生田緑地の生物多様性保全

谷戸の自然保全活動

日時 2019/3/5(火) 10:00〜12:30 晴
場所 生田緑地 谷戸 ハンノキ林〜上の田圃〜城山下谷戸
参加者 岩田臣生、岩田芳美

昨日の雨は、生田緑地をしっかり潤していました。
ピクニック広場では、アオジが数羽、落葉の広がった地面に出ていて、エノキの実か何かを啄んでいました。
落葉は、しっかり雨に濡れていて、落ち着いた色合いの敷物になり、キブシの黄色い花が目立つようになりました。
萌芽更新地区は、園路から見上げると、アカシデの芽が一層赤くなったように感じられます。
ハンノキ林上の池には、漸く、小さな湧水の流れ込みが見られるようになり、水が澄んでいましたが、水底が見えると、水深がまだまだ浅いことが分かります。
ハンノキ林に入ると、林床にミヤマカンスゲの花が広がっていました。

ハンノキ林出口付近に見られたシャガを抜き取り、アズマネザサに覆われていたウグイスカグラの花が見られるように、そのアズマネザサを刈ることから、この日の活動を始めました。

アズマヒキガエルの蛙合戦が始まったかどうかが気になっていましたので、上の田圃に着いたら直ぐに、水辺を確認すると、水路の水が一部濁っていました。
そして、アズマヒキガエルの声も聞こえました。
その声の方に近づいてみると、3 匹のアズマヒキガエルが絡み合っていました。
そこで、上の田圃を一周して、アズマヒキガエルを探しましたが、ほかの個体は見つかりませんでした。
どうも、最初に出てきたのが、この 3 匹だったようです。
田圃には水面が広がっていましたので、昨日の降雨のお蔭で、田圃の湛水ができて蛙合戦に間に合ったことに感謝しました。

田圃の外周を点検したら、排水堰下に大きな穴が開いていて、そこに水が流れ込んでいました。
この穴はイネワラを使って塞いで、堰下に水溜まりを掘り、そこからの水路の枯草を取って、水を流し、田圃下に水を落とすための樋を調整しました。
また、今年も、田圃下の草地の水溜まりづくりを続けることにしました。

更に、田圃下草地の中央部の枯草を刈り払うようにして、浅い水路を復活させました。
水路の途中には、伏流していた水が湧き出す場所もありました。
この水溜まりが冬の間もあったら、野鳥が利用してくれただろうと思いました。
ジョレンで水路部の土を削ると、ノカンゾウ?と思われる芽が出ていたので、止めました。

右岸の水流を越えて城山下谷戸側に入りました。
城山下谷戸の左岸の水流は途中までで消えていました。
中央部にあったイボタノキがアズマネザサに覆われていましたので、このアズマネザサを刈りました。
既に枯れてしまった枝もあり、タマキクラゲが発生していました。
頭上でシジュウカラが鳴いていました。

右岸側には太いアズマネザサが密生していました。
これを刈っていて、うっかり親指を切ってしまいました。
何とか出血を止める手当をしましたが、力が入ると血が出てくるため、この日の活動は止めることにしました。
春のような陽光を受けて、あちこちでキタテハが舞いだしました。

梅畑のアズマネザサ刈りも終わりそうでした。
梅の花にはメジロが来ていました。
その後ろの樹林では、ガビチョウが鳴いていました。

テーブルベンチに座って休憩しながら田圃を見たら、水面に輪ができていましたので見に行きました。
アズマヒキガエルは 20 に増えて、ペアは 3 組になっていました。
右岸の水流にもアズマヒキガエルの姿があって、続々と集まって来るようです。丁度、この日が繁殖日だったようです。

梅畑の日向の手摺には、越冬していたホソヘリカメムシが出て来ていました。

   かわさき自然調査団の活動
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