里山の自然学校2020 第 2 回 プールのヤゴの救出作戦


里山の自然学校2020
第 2 回《プールのヤゴの救出作戦》

※新型コロナ感染流行のため、第1回春の里山を中止しましたので、今年度は回がずれています。
【2020/6/7 更新】

日時 2020年6月7日(日) 10:00〜15:00 晴
場所 稲田児童プール
参加者 里山の自然学校 2 年生  5 名
       畠山夏昊 (小学 6 年生 1 名)
       佐藤朝陽、佐藤天音、軸丸朝咲、原田天雅(小学 5 年生 4 名)
     里山の自然学校1年生  6 名
       佐藤弥里(小学 5 年生 1 名)
       池上豪一郎、加藤帆乃果、玉木 遥、橋本怜奈、房安弘太郎(小学 4 年生 5 名)
卒業生  佐藤晴奈
                              12 名
事務局・講師 岩田臣生、岩田芳美、工藤思由          3 名
水田ビオトープ班応援 東 陽一、岩渕裕輝、政野祐一      3 名
総勢  18 名

● 9:00 児童プールの排水弁開放
 例年通り、1 時間前に、プールの排水を始めましたが、未明の降雨が激しかったのか、プールは満水状態でした。
 一昨日、鍵の解錠などの確認のために来た時と変わらず、水は澄み切って、水底の落葉や泥は少なかったので、ヤゴはいるのだろうかと思いましたが、 良く見ると、ハイイロゲンゴロウ、オタマジャクシなどの姿が見られ、試しに一網入れて見たら、シオカラトンボのヤゴが採れましたので、安心して、参加者を待ちました。

●10:00 参加者の集合を確認してから、各自が好きな手網を選び、それと洗面器を持って、一番浅いプールに移動し、ミッションの説明を行いました。
 水底の落葉や泥を掬って、プールサイドの水際に運んで、その中に潜んでいるヤゴを見つけ出して、各自の洗面器に入れることが、今回の活動になります。
 勿論、洗面器には、濁る前の水を汲んでおきます。
 ヤゴだけでなく、気になった生きものは全て採集して、観察した方が良いのですが、コミズムシなどは無視されていました。  周囲では、ギンヤンマが次々に採集されていましたから、気持ちは常に、ギンヤンマにあったのでしょう。
 今回、小さなペットボトルにヒモをつけて、首からぶら提げておいて、ユスリカの幼虫など、ヤゴのエサになりそうなものを採集して入れておくように勧めたのですが、皆さんが実行していました。

●一番浅いプールから活動開始の予定でしたが、既に、水は殆ど無く、落葉なども非常に少ない状態でしたので、直ぐに、採集は諦めることになりました。


●10:15 二番目の深さのプールが、長靴で入れる水深になったので、隅に溜まっていた落葉や泥を掬ったところ、早速、ギンヤンマのヤゴが 2 個体入りました。
そこで、皆を呼んで、採集場所を変更させました。
一番深いプールとの間のネットフェンズには、ギンヤンマの羽化殻が多数付いていました。
また、羽化に失敗したのか、後翅先端部がくっついて、飛べない成虫がプールサイドにいました。
これは、翅を剥がしてやると、元気に飛んでいきました。
水面近くには、ショウジョウトンボが数匹飛んでいました。


●11:10 一番深いプールの活動を始めました。

●12:00 お昼のお弁当にしました。
 プール前のポーチは、例年だと、イベントがあって使えないのですが、新型コロナ感染対策のため、イベントが禁止されていたので、今回はポーチで、social distance をとって、 お弁当を食べることができました。
風が抜けて、涼しく、休憩できました。


●12:50 午後は、採集したヤゴをヤンマ型、シオカラトンボ型、アカトンボ型、イトトンボ型(今回は 0 でしたが)に分けます。
 トンボは、棲息する水域によって、止水性のトンボと流水性のトンボに分けられることを教えました。
 プールにいるのは止水性のトンボで、この辺りのプールで採集できるヤンマ型はギンヤンマであり、オニヤンマはいないことを教えました。
 オニヤンマは流水性のトンボで、生田緑地で見られますが、羽化するまでに 4〜5 年かかることを教えました。
 生田緑地で出会うシオカラトンボのヤゴは全身、泥を被っているけれども、プールのシオカラトンボは腹部が鮮やかな赤褐色をしているので、簡単に見分けられます。
 採集したヤゴのうち、ギンヤンマでも、シオカラトンボでもないヤゴがアカトンボのヤゴです。
 過去の記録では、アキアカネ、ネキトンボ、コノシメトンボのヤゴでした。
 持ち帰ったヤゴを羽化させて、どんなトンボになったかを観察して、記録してほしいと思います。


●里山の自然学校 1 年生の二人が、採集したヤゴをヤンマ型、シオカラトンボ型、アカトンボ型に分けて、個体数を数えて、記録する活動をしてくれることになりました。

救出したヤゴの数
ギンヤンマ      85 (過去最多は 123、2 位は 96、今回は 3 位)
シオカラトンボ   134 (過去の記録の第 7 位)
アカトンボ    1,811 (過去の記録の第 12 位)
総数       2,030 (過去の順位は第 12 位)
オタマジャクシ 余りにも多い、数千

●おかげで、他の参加者は、ギンヤンマを求めて、午後も採集活動を続けられることになりました。

プールサイドに溜めた落葉や泥などを片づける活動を子どもたちも手伝ってくれました。

集合写真を撮って、片付けを行い、解散しました。

参加者は、救出したヤゴの一部を自宅に持ち帰って、観察し、羽化させるというミッションが残っています。
ヤゴを持ち帰るために、ペットボトルを用意してもらいました。
これに水を満たして、ボトルが揺れても、水が大きく揺れないようにして、持ち帰ってもらいました。
さて、羽化は上手くいくでしょうか。
実は、6/9 朝、シオカラトンボが羽化したという連絡がありました。 他のヤゴも無事羽化することを願います。

以上

里山の自然学校のスタートページ

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation