里山の自然学校2021
第01回《春の里山》

【2021/4/18 更新】

日時 2021年 4月18日(日) 10:00〜15:00 晴
場所 生田緑地 市民活動室、生田緑地
参加(里山の自然学校 3年生)佐藤天音、軸丸朝咲、原田天雅
  (里山の自然学校 2年生)佐藤弥里、加藤帆乃果、橋口怜奈、房安弘太郎、玉木 遥、池上豪一郎
  (里山の自然学校 1年生)谷口連太郎、森弥太郎、青木いろは、柴田一花
              村尾春樹、久保田あかり、柴田綾乃、須貝愛桜、舟越 葵、宮本琴羽、吉田 絃
                         20名
講師(事務局) 岩田臣生、岩田芳美     
サポーター 工藤思由、小野寺花柑      合計 24 名

里山の自然学校は 2005年 5月に開校したので、今年度は第 17 期となります。
広域の天気予報は、土日は雨でしたが、多摩区の予報が当たって、晴となりました。
今期の参加者募集については、10人程度の先着順としたのですが、募集開始日に 20人を超える申込があり、慌てて、募集を締め切りました。
それでも、参加者 21人、第 1回は欠席があり、20名で開催しました。
講師は事務局の 2人のみとなりましたが、卒業生にサポートしてもらうことにしたところ、この日は 2人のサポーターに手伝ってもらえることになりました。

活動に市民活動室を使わせていただけるようになっていますが、第 1回は保護者の参加があるため、密になることを避けて、西口園路広場で集合することにしました。
ここは、一般の来園者と分けることはできませんが、参加手続きとオリエンテーションだけを行いました。

西口への道では、生田緑地の整備以前から植えられていたユーカリの大木を観察しました。
根元付近には、弓形をした沢山の落葉がありました。

西口のトイレに寄ってから市民活動室に入り、持参した着替え、履き替えなどは置いて、春の里山のフィールドに出発しました。

中央園路から谷戸に降りる木製階段は、さながら、緑のトンネルでした。
ハンショウヅルの花は未だ開いていませんでしたので、半鐘(ハンショウ)を知らない子どもたちには説明困難でした。
ただ、実(種子)も面白い形をしているので、ここを通る度に観察してほしいと思います。
タマノカンアオイの花は咲いていました。
川崎が標本原産地になっている唯一の植物で、絶滅危惧II類の植物です。
里山の自然学校の子どもたちには、知っておいていただきたい思います。
狭い探勝路での活動でしたが、サポーターや、里山 3年生の子どもたちが最後尾について、制御してくれました。
里山の自然学校 3年生の成長に驚くと共に、里山の自然学校は皆でつくるという気持ちが感じられ嬉しくなりました。

アオイスミレ、タチツボスミレと移り変わって、一週間前には、ヤブニンジンが小さな白い花をつけていましたが、その花は針のような実になっていました。

ピクニック広場のクサイチゴの花は一つを残して、実になろうとしていました。
当り前のように、食べられるのかという質問が出ました。
その上空には、ヤマグワも実に移ろうとしていました。

園路沿いには、ムラサキケマンの花と実の両方を観察できました。
これも食べられるのかと質問する子がいましたが、有毒です。

下りかけてから、園路沿いに、ホウチャクソウが観察できました。
元部が白で先端にかけて緑色になる花が垂れ下がっています。
地味な花ですが、群生する初夏の花です。

さらに降ると、カキドオシの花や、ツボスミレの花が観察できました。

萌芽更新地区下まで来ると、外来種のセリバヒエンソウが見られるようになりましたので、目の前で抜き取って、私たちは駆除活動をしていることを話しました。
今年の里山倶楽部では、4/24(土)、5/1(土)の 2回の活動を予定しています。
短期間に種子をつくり、種子の発芽率が高くてで、他の植物を押しのけて繁茂する外来種であるため、駆除するようにしていることを話しました。

少し難しいとは思いましたが、萌芽更新地区の歴史、萌芽更新とは何かという話などを行いました。

木道デッキ脇のハンノキを観察して、生田緑地のハンノキ林の話を行いました。

生田緑地の地層と湧水の話も行いました。
昨夜の降雨の激しさを語るように、湧水量が多くなっていて、ハンノキ林上の池は澄んでいました。

ハンノキ林内では、林床にジロボウエンゴサクが咲いていたり、、水辺にミヤマシラスゲが花穂を伸ばしていたり、 木道の手摺には外来種のヨコヅナサシガメが、 キブシの枝先にアカスジキンカメムシ幼虫が、そして、 コミスジが私たちの所に飛んで来て、観察できました。

梅畑広場に出て、お弁当にしました。
一人一人別々に、レジャーシートを離して敷いて、皆が同じ竹林側を向いて座り、レジャーシートを持参していない子はテーブルベンチに、テーブルに背を向けて座って、
黙食をお願いしたのですが、サポーターが話しかけていたのには困りましたが、・・・。
事前に、この広場の草刈りをしておいたので、文句を言う子もいましたが、何とか、コロナ対策をとっての弁当時間を過ごすことができました。

記念の集合写真を撮りました。

先に食べ終わった子が、セリバヒエンソウの駆除をしてくれたので、お礼に、こっそりと、ウラシマソウの花を観察させました。
義務教育ではないので、子どもたちの態度次第で、依怙贔屓もありだと考えています。

全員の昼食が終わったら、田圃のオタマジャクシを観察する野遊び時間です。
アズマヒキガエルは、国産では最大クラスのカエルですが、オタマジャクシは逆に最小クラスなのが面白いところです。
夢中になって活動する時間があることは大切なことだと思います。

ただ、下の段の水が非常に少なくなっていたのが気になって、見に行ったら、原因は不明ながら排水堰の土嚢の大部分が落ちていたので、私は仕方なく、土嚢を集めて、積む活動を行っていました。
長靴ではなかったので、作業としては不十分だと思いながら、火曜日に手入れをすれば間に合うだろうと考えました。
また、導水路が木道下を通過する所のパイプに枯草が詰まって、水が木道下に溢れ出していましたので、この枯草を取り除いて、通水を確保しました。
多分、昨夜のこの谷戸は洪水状態だったのだろうと思いました。

勿論、子どもたちは別世界にいました。

戸隠不動尊跡付近の見晴台付近で、ゾウムシの仲間、シギゾウムシの仲間、ベニカミキリなどを見つけました。



城山下谷戸分岐付近も観察しました。

芝生広場に寄りました。
フデリンドウの実を観察したいと思ったのですが、見つかりませんでした。

ホタルの里からトイレに行った子どもたちが、戻って来て、合流しました。
里山 3年生の二人が付き添って往復してくれたので、助かりました。
戸隠不動尊跡付近で採集して観察容器に入れていたゾウムシやベニカミキリを観察させました。

市民活動室に戻って、@里山の自然学校2021 でやりたかったこと、Aこの日の活動の感想などを書いてもらいました。

書き上げた文章を発表してもらいました。

@しぜんのものを見たり、さわったりしたかったから
Aきょうはいろんな虫や花をみてたのしかったです。とくにオタマジャクシをとったことがたのしかったです。



@去年もやっており、初めてのことやはっ見があり楽しい一年だったから
A去年はコロナのせいで今回のプログラム春の里山ができなかったので楽しかったです。
 きいたことのあった植物もありましたが、しらないことばかりで、楽しくしることができました。
 コロナで大変なのに、今日があり、ストレスふきとびました。
 ありがとうございます。


@田うえがしたくて
A里山には、いろいろな植物や虫がいた。
 今まで知らなかったことが知れた。でも、たくさんあるいてつかれた。けれど楽しかった。
 カニも見つけてうれしかった。地面にカニがいてびっくりした。


@学校などの理科の問題で、生物の四季や名前を問う問題が、私は不得意だったので、この里山の自然学校に入れば、教えてもらえると思った。
 今までにない体験ができると思ったから。
 いろいろな花や草、木の名前や実物を知ったり、見てみたかったから
A一年目以外の植物が知れてよかったです。
 ふだんは味わえない自然の風が味わえてよかったです。
 オタマジャクシであそべてたのしかったです。


@一年生の間おぼえられないこともあったので、二年生でおぼえたいです。
 一年目の失敗をいかしてがんばりたいです。
 楽しみなのは、ヤゴの救出作戦と秋の里山体験です。
 ヤゴの救出作戦は、取って育てるのが楽しかったからです。
 秋の里山体験は、とちゅうから参加したので、今年は最初から参加したいからです。
Aひさしぶりに「どっかのだれかさん」を見たことと、オタマジャクシをとって、かんさつしたことです。
 次の田植えでは、久しぶりにドロに入るのがたのしみです。


@一年の時に、ヤゴ救出作戦と稲刈りが楽しかった。他にも、知らない植物や知らない虫の名前や説明がおもしろかったから
 去年は、田植えと秋の里山体験を休んでしまったので、楽しみ
A田んぼでオタマジャクシがいっぱいいたのにびっくりした。ドジョウらしき生きものもいたからびっくりした。
いつもの4月より5月にさいている花がさいていたので、地球温だん化が関係しているのかと思いました。


@田植えをやってみたくて
Aまだつかまえたりはできないけど、前よりオタマジャクシがふつうになれた。
 生田緑地って、こんなに(森・山)があるって知った。
 虫がいっぱいいて、さいしょはいやだったけど、楽しかった。
 いろんな花や虫を見て、こんな花があると知れて楽しかったです。
 一番びっくりしたのは、タマノカンアオイです。土の近くにあったからです。


@虫がきらいだった私がどんどん虫に興味を持つようになったので、今回も参加したいと思いました。
 私が今回一番楽しみにしていることは田植えです。
 これまで 2回体験し、暑い中、苗を植えることの大変さ、また植え終わった時の達成感を知りました。
 他にも、田んぼ周辺の色々な生き物にふれることができるため、とても楽しみにしています。
A新しく入ってきた 1年目の人たちのことを気にしながら行動しました。
 中でも、みんなで田んぼのオタマジャクシをたくさんつかまえて観察することが楽しかったです。
 3年目、今年度も色々な植物や虫について学びたいです。


@ヤゴとりと田うえがしたかったから
Aさいしょはどうなるかと思ったけれど、先生たちが教えてくださり、3年生の先ぱい、お兄さんたちもいろんなことを教えてくれて、今日はとても楽しい一日になりました。
 オタマジャクシすくいがおもしろかったです。花やむしをみたりするのも楽しかったです。


@たくさんの昆虫や植物などの生き物に出会えたらいいと思います。
 一年のころやって楽しかった田植え、ヤゴ救出、だっこくをやりたかったから。
A今日はたくさんの植物が見れて良かったです。
 昆虫は少ないと思っていましたが、シャクトリムシやオサムシなどのたくさんの昆虫に出会えて良かったです。
 田んぼのオタマジャクシを見たときはあまりの量にびっくりしました。
 よーく見ると、ドジョウらしき魚もいて、つかまえようと思いましたが、逃げ足が速くてとてもつかまえづらかったです。
 でも、たくさんのオタマジャクシが見れてよかったです。
 お昼休みでは、サワガニがいてびっくりしました。本当に楽しかったです。


@虫や植物のことについて学べたので、楽しかったから
A今日楽しかったのは、オタマジャクシのかんさつと、先生の話を○○して、いろんなことを知ったからです。
田植えでは、2回やっているのでスムーズにやって、1年の子の手つだいができればと思います。


@しぜんのことをもっとしりたかったから。
Aしぜんにふれあって、いろいろ知れて楽しかったです。
 オタマジャクシをつかまえるのが楽しかったです。
いろいろな虫や草があって名まえがいっぱいいたのです。
 カニがじめんにいてびっくりしました。


@一年目の時に行けなかった夜のこん虫かんさつがいきたいです。
 一年目の田うえなどが楽しかったので。
A一年目で知った植物もあったけど知らない植物もあって楽しかったです。
 オタマジャクシもつかまえられたし、いろいろな事が知れて良かったです。
 今年もかかし作りや、ヤゴのきゅうしゅつさくせんや、たうえをやりたいです。
 二年目はなるべく休まず里山の自然学校に行きたいです。


@自然にふれてみたくて、自然についてもっと知りたかったから
Aいろいろな植物の名前を知れて良かった。
 一番おどろいた植物は、キツネノボタン、ハンショウヅル
 私の知らない生きものが見れて面白かった。


@生田緑地にどんな生物や植物があるのか知りたかったから
 次に楽しみにしているのは、田うえやヤゴのきゅうしゅつさくせんです。
A今日楽しかったのはオタマジャクシです。オタマジャクシがあんなにいるとは思いませんでした。
 はじめて、オタマジャクシをさわりました。手ですくえて、びっくりしました。


A一番楽しかったことは、オタマジャクシをつかまえることです。
 オタマジャクシがみれて、とてもうれしかったです。
私は、これからも生田緑地のことを知れたらいいなあと思っています。
け虫がたくさんいてこわかったけれど、がんばれました。
一番びっくりしたことは、カニがりくを歩いていたことです。とうめいで、体の部分がぐんじょう色でした。
これからも、生田緑地のことをたくさん知りたいです。


@もっとしぜんとふれあいたいから
 ヤゴのきゅうしゅつさくせん
A今日あるいて新しく知ったことは、たくさんあったし、おどろいたこともありました。
 植物の名前や、虫の名前など、いろいろな名前を知れて、すごくよかったです。
 すごく楽しかったです。次回もまた行きたいです。


@田うえが楽しそうだったからです。
田うえをがんばりたいです。
A今日楽しかったのは虫や木の名前がしれたからです。
けむしが、あんなにいるとは思いませんでした。


@ぼくが里山の自然学校に入った理由は、里山の自然を知り、それを他の人にも教えていきたいという思いを 1、2年生のときに思ったので入りました。
また、その自然をこわしたくないと思ったからです。
なので、1年生にすばらしさをしってもらいたいです。
A今日の里山の自然学校では、初めての子が多くいたので、少しびっくりしましたが、みんな、いろいろな生きものに反のうしていて、少し安心しました。
田んぼにいった時、みな、オタマジャクシをこわがらずに対応していたのですごいなと思いました。
また、オタマジャクシにふれたり、田んぼに手を入れている人がいたので、次の田うえの時は、心配しなくてもだいじょうぶそうで安心しました。
また、一年目の子たちがかいだんをのぼってもつかれないのでびっくりしました。
さらに広場に行っても、おにごっこがしたいなどの子もいて、すごいなと思いました。
今年は 20人と多人数ですが、三年生として、みんなをひっぱっていけたらなと思います。
今年はコロナウイルスで、できないことも多いと思いますが、去年のホタルのようにしずかでいたりすると、ホタルが多く出てきて、きれいなこうけいや、 美しい景色などをみられることもあるのでコロナウイルスをできるだけいい方に見て活動をしていきたいです。
一年間よろしくお願いします。


@生田緑地の事がしたくて入りました。
A今日たのしかったことは、わき水のはなしです。
しみでてるんですね。


以上で、この日の活動は終了しました。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation