止まらず、落葉広葉樹の若葉も笛にして鳴らしていました。 13:30 ホタルの里に回りました。 下の田圃の畦に出てきたヨシは刈らなければなりません。 これを摘んで、ヨシ笛を吹いてみせました。 これは吹く技術は不要ですが、丁度良いヨシを見つけて、上手く引き抜く技術は必要だったようです。 水辺は大好きです。アズマヒキガエルのオタマジャクシが災難です。 木々の葉も広がり、草がどんどん大きくなり、陽光が眩しくなって、気持ちのよい季節を迎えています。 田圃に入るのも容認しました。僅かの時間ですが、思いっきり楽しんでもらいたいと思いました。 ヨシ笛にはまった子もいます。 レンゲ摘みに夢中になる女の子もいました。 水辺より捕虫網を振り回したいという子どもは、ツマキチョウを捕まえていました。 年1回、春にだけ出現するチョウです。 バケツを用意していなかったので、田圃に裸足で入っていた子どもたちは、ハンノキ林上の池まで裸足で歩き、池で足を洗ってもらいました。 公園管理事務所裏に着いたのは15時5分前になってしまいましたので、数人に感想を聞いて解散しました。 この日出会った生き物ののいくつかです。 以上 |
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Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation