生田緑地の生物多様性保全活動、

自然観察と水辺管理など
日時 2019/7/2(火) 10:30〜13:30 
場所 生田緑地 湿地地区、上の田圃地区、下の田圃地区
参加者 岩田臣生、岩田芳美

ホタルの国の活動がある6月は、昼間の保全活動は休んでいましたので、何もかもが雨に濡れていますが、久し振りの生田緑地の谷戸を歩くのは楽しく、 のんびり生きものを探しながら、水の状態を観察しました。
携帯した道具は、ジョレン、スコップ、桑切鎌です。

谷戸に降りる階段の手摺には、陸生巻貝が活動していました。
キセルガイの仲間、アズキガイ、ニッポンマイマイ、そして初めて見る(殻高/殻径)の大きい陸貝もいました。
(この不明の貝はアズキガイの幼貝かも知れません。)
アズキガイ



カタツムリだけかと思ったら、オオモンシロナガカメムシもいました。


降り続く雨のお蔭で湧水量は多いはずです。
水漏れ穴から流れてしまっていないかを点検したいと思い、湿地地区にも入ることにしました。
入口には、ヤマシロオニグモが大きな円網を張っていました。
こういうことがあるので、ホタルの国の期間中でも、頑張って、日中の活動が必要だと思いました。
・・・。


度々水漏れを起こす水路部分は問題は無さそうでしたが、溜まっていた泥を寄せて、流れ易くしておきました。
畔には、チダケサシが咲いていました。


湿地地区で一番の課題は、復活させたトウゴクヘラオモダカの保護でしたが、昨年、手が行き届かず、種子の採取もできず、今春は未だに発芽していないので、心が晴れません。
この日も、一縷の望みを抱きながら、水辺を調べましたが、ありませんでした。

代わりに、アオダイショウが水辺で寝ていました。


6月のうちに草は繁茂し、カナムグラを抜きながら観ていくと、ヒメギスの幼虫がいました。


目の前を小さなチョウが飛んだと思ったら、ハンノキに止まった姿はミドリシジミ♀でした。
天気が悪くて、薄暗かったから観られたのでしょう。
ここには、盗採集に入って、所かまわず荒らす人がいるので困っています。
目視確認できたのは嬉しいことでした。

カナムグラは既に 2 m程に伸びていますが、土が柔らかいのか、まだ引き抜けます。


湿地地区の状態観察を済ませてから、上の田圃地区に移動しました。
木道のあちこちにキマワリがいました。

オオアカマルノミハムシが落ちていました。


田圃地区では住宅地側の植生が気になり、光害を防ぐための植生管理を考えながら歩きました。
田圃の水は稲の生長には問題ない量はあると思いましたが、排水堰からの排水が不明な穴に流れ込んでいたので、これを塞ぎました。
沢の流量に比べて、水量は少ないので、詳しい水漏れ点検は必要と思われました。



上の田圃下の草地には、ベニシジミ、ショウジョウトンボなどが観られました。
また、アカトンボ類の未熟個体のようなトンボが木道脇のヤマグワの葉裏に止まりました。
※このトンボはマユタテアカネ♀未熟であると、茅ケ崎の岸さんから教えていただきました。



ササグモ、ワキグロサツマノミダマシなども観られました。


ナナホシテントウなどもいました。


下の田圃では、オオシオカラトンボ、クロスジギンヤンマなどが観られました。


この日、生田緑地では、ホトトギスが鳴いていました。
木道近くのオオバノトンボソウが咲き始めていましたが、保護柵は壊されていました。
これは、竹が古くなっていたためだと思いますが、ピクニック広場のトモエソウは、花が咲き始めたら、その周りが踏み荒らされていました。
「とっていいのは写真だけ」のポスターを掲示していますが、写真を撮るための立ち入りも禁止です。
自分さえ良ければいい、その時だけ楽しめればいいという発想を変えることはできないのでしょうか。
川崎市民の見識の問題なのでしょうか。

   かわさき自然調査団の活動
特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for nature Research and Conservation