観察モニタリング 日時 2020/3/24(火) 9:30〜14:30 晴 場所 生田緑地中央地区 参加者 岩田臣生 雑木林の芽吹き、桜の開花と短期間に花々が咲き出す季節になりましたので、観察モニタリングをすることにしました。 各所の植物の開花状況は、保全管理の良し悪しを判断する材料になります。 また、頻繁に活動している場所は限られているので、その他の場所の状態を観察しておいて、今後の活動計画の参考にすることにしました。 アオイスミレの花は殆ど終わり、何処でも、タチツボスミレが広がって咲いていました。 一部の場所では、ヤマブキ、クサイチゴなども咲き始めていました。 ピクニック広場下のナガバノスミレサイシンは、つい 1 週間ほど前には見つけられず、アズマネザサ刈りなどで明るくし過ぎたので消えたのではないかと思われたりしましたが、 開花株を 6 株見つけることができました。 毎春、同じ場所に咲いてくれるオカスミレ(開花株 4 )、マルバスミレ(開花株 30 )は開花していました。 崩れた安定していない土質を好むヤマルリソウも綺麗に咲いていました。 萌芽更新地区の一部の傾斜の緩い斜面は、昨年は、未だ草地環境で、アカネスミレ、オカスミレの群生が見られたので、それを観察するつもりでしたが、 余りに多数の細い実生樹木が林立していて、萌芽株も枝を伸ばしていて、樹林の更新中であることを思い出させられました。 これらの実生の樹種を確認しながら間伐していかなければなりません。 これは、4/4(土) の里山倶楽部の課題にしたいと思います。 点在するタチツボスミレの中に、一株だけ、全体に毛が認められるアカネスミレ?が咲いていました。 低木では、モミジイチゴ、ウグイスカグラの花が残っていました。 ハンノキ林は谷戸の往来で、木道からは頻繁に観察していましたが、林内に入ってみました。 林床に咲き誇っていたミヤマカンスゲの開花期は終わったのか、余り目立たなくなっていました。 問題は、林内に設けた水溜まりの水が涸れかけていて、水流の流量が急に少なくなっていることが分かったことです。 最近の降雨日は、2/16、3/10、3/14 でしたが、雨量は少なかったということでしょうか、これからは植物の活動も活発になるので、危険を感じました。 林床の湿地化策が課題です。 ハンノキ林では、低木層にウグイスカグラが咲き、亜高木層にコブシが咲き、高木層にヤマザクラが咲いていました。 林床のヤマルリソウは元気に広がって咲いていました。 湿地地区では、今月は水辺に溜まった泥を上げる活動をしていますので、改めて気がついたということはありませんが、 冬鳥のために残していたヤブ(オギ、アズマネザサ、ヒメコウゾなど)を刈り払い、棚田状の湿地の攪乱を行う季節になったと思います。 田圃のアズマヒキガエル幼生(オタマジャクシ)は泳ぎ出していました。 畦のタネツケバナ、ケキツネノボタンなどが咲いていました。 谷壁斜面の雑木林の木々が芽吹き、ヤマザクラが開花しています。 テングチョウだけかと思っていたら、キタテハも姿を見せてくれました。 湿地から消えたかも知れないと思っていたニリンソウの葉を確認しました。 野鳥が持ち込んだものか、人が持ち込んだものかは不明ですが、谷戸の片隅にあったナニワズが開花していました。 梅畑広場のテーブルベンチで一休みしました。 後半は、生田緑地整備事務所より南側のエリアで保護しているスミレの観察モニタリングを行いました。 七草峠では、ヒゴスミレ(開花株 182)、ニオイタチツボスミレ(開花株 15 )を観察しました。 野鳥の森も観察しましたが、昨年の台風の後片付けが充分でないのか、荒廃した樹林という印象が残りました。 里山倶楽部で保全活動を行っている野鳥観察舎付近のチゴユリ、ナガバノスミレサイシンは開花の準備ができているようでしたし、コアジサイも無事のようでした。 水田ビオトープ班で保護活動を行っているスミレは、大雨で流されて消えそうになりながらも開花株 5、下の園路に開花株 7 を観察できました。 生田緑地整備事務所にお願いして、園路内ながら、ロープ柵を設けていただいたことで護られていますが、簡単に根元の土が崩れてしまうような場所を好むスミレです。 昔、植物班が盗掘で無くなることを心配していたヤマルリソウは、来園者の少ない園路に広がって咲いていました。 また、咲き始めたナガバノスミレサイシンもありました。 心が和んだのは、誰が遊んだものなのか?、手摺の上に並べられたフウの実でした。 東口付近で、山下さん親子に会いました。 目指す高校に合格した報告のために、わざわざ訪ねて来てくれたのです。 二人は 2013 年から里山倶楽部Aで活躍してくれたのですが、高校に入学して、部活を始めると、土曜日の里山倶楽部参加は難しくなると思ってのことのようでした。 里山倶楽部というボランティア活動を、そこまで重要視してくれている参加者がいたことに恐縮しました。 ところで、里山倶楽部は、今年度から、里山倶楽部Aと里山倶楽部Bを合体させて、里山倶楽部として運営することにしました。 里山倶楽部Aは、皆伐更新を実現するためにつくったものですが、皆伐更新が達成された現在、分けて運営することによる弊害が出てきたためです。 改めて、生田緑地の自然を保全することを楽しむグループとして、属性で分けることはしないで、活動に応じて自由に参加できるシステムを目指します。 二人と別れてから、東口北雑木林のスミレのモニタリングを行いました。 3/12(木) の保全活動時には、保護対象のスミレが余りに少なくなっていたのに驚きました。 この日の野鳥の森のように、少しは開花株が増えてくれることを期待して観察に行ったのですが、スミレの開花株は 19 でした。 何とか、保護していきたいと思いますので、どうすれば良いのか、情報がある方は、お報せください。
かわさき自然調査団の活動
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