生田緑地の谷戸の自然保全活動
菖蒲池の生物調査(ヤゴの救出)

日時 2009/3/12(木) 10:00〜13:00 晴
場所 生田緑地菖蒲池
参加者 佐藤利奈、城本法子、岩田芳美、岩田臣生

10日(火)に、北部公園事務所から「菖蒲池の外周溝の泥を、来週以降に浚渫する」との連絡がありました。
菖蒲池の場所はこちらを参照してください。
菖蒲池は、都市公園としての生田緑地の本格的整備が開始された昭和40年(1965)に造成されたものです。 谷戸田を造成して菖蒲池にしたものだと思います。
当時の工法については記録があるのかどうか確かめてはいませんが、整備後の管理については農薬を使用しない配慮がなされていた様です。 最近まで、ウキゴケ(環境省RDB絶滅危惧T類、神奈川県RDB、準絶滅危惧)、イチョウウキゴケ(環境省RDB絶滅危惧T類、神奈川県RDB絶滅危惧U類)などが見られました。
また、数年前まではシオヤトンボ(神奈川県RDB要注意種)の羽化が見られました。
北部公園事務所からの連絡は、この場所で明示的に保護しているシダ植物についての配慮からでした。
しかし、私たちは、昨年10月の生田緑地植生管理協議会市民部会の勉強会において、苅部・県立生命の星・地球博物館主任学芸員から、 神奈川県東部地域での水生昆虫の惨憺たる状況についての話を聞き、生田緑地に棲息するシオヤトンボの重要性について更めて知るところとなっていました。
水生生物のことを考えるなら、掘りあげる泥は水際において、自力で水に戻ることができるように配慮しますが、菖蒲池では離れた場所に捨てることとなります。
そこで、急遽、生物調査を行い、ヤゴは救出しようということになりました。

活動を開始するに当たって、北部公園事務所の職員と立ち会い、掘り出した泥の置き場についてなど協議しました。
菖蒲池は、外周に水路があり、内側に菖蒲を植えてあります。中央を木橋が南北に横断していて、菖蒲田は上流側と下流側の2つの島に分かれています。 上流側は菖蒲田の外周を水路が一周していますが、下流側の菖蒲田は北側にのみ水路がある形となっています。
この日の状況は、上流側の南側水路は泥で埋まり、水は見えない状態でした。
上流側の北側水路はオランダガラシが一面に広がり、水はこちらを流れているようでした。今回の北部公園事務所の作業は、ここには手をつけないという話でした。
下流側は既に溝が掘られ、水が流れるようにしてありました。ザッと調べた限りでは何も見つかりませんでした。手を着ける前に連絡して欲しかったと思います。

救出目的ですので、救出した生物を保護する場所が必要です。そこで、今回手をつけないという上流側の北側の水路に保護する場所をつくることにしました。
オランダガラシの繁茂している中に3m程の長さで、オランダガラシを堀りとって、保護水域とすることにしました。
オランダガラシの根の間には、泥に混じって、アメリカザリガニ、ヤゴ、ホトケドジョウなどがいました。 これらは一旦、バケツや洗面器に入れておいて、後で記録をつけることにしました。

保護水域をつくりながらの生物採集を終えてから、上流側の南側、泥で埋まっている水路を調べることにしました。
まず、水のインレットの部分から作業を始めて、水を入れながら調べることにしました。
インレット部分には、ホトケドジョウが集まっていた他、ハエ目の幼虫やミミズ類、ヒル、ウシガエル幼体、アメリカザリガニなどがいました。
ミミズ類は丁度、縮れ麺の様な状態で絡み合って見つかりました。

12時には採集作業を終わりにして、採集結果を記録しました。
シオカラトンボ(ヤゴ) 3、ホトケドジョウ 17、ドジョウ 1、ヌカエビ 1、ガガンボ科 4、ミギワバエ科? 2、ミミズ類 多数、ヒル 1
この日の活動ではシオヤトンボは確認できませんでした。
アメリカザリガニ 12(4〜8cm)、ウシガエル幼体 2  こちらは駆除対象とし、これを餌にアナゴカゴをハンノキ林上の池にしかけました。
アメリカザリガニ ウシガエル幼体 ヒルとミミズ類 ホトケドジョウとドジョウ ホトケドジョウ ガガンボ科 ミギワバエ科? シオカラトンボ ヌカエビ

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