生田緑地の生物多様性保全活動、

谷戸の水辺保全、カナムグラ刈り
日時 2018/7/19(木) 10:00〜12:00 晴
場所 生田緑地 谷戸の湿地、上の田圃、下の田圃地区
参加者 岩田臣生、岩田芳美、鈴木潤三、田村成美

谷戸の水辺保全最大の課題は水漏れ穴を塞ぐことです。
水が涸れてしまうと水生生物は死んでしまいます。
補修は、普通、イネワラと土を使った簡便、かつインパクトの小さい方法で行います。
先ず、園路から見たら水が止まっていたというので、ハンノキ林下の湿地から始めました。
この湿地は、かつて、川崎に田圃が広がっていた頃に、谷戸の一番奥の田圃だった場所なので、地形が棚田状になっています。
2004年末から、ハンノキ林から流れてきた水を導いて湿地づくりをしてきましたので、この繋ぎの部分が水漏れを起こし易くなっています。
今回も、ここに穴が開いていましたので、それを塞ぎました。

また、湿地 2 段目から 3 段目に水を落とす所は、前回補修しましたが、3段目に落ちた所に水漏れ穴ができていて、そこに流れ込んでいましたので、これを補修しました。

1 段目の水漏れ穴の補修が済んでも、元々の流量が少ないので、水が 2 段目に到達するまでには時間がかかります。 しかし、それにしても 2 段目の水の流れは少ないと思われたので、竹林側からの水の流れも調べました。
ウツギの茂みでは、先週までは白い綿ごみのようにアオバハゴロモの幼虫が集まっていましたが、それが羽化して並んで群れていました。
アカメガシワの幼木でホソカミキリが寝ていました。

湿地地区に必要な手入れは済んだと思われたので、水が湿地全域に広がってはいませんでしたが、田圃に移動しました。

上の田圃では、下の段の水位が少し下がっていましたので、水漏れ穴を探して補修しました。

田圃の上をオオシオカラトンボ(オス)とシオカラトンボ(オス)が縄張り争いをしながら飛び交っていました。
オニヤンマが木道上を真っ直ぐ、こちらに向かって飛んで来ました。緑色の目が印象に残りました。今夏初の出会いでした。


下の田圃の排水堰の補修は先週、7/12(木)に行ったのですが、7/13(金)に谷戸の観察モニタリングをした時に湛水していませんでした。
その時は、イネワラも持たず、長靴も履いていませんでしたが、使いものにならないと思って外してあったプヨプヨの土嚢を使って水漏れを止めましたが、結果は確認していませんでした。
そこで、補修の結果を確認し、必要なら手入れをしようと、イネワラを持って、状態を見に行きましたが、湛水していました。
この湛水は稲のためではなく、ホトケドジョウなど、水域に暮らす生物のために必要なことです。
水の問題はありませんでしたので、コマツカサススキがあった場所に生えている外の植物を刈りました。
残念ながら一昨年から花茎が見られなくなりましたが、本来の生育環境が分からず、株の中から出て来る別の植物を抜き取るぐらいのことしかできませんでした。
消えていた植物を復活させて、10年以上も楽しんだことに満足しておこうと、自分を納得させて、上の田圃地区に戻りました。

上の田圃地区で目立っていたカナムグラを刈りました。
クサギの花が咲いていました。
ヤブミョウガの花も広がっていました。
ホトトギスが鳴いていました。

上の田圃下の草地のノカンゾウの花の数が増えていました。
ツリフネソウやミゾソバの茂みの中には、可愛らしいシュレーゲルアオガエルの幼体が多数見られました。
コミスジ、アカボシゴマダラがいました。
クロハネツリアブも飛び回っていました。
殻径 3cmに満たないカタツムリは見分けられませんが、ヒダリマキマイマイの幼貝かも知れないと思わせる左巻きのカタツムリがヤマグワの葉上にいました。


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