生田緑地の生物多様性保全活動

谷戸の蛙合戦観察、保全、湿地地区南端部の樹木除伐など
日時 2020/2/25(火) 9:40〜13:40 曇、12℃
場所 上の田圃 B06、竹林下水流 A08-1、湿地地区 B05
参加者 岩田臣生

2/22(土) に、ハンノキ林上の池にアズマヒキガエルの姿が見られたとの報せがあったので、2/24(月)〜2/25(火) には蛙合戦を見られると思い、連休明けの定例活動日 2/25(火) はアズマヒキガエルの観察調査と決めていました。
谷戸のピクニック広場と萌芽更新地区の間の木橋の架け替え工事が行われているためか、ピクニック広場に野鳥は見られませんでした。
ハンノキ林上の池を覗くと、ミヤマシラスゲの群落の近くに小さな卵塊があり、池の階段の陰にアズマヒキガエル 1 個体が隠れているのを確認しましたので、田圃に急ぐことにしました。
しかし、ハンノキ林を抜けて、梅畑に近づいても、アズマヒキガエルの声が聞こえてきません。
まだ、蛙合戦が始まっていないのか、それとも、もう産卵を終えて、皆、引き上げてしまったのだろうかと気を揉みながら、田圃を見渡すと、既にひも状の卵塊が広がっていて、 静まり返った田圃にアズマヒキガエルの姿が見られません。
いや、何とか、動けずにいた 2 ペア( 1 ペアは木道から観察していた来園者が教えてくれたのですが、)は確認しました。


一日遅かったかと思いつつ、せめて卵塊の数を数えようと、端からジックリと調べていると、田圃のあちこちからアズマヒキガエルが現れだして、やがて「クゥクゥ」と騒がしくなってきました。
既にあった卵塊は例年より少ないと思ったのですが、まだ途中だったことが分かりホッとしました。
観察できた個体は概ね、40〜50 で、抱接を始めたペアは 10 組ほどありましたので、この水域面積に対しては多過ぎる産卵になりそうです。













この田圃は 2005、2006年に再生したもので、2007年春の田起こしは、アズマヒキガエル幼生(オタマジャクシ)を採集・保護してから行いました。
その後、2013年には蛙合戦を観察確認し、30 個体が集まったことを記録していました。
この日の観察では、40〜50 個体でしたが、前日に集まったアズマヒキガエルの数は卵塊の量から、メスが 10 はいたと想像されますので、今年の田圃に集まったアズマヒキガエルは 60〜70、 メスだけでも、2 日間で 20 と想像できます。
生きもののための田圃として再生し、管理していますので、地域のアズマヒキガエルの繁殖場所になっているということは良い保全状態だと思います。
ルリビタキの探鳥に来たという老夫婦と、偶々出会った蛙合戦について立ち話をしました。
何時展開されるか分からないネイチャーイベントです。

畦上のタネツケバナが咲き始めていました。
上空には、トビが暫く飛翔していました。




今年も上の田圃ではアズマヒキガエルの蛙合戦が行われたことを確認できました。
そこで、下の田圃の状態観察も行いました。
下の田圃畔のヨシの茂みには、アオジの群が入っていましたが、暫くして、シジュウカラの群が飛来して、入れ替わりました。
今冬のヨシの茂みは疎らで、中が見えてしまうので落ち着かないのかも知れません。

それから湿地地区に移動して、南端の木道沿いに繁茂して樹林をつくり始めていた実生木を除伐し、アオキを抜き取り、アズマネザサなどを刈りました。
湿地には、ミヤマカンスゲが咲き誇っていました。


生田緑地整備事務所に戻ると、ヒレンジャクが来ていて、黄金色のヤドリギの実に夢中になっていました。

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