里山の自然学校2014 第6回　夏の里山

里山の自然学校2014
第6回《夏の里山》
【2014/8/24 更新】

日時　2014年8月24日(日) 10:00～15:00　曇
場所　生田緑地
参加者　山本来幸、稲垣志帆、佐藤りん、石井恵梨華、小林海音、大島弥子、目黒陽菜、中川　悠、沼澤咲季、江﨑　慧、田村　和
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　11人
講師　藤間煕子、山本　晃、神山歩未、岩田臣生

里山の自然学校第6回は夏の里山です。
生田緑地整備事務所の周りにクヌギの枝先が10数個落ちていました。それぞれにドングリがついています。里山の晩夏を告げるイベントが始まったようです。
早速、このドングリの観察から開始することにしました。
ドングリの殻斗（かくと）に近い所に小さな孔がついています。その部分を切ったら、孔は3mm程の深さがあって、そこに白い球形のものが見られました。
これはハイイロチョッキリというゾウムシの仲間の卵で、ドングリの中で孵化して成長した幼虫が秋には外に出てきて、土の中にもぐり、幼虫越冬することを学習しました。

続いて、山本先生が3箱の標本を持参して、見せてくれました。
一つの箱は、第4回夜の昆虫観察の時に採集したキシタバでした。キシタバは夜間にクヌギの樹液に集まる大型のヤガ科の蛾です。
二つ目の箱は大きいハチの標本でした。オオスズメバチとウマノオバチの2種です。頭部から産卵管の先端までの体長ではウマノオバチの方が大きいのですが、感覚的にはオオスズメバチの方が大きいと感じます。
標本の状態でも怖がる子どもがいましたが、数年前までの里山の自然学校の標本づくりのプログラムでは、オオスズメバチの標本をつくっていて、泣きだす子もいました。
三つ目の箱には沢山の種類のハチが納められていて、中にビロードツリアブが一つ入っていました。ハチではないものを見つけ出せるかという教材の標本箱でした。

フィールドに出ました。夏の里山体験です。
採集したものを観察容器に入れて、皆で観察してから逃がすというのが里山の自然学校のルールです。

8月下旬になって、谷戸の中は、いたる所にジョロウグモが見られるようになりました。
ここにいたジョロウグモはまだ小さいのですが、マメコガネを捕えて、食べていました。大きい方がメスで、近くに小さなオスがいるのを観察しました。

ミズヒキの花の説明のために、藤間先生は紅白の水引を用意していました。

上の田圃への導水路には水が流れていませんでした。
サワガニの開けた孔の方に水が流れていたのです。この孔を塞ぐと、水路に水が流れ出しましたが、水量が非常に少ないのでなかなか田圃までは届きません。子どもたちは、「先生、〇〇まできたよ！」と大声で教えてくれますが、時間がかかりそうです。
田圃のイネは出穂を終えたようですが、いくつかは開花していましたので、子どもたちと観察しました。
水が入らなくなってから時間が経過しているようで、田圃の土はすっかり乾いていました。
驚いたのは、乾いた田圃の地面に根元付近で切られた穂が散乱していたことです。籾殻も散乱していました。
何者かが、まだ実っていないイネの穂を食べた痕のようです。これだけの中干し状態になったのも初めてですが、沢山の穂が切られたのも初めてのことです。

戸隠不動尊跡で、いつものように集合写真を撮りました。

昼食をどこで食べるかは、大多数の希望が冷房の入った室内だったことから、観察を続けながら整備事務所に急ぐことにしました。

ということで、室内でのお弁当となりました。

午後は、ファーブルミニ実態顕微鏡を使って何かを観察して、それを紙に記録することを行いました。
ファーブルは8台、参加者は11人でしたが、3台は2人で使う形で間に合わせました。
午前中のフィールドワークで土を採集して土壌動物を観察することも考えましたが、どこも土はカラカラに乾いていて、簡単に観察対象になるような生物はいないように思ってしまいました。
セミの脱殻やカマキリの脱殻は拾っていましたが、チョウやトンボといった生きているものは逃がしてしまいました。
そこで、事務所周辺で拾って来てもいいことにしました。
実態顕微鏡は初めてという子もいましたので、個別に教えながら、思い思いに観察し、記録してもらいました。

次は、記録したものを、一人ずつ発表してもらいました。何を観察したのかを説明するのですが、他の子たちからは、その説明に対して質問してもらいました。
説明、質問、回答を通しての学習会の試みです。

次はフィールドを歩いた後の恒例で、出会った生き物を書き出してもらいました。手帳に記録していた子は一度に沢山の名前をあげられるのに、何故か遠慮していました。
子供たちの手帳もフィールドノートには違いなく、帰宅してから図鑑を調べたり、名前が分からなくなった時に頁をめくったり、様々に役立っていると思います。

今日出会った生き物
●オニヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ
●オオカマキリ、ハラビロカマキリ
●ナガサキアゲハ、コミスジ、ヒメウラナミジャノメ、アカボシゴマダラ、アゲハチョウ、キチョウ
●スズメバチ
●ジョロウグモ
●ツクツクボウシ、ミンミンゼミ、アブラゼミ
●アメンボ
●クチブトゾウムシの仲間、キマワリ、トホシテントウ
●カナブン
●カノコガ
●ササキリ、ヤマトフキバッタ
●シュレーゲルアオガエル
●サワガニ
●オニヤブソテツ、ヤマイタチシダ、ヒメシダ
●ヤブミョウガ
●ノカンゾウ
●コブシ
●ミズヒキ
●ヘクソカズラ
●イネ
●カキ
●マツ
●ドクダミ
●クサギ

以上

日時　2014年8月24日(日) 10:00～15:00　曇場所　生田緑地参加者　山本来幸、稲垣志帆、佐藤りん、石井恵梨華、小林海音、大島弥子、目黒陽菜、中川　悠、沼澤咲季、江﨑　慧、田村　和　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　11人講師　藤間煕子、山本　晃、神山歩未、岩田臣生里山の自然学校第6回は夏の里山です。生田緑地整備事務所の周りにクヌギの枝先が10数個落ちていました。それぞれにドングリがついています。里山の晩夏を告げるイベントが始まったようです。早速、このドングリの観察から開始することにしました。ドングリの殻斗（かくと）に近い所に小さな孔がついています。その部分を切ったら、孔は3mm程の深さがあって、そこに白い球形のものが見られました。これはハイイロチョッキリというゾウムシの仲間の卵で、ドングリの中で孵化して成長した幼虫が秋には外に出てきて、土の中にもぐり、幼虫越冬することを学習しました。続いて、山本先生が3箱の標本を持参して、見せてくれました。一つの箱は、第4回夜の昆虫観察の時に採集したキシタバでした。キシタバは夜間にクヌギの樹液に集まる大型のヤガ科の蛾です。二つ目の箱は大きいハチの標本でした。オオスズメバチとウマノオバチの2種です。頭部から産卵管の先端までの体長ではウマノオバチの方が大きいのですが、感覚的にはオオスズメバチの方が大きいと感じます。標本の状態でも怖がる子どもがいましたが、数年前までの里山の自然学校の標本づくりのプログラムでは、オオスズメバチの標本をつくっていて、泣きだす子もいました。三つ目の箱には沢山の種類のハチが納められていて、中にビロードツリアブが一つ入っていました。ハチではないものを見つけ出せるかという教材の標本箱でした。フィールドに出ました。夏の里山体験です。採集したものを観察容器に入れて、皆で観察してから逃がすというのが里山の自然学校のルールです。 8月下旬になって、谷戸の中は、いたる所にジョロウグモが見られるようになりました。ここにいたジョロウグモはまだ小さいのですが、マメコガネを捕えて、食べていました。大きい方がメスで、近くに小さなオスがいるのを観察しました。ミズヒキの花の説明のために、藤間先生は紅白の水引を用意していました。上の田圃への導水路には水が流れていませんでした。サワガニの開けた孔の方に水が流れていたのです。この孔を塞ぐと、水路に水が流れ出しましたが、水量が非常に少ないのでなかなか田圃までは届きません。子どもたちは、「先生、〇〇まできたよ！」と大声で教えてくれますが、時間がかかりそうです。田圃のイネは出穂を終えたようですが、いくつかは開花していましたので、子どもたちと観察しました。水が入らなくなってから時間が経過しているようで、田圃の土はすっかり乾いていました。驚いたのは、乾いた田圃の地面に根元付近で切られた穂が散乱していたことです。籾殻も散乱していました。何者かが、まだ実っていないイネの穂を食べた痕のようです。これだけの中干し状態になったのも初めてですが、沢山の穂が切られたのも初めてのことです。戸隠不動尊跡で、いつものように集合写真を撮りました。昼食をどこで食べるかは、大多数の希望が冷房の入った室内だったことから、観察を続けながら整備事務所に急ぐことにしました。ということで、室内でのお弁当となりました。午後は、ファーブルミニ実態顕微鏡を使って何かを観察して、それを紙に記録することを行いました。ファーブルは8台、参加者は11人でしたが、3台は2人で使う形で間に合わせました。午前中のフィールドワークで土を採集して土壌動物を観察することも考えましたが、どこも土はカラカラに乾いていて、簡単に観察対象になるような生物はいないように思ってしまいました。セミの脱殻やカマキリの脱殻は拾っていましたが、チョウやトンボといった生きているものは逃がしてしまいました。そこで、事務所周辺で拾って来てもいいことにしました。実態顕微鏡は初めてという子もいましたので、個別に教えながら、思い思いに観察し、記録してもらいました。次は、記録したものを、一人ずつ発表してもらいました。何を観察したのかを説明するのですが、他の子たちからは、その説明に対して質問してもらいました。説明、質問、回答を通しての学習会の試みです。次はフィールドを歩いた後の恒例で、出会った生き物を書き出してもらいました。手帳に記録していた子は一度に沢山の名前をあげられるのに、何故か遠慮していました。子供たちの手帳もフィールドノートには違いなく、帰宅してから図鑑を調べたり、名前が分からなくなった時に頁をめくったり、様々に役立っていると思います。今日出会った生き物 ●オニヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ ●オオカマキリ、ハラビロカマキリ ●ナガサキアゲハ、コミスジ、ヒメウラナミジャノメ、アカボシゴマダラ、アゲハチョウ、キチョウ ●スズメバチ ●ジョロウグモ ●ツクツクボウシ、ミンミンゼミ、アブラゼミ ●アメンボ ●クチブトゾウムシの仲間、キマワリ、トホシテントウ ●カナブン ●カノコガ ●ササキリ、ヤマトフキバッタ ●シュレーゲルアオガエル ●サワガニ ●オニヤブソテツ、ヤマイタチシダ、ヒメシダ ●ヤブミョウガ ●ノカンゾウ ●コブシ ●ミズヒキ ●ヘクソカズラ ●イネ ●カキ ●マツ ●ドクダミ ●クサギ以上

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation