生田緑地の谷戸の自然保全活動


田圃再生 12
日時 2004年5月12日(水) 11:00〜15:00 曇一時雨
場所 生田緑地
参加者 岩田臣生

 谷間の探勝路の木道で、1歳ぐらいだろうか。手を貸して、やっとヨチヨチ歩きができる程度の小さな子どもを連れた親子、数組と出会う。木道の上に座り込んでいる子どももいる。
 谷間の探勝路からホタルの里に降りかけた所で、植物班の吉田さんが声をかけてきた。スコップなんか持って歩いているのは私ぐらいだろうけれど、嬉しいことだ。丁度、ここには前から気になっていた植物があったので尋ねたところ、シラユキゲシという帰化植物だという。地下茎で増えていくのだそうだ。帰化植物だから排除したいと吉田さんは言うが、私は、心の中で、これを取り除くなら、その前にアオキをなんとかしたいなと思っていた。
 池からの水路には程良く水が流れている。田圃から出た水の広がり具合も良さそうだ。ヨシが60cm程に伸びた。
 木道から降りると、トカゲが1匹草むらに隠れた。
 シマヘビも、シュレーゲルアオガエルも、アメンボも、今日はいない。水温が上がっていない。気温も低くて、作業していても汗が垂れてこないのはいい。
 ドジョウが1匹、水面を波立たせて動き回っている。
 ツバメは、頻りに隣のクワイ畑(前にも書いたが、今年はクワイをやらないと横山さんは言っていた。今はオモダカが特異な葉を並べている。)に飛んできた。
 野鳥の囀りは相変わらず綺麗だ。
 植物班の佐藤副班長のチームも通りがかりに声をかけてくれた。水曜日の植物班は、生田緑地を歩きまわり、「花暦」の調査に余念が無い。
 隣の休耕田に繁ったホタルイの仲間と思われる草が濃緑色の細い管状の葉をひろげていて、その葉の途中に花穂がつき始めている。
 水を入れたせいか、セリが一段と優勢になった気がする。
 沢沿いの畦のキショウブが咲いた。
 土手の斜面には、クサノオウが黄色い花を咲かせている。
 ハルジオンは、この周辺、あちこちに咲いている。これは大正年間に帰化した植物で、今はもう市民権を得ているかに見えるが、ここ、ホタルの里には相応しいとは思えない。
 横山さんの土地の垣根沿いにはびっしりとドクダミが繁っている。
 昼食を食べていると、ズボンのところに、飛んできて、止まった奴がいる。触角がクシヒゲ状で黒色、体長11mm、翅は茶褐色、胸部から頭部にかけて黒色、コメツキムシだと思ったのだが、「山渓フィールドブックス甲虫」では分からなかった。
 田起しもだいぶ進んだと思う?
 近所のおじさんだろうか。木道ができてから初めて来たという。楽しそうである。「田圃づくりですか。」と声を掛けてくる。「何年も放置した田圃は、元に戻すのが大変なんだよね。」 経験があるとのことで、私達が何をしているのか、見ただけで分かった様だ。岩田芳美は専ら、通行人ヒアリング係になっている。
 生田緑地の帰り道、おし沼峠を超えて少し歩いたところで、街路樹にコゲラが飛んできた。樹の中程の高さに飛来し、上へ移動しては、次の街路樹に移る。10本ぐらいの街路樹を移動したであろうか。体を丸見えにして、生田緑地内でも、こんなに間近に、コゲラを見たことは無い。ケヤキだったと思うが、初めての経験である。


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