里山の自然学校2016
第8回《稲刈り》
【2016/10/2 更新】
日時 2016年10月2日(日) 10:00〜15:00 晴
場所 生田緑地 参加者 里山の自然学校3年生 山下はなの 里山の自然学校2年生 山下真奈美、大橋拓真、工藤千穂、佐藤晴奈、軸丸陽希 里山の自然学校1年生 齋藤凛々子、猿谷明衣、鈴木美舟、仲田稔里、上村勇翔、中垣祐輝、 福田公成、佐藤功一、田通 潤 15名 講師 岩田臣生、岩田芳美、梅原和仁、神山幸雅、藤間X子 5名 水田ビオトープ班からのサポート 鈴木潤三、政野祐一、山下淳也 3名 第8回里山の自然学校は、稲刈りです。 下の田圃は早々にアライグマに食害されて、稲穂が殆ど残っていないため、稲刈りは上の田圃だけで行いました。 田圃は、如何にも、生物優先の田圃らしく、ツリフネソウなどの草の中に埋もれています。 また、普段は、ホトケドジョウなどの水中で生活する生物のために湛水したままにしてありますので、まず、水を落とすことから活動を始めました。 稲刈りは、例年同様、二人一組になって、一本の鋸鎌を使いました。 稲刈りの進め方、注意などの指導は神山先生に任せました。 神山先生は、里山の自然学校の卒業生で、現在、大学生です。 里山の自然学校で10年間活躍してくれた神山歩未さんが、自分が抜けた後は弟に手伝わせると言って、手配してくれました。 大学生の間は手伝ってもらえそうです。参加者経験のある若い先生です。 稲刈りは、一番面積の大きい、上の田圃の下の段から始めました。 子どもたちは気づいていないと思いますが、田圃の上をアカトンボが群舞していました。 草の上に止まったりして、確認できた個体は全てマユタテアカネでした。 秋の陽光を浴びて舞い飛ぶマユタテアカネを見て、嬉しくなりました。マユタテアカネが増えていると実感しました。 稲を刈る子どもたちの間で、連結して産卵している個体もありました。 そんな中に、時々、大きなヤンマが飛び込んできて、水の落ちた田圃に尾端をつけて、産卵行動をしていました。 これには、唯々、驚いて見ていました。 水が無くなった田圃には、無数のアメリカザリガニが現れました。 これは、駆除しておきたいと思いました。 子どもたちが、ジュズダマの茎に、ハラビロカマキリ?を捕食しているオオカマキリを見つけました。 田圃の中で寝てしまっていた稲を、子どもたちは、躊躇することなく、次々に刈っていきました。 泥だらけの稲穂は、藤間先生の指導で、水で洗ってから束ねました。 子どもたちが刈った稲を束ねる力仕事は、水田ビオトープ班の鈴木、政野、山下が担当しました。 田圃の水を落としたり、水をくめるように竹の樋を設置する活動も、お願いしました。 上の段の稲刈りに移りました。 刈った稲束をオダに干していきました。 稲刈りを終えてから、お弁当にしました。 ジュズダマの葉に、羽化したばかりのクロコノマチョウがいました。 お弁当を食べてから、田圃のアメリカザリガニの駆除をしました。 子どもたちがアメリカザリガニを採集している間に、オダに干した稲束の上にシートをかけました。 稲刈りを終えました。オダの見える場所で集合写真を撮りました。 市民活動室に戻って、出会った生物のリストアップをしました。 植物 ツリフネソウ、ジュズダマ、ヒガンバナ、ツユクサ、イネ 昆虫 ケラ、コカマキリ、オオカマキリ、ハラビロカマキリ、マユタテアカネ、オニヤンマ、シオカラトンボ、アメンボ、クロコノマチョウ その他 アメリカザリガニ(駆除490)、ホトケドジョウ それから、簡単に、稲刈りの感想を書いてもらいました。 (感想)稲刈りを終えて 田圃については何も知らない素人が、苗をつくり、育て、収穫するという、天候頼みの生活を、12年経験しました。 米の生産ではなく、生物の生息環境を再生保全するという目的を掲げての活動であるから、収量は問題ではないと、心に言い聞かせて続けていますが、毎秋、稲刈りが済むと、気持ちが軽くなるのを感じます。 里山の自然学校のプログラムに、田植え、稲刈りを組み込むことは、人手を要する活動を乗り切るために必要と考えて企画しました。 しかし、今、子どもたちと行う田圃活動は、市民活動としての田圃には不可欠の楽しい活動だと実感しています。 広い意味での生物多様性保全の活動になっていると思います。 この日の谷戸の田圃は、周囲にツリフネソウが咲き誇り、マユタテアカネが多数乱舞していました。 神奈川県東部では激減していると聞いていたマユタテアカネが、この谷戸では増えたらしいと感じさせてくれました。 この光景は、谷戸の生物多様性保全の活動を続けてきた者にとっては、この上なく嬉しいものでした。 以上 |
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Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation