生田緑地の生物多様性保全活動

ハンノキ林の枯れコナラの薪割り、萌芽更新地区のアズマネザサ刈りなど
日時:2021/3/16(火) 10:00〜13:30 
場所 生田緑地 ハンノキ林(A07)、萌芽更新地区(A06)
参加者 岩田臣生、岩田芳美

【萌芽更新地区(A06)〜湿地地区(B05)】
一昨日の里山倶楽部でも活動した萌芽更新地区で、萌芽更新株の周りの刈り残しのアズマネザサなどを刈りました。
春の進み方が速くて、オカスミレや、フッキソウも咲いていました。







【ハンノキ林で薪割り】
ナラ枯れについては、2008年に、生田緑地でも将来起こるかも知れないと考え、伐採更新の技術を獲得しておく必要があると考えて、 2010年末には、小さな規模の皆伐を行い、若齢林を育てる実験を、里山倶楽部Aという母子参加型のボランティア活動を組み立てて、実施し、コナラ林を育てました。
また、萌芽更新に失敗した萌芽更新地区の伐採更新を再実験し、萌芽更新による樹林育成を里山倶楽部を活用して進めています。
更に、芝生広場上雑木林については、初めの樹木伐採から市民活動として行う伐採更新を実験するべく、今年度の里山倶楽部は、集中的に大径木の伐採に取り組んでいます。

しかし、カシノナガキクイムシの攻撃を受け難い若いコナラ林を増やす活動だけではなく、ナラ枯れを起こす菌を運んでいるカシノナガキクイムシを増やさない努力も必要だと思います。
農薬を使わずにカシノナガキクイムシを減らす方法として、ナラ枯れを起こしたコナラを冬季に伐採し、薪状に割ることで、幼虫越冬しているカシノナガキクイムシを殺虫できるかも知れないと 考えました。
ハンノキ林では、2〜3月に、木道を通行する来園者の安全を図るために、木道沿いの枯れコナラを 3 本伐採しましたが、 この時に、根元側のカシノナガキクイムシが入っていそうな部分を、玉切りにして残置してもらいました。
この玉切りされたコナラの薪割りを行って、カシノナガキクイムシを観察してみたいと思いました。

しかし、薪割り経験が無いので、どのような斧を使って、どのようにすれば、玉切りされた材を割れるのかが分かりません。
オノは、初心者にも使い易いと評価が書かれていた(株)高儀の「村国作 木割オノ 1.5kg」を購入しました。
オノの重量が気になるところでしたが、重量不足は斧を叩き下ろす回数でカバーできるだろうと考えました。

作業する場所は、1m程の高さのアズマネザサが生えていましたので、先ずは、これを刈って、作業し易い場所に、台になりそうな玉切りされたスギを置きました。
元口を上にすると割り易いという話がありますが、玉切りされた材の元口・末口を見分けるのは困難でしたので、木肌や断面を観察して、割れそうな所を見つけて、そこからやってみることにしました。
弾かれてしまうこともありましたが、何回か同じ場所を叩くことで、何とか大割することができました。
一度大割りされた材を割るのは、比較的容易でした。
時には、小さなインパクトで軽く左右に割れ飛ぶことがあり、これが薪割の醍醐味かと思うこともありました。
ただ、二つ目の材にかかったところで、斧頭の緩みに気がつき、良く見ると、クサビが無くなっていました。
これは危険なので、割った材でクサビをつくって、応急修理としましたが、一振りする度に、斧頭の緩みを確認しなければならなくなりました。
また、新たな材の大割をする度に、このクサビは無くなってしまうので、新たなクサビを剪定鋏でつくらなければなりませんでした。
このため、玉切りされた材三つの薪割りはできましたが、四つ目で止めることにしました。
この三つの材の薪割りにおいては、カシノナガキクイムシの穿孔は黒く、明確でしたが、幼虫の姿は確認できませんでした。
来園者が通る時は危ないので作業を中断していましたが、中には、何にするのかと尋ねてくる人もいましたので、 仕方なく、カシノナガキクイムシの話をしなければならないこともありました。
カシノナガキクイムシの観察はできませんでしたが、1回目の試行を終わりとしました。




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