里山の自然学校2020
第 5 回《案山子づくりと生物調査》
※新型コロナ感染流行のため、第1回春の里山を中止しましたので、今年度は回がずれています。
【2020/8/2 更新】
日時 2020年8月2日(日) 10:00〜15:00 曇後晴
場所 生田緑地 参加者 里山の自然学校 2 年生 5 名 畠山夏昊 (小学 6 年生 1 名) 佐藤天音、軸丸朝咲、原田天雅(小学 5 年生 3 名) 里山の自然学校1年生 5 名 佐藤弥里(小学 5 年生 1 名) 加藤帆乃果、玉木 遥、房安弘太郎、池上豪一郎(小学 4 年生 4 名) 9 名 事務局・講師 岩田臣生、岩田芳美、工藤思由 3 名 総勢 12 名 今年は、新型コロナ感染流行のため、室内活動は控えてきましたが、今回は、集合に市民活動室を使いました。 但し、、窓は開けて、机 1 つに 1 人が座る形にしました。 活動希望を尋ねたら、案山子づくり 4 人、生物調査 5 人でした。 案山子づくりチームは、案山子に使うTシャツを選んで、出発しました。 生物調査チームは、水田ビオトープ班の倉庫から、手網、バケツ、洗面器を持って出発しました。 (ハンノキ林上のデッキで案山子づくり) 活動を始める場所は、ハンノキ林上のデッキと池にしました。 岩田は、生物調査だけでなく、案山子づくりの一部、案山子の芯棒に頭と腕を取り付ける作業を行わなければならないため、両方の活動を一ヶ所で行える同じ場所として選択しました。 案山子づくりは、芯棒にする竹の汚れを拭き取ることから始めました。 7/30(木) に芯棒にするための細めのモウソウチクを伐っておいたのですが、これの表面は煤(スス)のようなものが覆っていましたので、活動中の子どもたちの衣服が汚れてしまうかも知れないと 心配していました。 綺麗になったモウソウチクの芯棒に頭を取り付けて、シャツを着せた状態の竹の腕を取り付けました。 この部分はしっかり固定しておかなければならないため、大人の作業が必要です。 後は、子どもたちが話し合って、顔や、頭や、手を、手分けして作っていきました。 ニイニイゼミの声をベースに、曇っているとヒグラシが、強い陽射しになるとミンミンゼミが鳴いていました。 (ハンノキ林上の池) 生物調査チームは、ハンノキ林上の池を手網で掬って生きものを採集して調べました。 連日の降雨のお蔭で、デッキの階段の一番下は水面下にあり、水は澄んで、泥底が見えていました。 生物調査は、プールのヤゴの救出作戦同様に、水に入る活動だと知らせておいたのですが、誰も水に入っている子はいませんでした。 夏だから、冷たい水に入る活動が良いと考えていたのですが、岸やミヤマシラスゲの茂みに入って手を伸ばして、手網で掬っていました。 岩田は、ウエイダーは止めて、半ズボンに切り替えられるズボンにサンダル履きで、子どもたちと同じ目線で、池に入るつもりでいたので、兎も角、中に入ってみました。 水は冷たくて、一気に汗が引いたように感じました。 水深は膝上まできて、ズボンを更に短くしたりしていましたので、それを見た子どもたちは入る勇気を無くしたようでした。 全身ずぶ濡れになっても平気で、生きものを探す子が一人もいないことに、少しがっかりしました。 池の水底には厚く泥が溜まっていて、腐植質は殆ど無く、葉脈のような細い木質が堆積していて、その中に、大きなカワニナが多数いました。 気になったのは、大量にいたはずのヌカエビなどが見られなかったことです。 子どもたちに貸した手網は、柄の長いものは 2 本のみで、ほかは短い柄の手網にしたのですが、岸辺からでありながら、僅かの時間にアメリカザリガニを 25 採集していました。 池の中に入れば、アメリカザリガニ 10 程は簡単に駆除できることが分かったところで、ハンノキ林上の池の調査は終えることにしました アメリカザリガニ 35、カワニナ 8、オタマジャクシ 7、ホトケドジョウ 5 (ハンノキ林西の池) 少し移動して、ハンノキ林西の池でも少しだけ網を入れて、状態を観察しました。 先日(7/16)、水が涸れかけていたので、水漏れ補修をしましたので、 その後の状態を見ておきたいと思ったのと、子どもたちに別の環境も見せてあげたいと思ったからです。 この池は、すり鉢状に砂泥が溜まっていて、池としては深いものの、見える水底は浅い状態です。 中に入ると、大きなホトケドジョウが泳いで逃げるのが見えますが、止まってしまうと、どこにいるのか、全く分かりません。 ホトケドジョウ 5cm、ヤマサナエのヤゴ 3、種不明のヤゴ 1、カワニナ 4、クロセンブリ幼虫 3 (上の田圃の上の段) 同じ谷戸の中でも、ハンノキ林上の池と西の池では大きな違いがあることを知ったところで、田圃の生物調査を試みることにしました。 イネは日照不足のため、出穂が始まる様子は見られません。 上の段には、広い範囲にコナギが繁茂していました。米をつくるためには、除草しなければならない状態です。 コナギは肥料食いなので、初めての田圃を始めた時は、元の地主さんから「そんなことをしていたら米は収穫できないよ。」と言われたことを思い出しました。 田圃の畦に立つと、アメリカザリガニが逃げる水音が響きます。 畦沿いに網を入れながら歩いて行くと、水中に、ホトケドジョウが泳いでいるところが観察されました。 水温はだいぶ上がってきました。 シオカラトンボが稲の高さよりも低い高さで、正面から飛んで来て、ぶつかる直前で身を翻す行動を繰り返していました。 ホトケドジョウ 多数、アメリカザリガニ 多数 生物調査チームが移動した後も、案山子づくりは続き、完成した案山子を上の田圃に運びました。 芯棒が長過ぎるという意見がありましたが、田圃に立てた景観としては、どうでしょうか。 全員が集まったところで、集合写真を撮りました。 暑さの中、皆、疲れてきましたので、日陰に入って、お弁当にしました。 谷戸の上空をオニヤンマが、田圃の周りでシオカラトンボ、オオシオカラトンボなどが飛んでいました。 アオスジアゲハ、ナガサキアゲハ、外来種のアカボシゴマダラなども飛んでいました。 お弁当を食べて、ゆっくり休憩してから、案山子を立てました。 案山子づくりチームの集合写真を撮りました。 生物調査チームの集合写真も撮りました。 案山子づくりの活動が終わり、全員、市民活動室に戻り、今年度の里山の自然学校についての感想などの作文を行いました。 感想文は、皆に向けて発表してもらい、発表が済んだら、栞づくりができることにしました。 栞の素材はリョウメンシダとベニシダを使いました。 これは自由だったのですが、結局全員がつくりました。 第 1 回<田植え>の感想 植えた後の達成感が忘れられない。 真っ直ぐ植えたり、植える深さを調節するのは難しかった。 足がはまった。 植える範囲が広くて、体力をつかった。 みんなで協力して植えられたのが良かった。 後に成長しているのを見て、やりがいを感じた。 第 2 回<プールのヤゴの救出作戦>の感想 初めてヤゴを触ったけど、楽しかった。 ヤゴを見るのは初めてだったので、嬉しかった。 ギンヤンマのヤゴが沢山いたのにビックリした。 ギンヤンマを沢山採って、持ち帰ることもできたので嬉しかった。 4 ギンヤンマをみんなで捕まえた。 2 羽化までの観察で、何匹もの小さな命を救ったんだと思った。 エサのアカムシを食べたり、羽化して飛んでいく姿が可愛かった。 ヤゴを羽化させることができた。 オタマジャクシが沢山いたので驚いた。 共食いしているオタマジャクシを見て、オタマジャクシが嫌いになった。 羽化させるのが難しくて、できなかったヤゴもいた。 羽化した場面を見ることができなかった。 第 3 回<ホタル観察>の感想 ホタルは赤ちゃんの頃しかみたことがなかった。 予想していたより綺麗だったので、また見たいと思った。 生田緑地にホタルがいることに驚いた。 今まで見たホタルに比べるとホタルの数は少なかった。 友達とホタルを数えたが、沢山いたので綺麗だった。 コウモリを見て、楽しかった。 コウモリの声を聞いたのが楽しかった。 第 4 回<夜の昆虫観察>の感想 スズメバチが心配だったが、飛んでこなかった。 凄い数のカブトムシに出会えてビックリした。 2 カブトムシに触るのは恐かったけど、つかめるようになって嬉しかった。 オスのカブトムシは角を掴めたが、メスのカブトムシは掴めなかった。 勇気を出して、カブトムシを触った。 3 触ってみたら、可愛くて、恐くなくなった。 カブトムシやカミキリムシなど、普段見られない昆虫を観られて嬉しかった。 カブトムシやカナブンがいて、すごいなと思った。 セミの幼虫やカブトムシなど、いろいろな昆虫を観察できた。 2 ハクビシンに出会ってビックリした。 3 第 5 回<案山子づくり>の感想 顔のデザインや名前「どっかのだれかさん」を相談して決めるのが楽しかった。 顔を選ぶのとズボンに絵を描くのが楽しかった。 竹を拭くのが大変だった。 第 5 回<生物調査>の感想 外来種のアメリカザリガニが沢山いて驚いた。 アメリカザリガニを捕まえるのが楽しかった。 2 絶滅危惧種のホトケドジョウがいて、驚いた。 ヤゴや、ホトケドジョウに出会えて良かった。 2 小学校で育てているカワニナがいた。 履き替えを持って来なかったので、水の中に入れなかったのが残念。 心に残った生田緑地の生物ピックアップ! ウスバカミキリ(メス) ホタル ギンヤンマ コウガイビル キマワリ ハクビシン 2 タマノカンアオイ ヤマユリ 第 5 回里山の自然学校<案山子づくりと生物調査>の活動を終えました。 この人数なら、充分なソーシャル・ディスタンスを取ることができるので、室内活動も可能だと思いました。 以上 |
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Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation