生田緑地の生物多様性保全

スミレ類のモニタリングと保護目的のアズマネザサ刈り

日時 2019/3/28(木) 9:40〜12:30 晴
場所 生田緑地 七草峠地区 A04、東口北雑木林 A13
参加者 岩田臣生、岩田芳美、鈴木潤三、田村成美、細川洋子

生田緑地の桜も見頃を迎えつつあります。
林床のスミレも様々な種が咲いていますので、スミレのモニタリングをして、必要なら手入れをすることにしました。
私たちが保全活動として行っているモニタリングは、花をつけている株数を数えて、状態を判断しています。
2008 年に北部公園事務所と一緒に行った七草峠地区の崖面の裾刈りは、活動内容の検証を終えて、年 1 回、晩秋に、行政側で全面を刈ることにしました。
その後、2013 年からは指定管理者の活動として継続することになっています。
この崖面管理の目的は、この時季に、ヒゴスミレが見られるようにすることでした。
2017/4/4 のモニタリングでは 300 株でしたが、この日は、ヒゴスミレ 220 株、ニオイタチツボスミレ 20 株でした。
アズマネザサの伐り株が沢山残っていたのが気になりましたが、数については開花株の数なので、大きな減少になっているとは考えていません。


生田緑地のスミレの中で最も稀少なスミレは県内の生育地が生田緑地のみになってしまったスミレだと思います。
このスミレは、不安定な土壌に生育する小さなスミレですので、来園者の歩行、公園管理としての清掃、除草、倒木や伐採材などの捨て場として扱われるなどの人為的インパクトによって衰退してしまいます。
昨年、このスミレの生育地に、台風による倒木(大径木)を捨てられるということが行われたのですが、その結果が出てしまいました。
2018/3/25 に、大きな倒木が放置されているのを見て、直ぐに、頼んで撤去してもらいました。
2018/11/25 にも、大きな倒木の伐採材が放置されていることが分かり、撤去してもらいました。
しかし、このインパクトは大きく、3/25 に撤去してもらった場所では、何とか、3 枚の葉を見つけることができただけでした。
11/25 に撤去をお願いした周囲では、30 株を見つけることができましたが、置かれた場所には見つけることができませんでした。
2016 年のモニタリングでは、花の無いものも含めて 80 株ぐらいありましたので、この減少は大変なことだと考えます。
市民団体が保全活動を行っている地区に、その場所の自然を知らない者が、勝手に伐採材を捨てるなどは、あってはならないことだと思います。
取返しのつかないことがあることを、指定管理者は理解してほしいと思います。
都市の市街地の中の都市公園である生田緑地には、県内でも、ここにしか無い植物があることを理解してほしいと願います。

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