里山の自然学校2014
第9回《秋の里山》
【2014/11/25 更新】
日 時 2014年11月23日(日) 10:00~15:00 快晴
場 所 生田緑地 参加者 山本来幸、稲垣志帆、佐藤りん、石井恵梨華、鈴木優香、鈴木彩香 大島弥子、小林海音、目黒陽菜、中川 悠、沼澤咲季、江崎 慧、田村 和 13人 講 師 岩田臣生、岩田芳美、梅原和仁、神山歩未、藤間煕子、山本 晃 サポート (里山の自然学校卒業生)神山幸雅 第9回里山の自然学校は「秋の里山」体験です。 例年だと紅葉の盛期なのですが、今年の紅葉は少し遅れています。 雑木林の黄葉もまだまだです。 それどころか、季節を間違えて花を咲かせている草も見られる晩秋です。 里山の自然学校では中央地区北側の谷戸をフィールドにしていたので、参加してくれた子どもたちの中には南側のエリアを知らない子がいます。 そこで、今回、午前中は南側のエリアを歩くことにしました。 里山の自然学校を始めて間もない頃、特別回として、園路に落ちている落葉や木の実を観察して歩いたことがありました。 その時の楽しい思い出がよみがえってきたこともあって、野鳥の森を歩くことにしました。 また、4月の第1回から休んでいた講師の岩田芳美が今回から参加できることになりました。 野鳥の森を目指して、市民活動室を出発しました。 ジョロウグモ♀がまだいました。 綺麗なクモだという意見や珍しいクモだという意見があって驚きました。 生田緑地では普通に目立つクモですが、市街地では大きな巣を張るジョロウグモは見られないことを教えられました。 確かに、自宅周辺を散歩する時には出会うことがありません。 中央園路の両側の植樹帯には寒椿(カンツバキ)が植えられています。 花弁が1枚ずつ散るのはサザンカのようであり、また花弁と雄蕊が合着しているところはツバキのようです。 植栽として仕立てられている形態などからはサザンカに思えます。 ですから、カンツバキはツバキとサザンカの交雑種ですと聞くと納得してしまいます。 この落葉の季節になっても咲いている花を見つけるというミッションに従って、子どもたちが報告してくれました。 連休とあってクスノキの辻は紅葉目当ての来園者が多数集まっていましたが、紅葉は例年の輝きはありませんでした。 ドバミミズが地面に転がっていました。 ミミズは環形動物で、国内に200種ぐらいいて、その大部分がフトミミズ科のミミズで、これらを総称してドバミミズと呼んでいるようです。 体長は10~20cmあり、地中生活をしていますが、雨の後などに地面の上で見かけることがよくあります。 踏み石の上にクロイロコウガイビルがいました。 捕えたナメクジやカタツムリを体外で消化して吸収するという生物です。 何故か、今年は普通のコウガイビルには出会えずに、見つけるのはクロコウガイビルばかりです。 秋の野鳥の森の園路は黄葉のトンネルの下を落葉を踏んで歩くというイメージなのですが、今年の黄葉はまだのようでした。 サザンカの花が咲いていました。 コウヤボウキがありました。丁度、花から実に移ろうという時期でした。 養蚕が盛んな時代には蚕室の掃除を、コウヤボウキの枝でつくった箒で行っていたようです。 雑木林を構成する落葉樹の勉強もしました。 コナラ、クヌギ、ハリギリなど木肌や葉の特徴が分かったかな? クスノキの辻のモミジは春から紅い品種ですが、イロハモミジなどの紅葉は色彩の変化が多様です。 秋になって葉緑素の中のクロロフィルが分解され、緑色を保てなくなると、カロチノイド系のキサントフィル類による黄色に変わっていくことで黄葉が起こります。 クロロフィルが分解される時に、アントシアニンが生成される植物は赤色に変わります。 春~夏に蓄えられた糖類、気温の変化、湿度、紫外線などによって、アントシアニンの生成は一様にはならないために、様々な色合いの紅葉になっているのだと思います。 子どもたちは落葉を選んで拾っていました。 市民活動室に戻ってから、少し、大型の蛾についての学習をしました。 山本先生がヤママユ、ヒメヤママユなどの標本を用意してくれました。 標本は写真と異なり、大きさや立体的な構造を感じることができます。 養蚕の文化は、今の子どもたちの生活からはあまりに遠い世界のことになってしまったようです。 蛾の話を聞いている子どものノートに拾ってきた落葉が整理されていました。 午後は、いつもの谷戸に降りました。 まだシロヨメナの花が残っていました。 ハンノキが倒れているお蔭で、来春咲く準備をしている姿を観察することができます。 9月10日にオダを立てるために草刈をした場所には、セリが生えて、ウシハコベが咲いていました。 シロダモの花が咲いていました。赤い実が同時に見られました。 田圃には水が入っていました。1年中水を入れている田圃を冬季湛水の田圃と云うことを学習しました。 稲刈りの済んだ田圃には、田植えが済んだばかりのようにイネが生えているのを観察しました。 このように稲刈り後に再生したイネを穭・稲孫(ひつじ・ひつち・ひづち)というそうです。 稲のヒコバエです。 地域によっては、穂も出てくるので、これを二番穂と呼ぶそうです。 穭稲(ひつじいね)・穭生(ひつじばえ)ともいい、稲刈りのあと穭が茂った田を穭田(ひつじだ)ということ、俳句では秋の季語になっているそうです。 木道の手摺りにアキアカネ♂が休んでいました。 田圃の畦の竹杭にオオアオイトトンボ♂を観察しました。 田圃の畦にマユタテアカネ♂が陽光を浴びていました。 ジュズダマに夢中になっている子どももいました。 谷戸を横切っていた獣道を使っている哺乳類が何なのかを確認するために11月7日の水路の手入れの後で木道下に設置した定点カメラを回収しました。 戸隠不動尊跡で集合写真を撮りました。 黄葉したイチョウからヤブソテツが生えていました。 芝生広場では紅葉を観ることができました。 市民活動室に戻って、この日、フィールドで出会った生物をあげてみました。
歩未先生の挨拶で、この日の活動を終了しました。 以上 |
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Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation