里山の自然学校2013
第10回《秋の里山》
【2013/11/24 更新】
日時 11月23日(土) 10:00〜15:00
場所 生田緑地 参加者 3年目 山本来幸 2年目 駒松汰生、林 航大、春田健登、山崎慎悟、山根将聖 1年目 稲垣志帆、大島弥子、小林海音、佐藤りん、鈴木彩香、鈴木優香、薬袋吹喜音、目黒陽菜 OB 甲斐亮汰 15人 講師 岩田臣生、岩田芳美、梅原和仁、藤間煕子、山本 晃 山本先生がアサギマダラの幼虫と蛹、ヤママユとウスタビガの蛹の脱殻を用意してくれました。 藤間先生から今日の活動についての話がありました。 落葉を拾って、図鑑をつくるという課題を与えました。 また、この時期でも咲いている花があるか、探してみようという課題が出されました。 生田緑地整備事務所前のヒイラギが花を咲かせていました。 11〜12月に花を咲かせるモクセイ科の常緑樹です。良い香りがします。 直ぐに、ドングリ拾いに夢中になりました。 谷戸へ降りる階段の途中にヤブムラサキの紫色の実がなっていました。 ヤブムラサキの葉の表面には柔らかい毛が生えているので、触るとビロードのような柔らかな触感でムラサキシキブとの違いが明らかです。 アワブキの葉が黄葉していました。 実は9〜10月に赤く熟すのですが、ここのアワブキの実は見たことがないかも知れません。 アオバセセリの食樹です。蛹を探しますが、そう簡単には見つかりません。 アワブキの黄葉は緑色のまだら模様が残り、くすんだ橙黄色です。 コナラのドングリが発根していました。長いものでは10cmを超えるものもあります。 子どもたちは、その根の長さを競っていました。 コナラは地表に転がっている状態で発根し、冬を越して、翌春に本葉を広げた実生が自然探勝路脇に多数見られます。 しかし、更に冬を越して大きく成長するものは無く、毎年同じ光景が繰り返されています。 それは何故かと考えることも大切です。 落葉が多くなってきましたが、上に寝転んで遊べる程ではありません。 落葉を掬って放り上げたりする程度ですが、自然を遊ぶことも大切だと思います。 勿論、降り積もった落葉を踏む音を楽しみながらの散策も、これからの季節ならではの楽しみですが、来園者が多くなって、落葉が踏み潰され尽しているのは興醒めでもあります。 カラスウリの実が赤く熟していました。 アオマツムシの死骸が手摺りの上にありました。 ハンノキ林の黄葉も、日毎に進んでいます。 まだ、野菊の仲間のシロヨメナが咲いていました。 ここのシロヨメナは、執拗に生えてくるアズマネザサを刈るという管理をしています。 ヒヨドリジョウゴの赤い実がなっていました。 美味しそうという子がいましたが、神経に作用するソラニンという毒があります。 ソラニンは主にナス科植物にふくまれるもので、ジャガイモの表皮や芽、ホオズキなどに含まれていることは良く知られています。 クスノキ科のシロダモは赤い実と花が一緒に見られます。種子が熟すまでに1年かかる常緑樹です。 ムクノキの実は干しブドウ状態を過ぎて、硬くなっています。 ムクノキは国内では関東以南に分布します。 4〜5月に花を咲かせ、径1cm程の果実をつけます。 熟すと黒紫色になり、甘くて食べられます。 ムクドリ、ヒヨドリ、オナガがよく食べると言いますが、このムクノキの実は硬くなるまで残っていました。 コバノカモメヅルの実が幾つもぶら下がっていました。 ガガイモ科のコバノカモメヅルは7〜9月に開花し、このような袋果(実)をつけます。 コバノカモメヅルは関東〜中部〜近畿に分布しますが、密度は低く、生田緑地内でも生育場所が限られています。 ツル性で、他の植物にからみつきますから、見た目重視の里山管理では排除されてしまうかも知れません。 カサスゲは風によるものか、寝てしまっています。 子どもたちは、木道の上でも、ドングリ拾いに夢中になっていました。 戸隠不動跡のイチョウの黄葉は辺りを明るくしています。これにモミジの紅葉が合わさって華やかな雰囲気になっています。 色鮮やかな落葉を探す子もいれば、モミジの種子を飛ばして遊んでいる子もいました。 記念の集合写真を撮りました。 戸隠不動尊跡から城山下谷戸に降りました。 苗木畑付近の園路に面した場所の草刈りは、今年、指定管理者を構成している富士植木が草刈りをしてくれました。 範囲と時期を限れば全てを刈ることができるような場所は富士植木に委ねていきたいと思っています。 この季節はアブラチャンの黄葉が素晴らしいので、草刈りを終えたばかりの苗木畑付近に入って、集合写真を撮りました。 アブラチャンはクスノキ科の落葉樹で、3月下旬〜4月初旬、葉を出す前に淡黄色の花を咲かせ、樹冠全体が淡い黄色に染まります。 花の時期も良いのですが、黄葉の季節も、城山下谷戸のこの辺りのキーになってくれています。 芝生広場に着きました。今日のメインイベントはここの紅葉だと思っていましたが、丁度良いタイミングだったようです。 ここで、お弁当を食べました。 午後はイネワラを使って、縄をない、リースや馬をつくる活動が待っています。 真っ直ぐに生田緑地整備事務所に向かいました。 生田緑地整備事務所裏でイネワラ細工を行います。 縄のない方は山本先生が指導しました。 リースをつくったら、次はウマに挑戦です。 比較的簡単に作れて、リースにつけることもできます。 長い縄を作って、縄跳びを始める子どもたちもいました。 こうした遊びは前年にも参加していた子どもが、翌年は先頭に立って始めるという形で伝えられます。 子どもたちの間だけで遊びが伝えられていく現場に立ち会うという経験をさせてもらいました。 時間になって片付けてから室内に移動しました。 片付けは、何人かのこどもが率先して手伝ってくれました。 室内に移動してから、落葉図鑑づくりは押し葉にしてつくるという説明をして、図鑑づくりは宿題としました。 その後、皆で、田植え、稲刈り、脱穀を行ってきた生田緑地米(玄米)のおにぎりを食べました。 それから、皆が作ったリースを囲んで写真を撮りました。 最後に、少しずつですが、生田緑地米をご家族へのお土産に持ち帰っていただきました。 以上 |
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