湿地地区の水辺保全
日時:2020/12/22(火) 10:00〜14:00 場所 生田緑地 湿地地区(B05) 参加者 岩田臣生 湿地地区の水辺保全活動は、水田ビオトープ班として本格的に生田緑地の自然保全活動を始めた 2004 年の晩秋に開始した活動です。 昔、この辺りには貴重な水辺の植物が生育していたと聞いていましたので、湿地環境を再生して、その貴重な植物を復活させて、保護することを活動目的としました。 しかし、その植物が何なのかを確認しないままに、活動を始めていたので、その植物が復活、開花してから名前を知ることになりました。 神奈川県絶滅危惧IA類でした。 神奈川県植物誌2018によれば、2001年以降の採集標本による確認は、城山町と生田緑地のみのようです。 また、県内では稀で、多摩丘陵の湧水のある湿地に生えるとあります。 今までの水田ビオトープ班の 16年間の活動の過程においても、何度かの盛衰を経験しています。 この日、湿地地区上の木道に着いたら、沢山のシジュウカラ、アオジなどが湿地 1段目に群れていました。 観察する間は殆どありませんでしたが、どうも、残っていたカナムグラの実を啄んでいたように思えます。 今まで、カナムグラについては、種子を残せないように、細目に刈っていましたが、こんなに沢山の野鳥が集まって食べているのであれば、場所によっては残してもいいのかなと思いました。 12/1(火)には 1段目、12/3(木)、 12/15(火)に 2段目、12/17(木)に 3段目と活動してきて、 今回は 3段目の中央部に繁茂してくれた様々な植物を巡るように蛇行する水路をつくるように、泥上げを行いました。 保護している植物は 3ヶ所に集まっていましたが、身体が触れる度に、種子がこぼれ落ちていましたので、この種子が流されてしまわないようにと考えながら水路を巡らせました。 3段目でも、竹林に近い方にはミヤマシラスゲが繁茂していたので、水路を通すために邪魔になるミヤマシラスゲは掘り取って、土嚢堰の周辺に移しました。 根付いてくれたら、サワガニによる水漏れ穴づくりを妨げられると考えてのことです。 掘り取って、湿地の中を歩いて、土嚢堰まで運ぶのは重労働でしたが、そこに声をかけてくる来園者がいました。 「ホタルの保護活動ですか?」との質問でしたので、無視するわけにもいかず、泥だらけの手で、マスクを掛け直して、 「ホタルということではなく、湧水環境に依存する多様な動植物が棲息できるように環境を保全しています。」と伝えました。 帰り道、ハンノキ林内のメギが紅葉していました。 |