生田緑地の生物多様性保全活動

湿地地区(B05) の水辺管理、中大型哺乳類調査の定点カメラ設置(1台)
日時 2020/8/8(土) 9:30〜11:30 
場所 生田緑地 湿地地区(B05)、桝形山頂部西斜面(B11-4)
参加者 岩田臣生、東 陽一

8/4(火) の活動時の暑さが堪えたので、水田ビオトープ班の活動は暫く休みにしようと連絡を入れていたのですが、木曜日を定例活動日にしている鈴木さんが休まずに、一人で活動して、 湿地地区が水涸れを起こしていたと報告してくれました。
湿地地区は、今でこそ、水辺に草が繁茂して湿地になっていますが、活動を始めたばかりの頃は、夏になると水涸れを起こして、 棲息し始めたと思っていた生物が消えてしまうようなことが、何回か、ありました。
そこで、完全な水涸れになる前に、水漏れを補修して、水辺を保全しなければならないと考えました。
また、8/4(火) の定点カメラ設置は、3 台中 2 台を設置するに留まり、1 台残してしまいましたから、残った定点カメラの設置も済ませておきたいと思っていました。
そこに、水田ビオトープ班としては新人の東さんが手伝うと言い出してくれたので、8/8(土) に活動することにしました。
東さんは、確か、2015年から里山倶楽部に参加してくれて、雑木林の伐採更新などでも活躍してくれました。
年間の参加回数も多く、他の水田ビオトープ班の活動にも関心を持ってくれたので、水田ビオトープ班に入団していただきました。
しかし、谷戸の水辺の保全活動は初めてでした。
谷戸の水辺の活動では、自分の目で目の前の自然の状態を観察して、その場の生物に負荷を与えないように、何をすべきかを自分で考えて、行動する必要があります。
今回は、丸見えの水漏れ穴は見つかりませんでしたが、手で押した時に、簡単に手が入ってしまう、グニュグニュの柔らかい土の所でも、既に水漏れが始まっています。
そのような場所を手探りで見つけて、イネワラを突っ込んで、土を入れるということを繰り返して、硬めることが、私たちが行っている水漏れ補修です。
また、湿地では流れが緩くなるため、泥が溜まって、水面が消えてしまう部分も多くなります。
そのような場所の泥を岸辺に上げて、小さな水流は確保して、湿地地区全域に水を行きわたらせる必要があります。
こうした活動では、水路を覆っている植物を、一部刈ることも必要になりますが、そこには、守るべき植物も繁茂しています。
この時は、開花しているヒメシロネがありましたので、その一本一本を確認して、できるだけ踏み荒らさないように行動しました。
また、トウゴクヘラオモダカは、神奈川県絶滅危惧IA類の植物で、この湿地地区の保全活動を始めた第一目的であったこと、 午後に咲く植物であるため、(この時は)咲いていないことなどを説明しました。
谷戸の水辺の保全活動は、今まで参加していた里山倶楽部の活動と異なり、その場の植物など、細かいことに気をつけて行動しなければならない面倒な活動ですが、 その面倒なところが、際限なく興味をわかせてくれる面白いところでもあります。
一面に広がって繁茂しているツリフネソウも景観要素として大事にしている植物ですが、 この日は水辺保全を優先し、できるだけ狭い範囲を刈りながら、泥上げを進めました。
直射日光が当たる場所での活動は暑かったため、水漏れ補修を行い、水が流れていることを確認したことで良しとしました。



竹林下デッキのベンチで暫く休憩してから、芝生広場、城山下谷戸を経由して桝形山に向かい、桝形山頂部西斜面に、定点カメラを設置しました。
このポイントは、七草峠〜桝形山の法面補強等の工事後は、哺乳類の通行が激減していますが、モニタリングとして、状態を把握しておきたいと考えました。

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