生田緑地の生物多様性保全活動

環境省モニタリングサイト1000里地調査 S067 生田緑地調査<中大型哺乳類調査>
日時:2021/5/3(月) 10:00〜14:00 
場所 生田緑地 城山下谷戸生物保護区(B11)、上の田圃(B06)、城山下谷戸(B10)
参加者 岩田臣生

環境省モニタリングサイト1000里地調査 生田緑地 中大型哺乳類調査は、14年目となりました。
センサーカメラは、新しい機材 LTL ACORN LTL-6310 になりました。
一代目も、二代目も、基本的には普通のカメラだったのですが、今度の機材はセンサーカメラとしてつくられたもので、非常にコンパクトで軽量なので、使い慣れれば面白いだろうと思います。
初めての機材ですので、使い方を練習する時間が欲しかったと思います。
事務能力の低下のせいか、今年の 4月は忙しくて、試している余裕がありませんでした。

生田緑地は、連休とあって、来園者が多かったので、来園者に注目されそうな場所は外して、比較的、アクセスが容易な場所、保全のための状態観察をしておきたい場所などに、 定点カメラを設置することにしました。

@城山下谷戸生物保護区
城山下谷戸生物保護区の中心部の湿地については、スジグロボタルの棲息環境保全という目的があります。
また、同時に、人の立ち入りを原則禁止にしている区域なので、生きものに負荷をかけない範囲の生物相調査は必要と考えています。
そこで、センサーカメラとジョレンを持って、湿地に向かいました。
水溜まりには水があって、アズマヒキガエル幼生が群れていました。
田圃のオタマジャクシと同じで、成長が遅いのは餌不足でしょうか。
大食漢のアズマヒキガエルが、この湿地周辺に定着してしまうのは望まないことなのですが、・・・。

スジグロボタルの棲息環境として欠かせないシラコスゲは、侵入したイネ科植物に負けずに、繁茂していました。

湿地末端部に掘った水溜まりを利用する生きものを撮影したいと考えて、3〜5m離れた地点にカメラの設置場所を探しましたが、見つかりません。
そこで、湿地の中から撮影することにして、アズマネザサ 7〜8本を伐り出して、これを湿地に刺して束ね、1.5mほどの高さの所をロープで縛って、これに定点カメラを設置しました。
初めて試した時は、湿地の中に立てて、倒れたらどうするのかという不安はありましたが、多数のアズマネザサを湿地に突き刺して、一ヶ所を縛ると、強固な構造になります。
耐久性についても、半年は使えます。


湿地の状態について観察していたら、奥の方に、直射光を受けている場所があって、コナラやヤマザクラの実生が沢山生えている場所がありました。
ここは、放置できないと思いました。
これらの実生は抜き取って、苗畑に移植し、40〜50cmまで育てて、樹林育成地で活用するべきだろうと思いました。
そして、実生を抜いた後は、適度な攪乱を行っておいて、水面を広げる工夫をしなければならないと思いました。


谷戸を出たら、コミスジが飛んできました。

小さなマムシグサが花をつけていました。

ウグイスカグラの赤い実が残っていました。

木道近くのアブラチャンの実生が、2m近くに育ってきました。


A上の田圃の取水場所
次は、最も頻繁に活動している上の田圃地区での動物の活動を知るために、導水路辺りに設置することを考えました。
しかし、定点カメラを設置するために、支柱を立てて、アズマネザサを刈って来てつくった設置場所が、アライグマ捕獲のための箱ワナ置場に占領されてしまい、 昔、立てた竹の支柱は使えないことが分かりました。
そこで、撮影場所をずらすために、積んであった伐採材などを移動しました。
そして、昔、敷地境界の柵を作った時の支柱を利用できないかと考えましたが、上空に張り出していたシラカシ?の枝が伐られていて、丸見え状態になっていたこともあり、諦めました。
改めて、定点カメラを設置できる支柱を立てることにしましたが、スコップを持って来ていなかったので、次回の活動時に、支柱づくりを行うことにしました。
木道に上がったら、上の田圃にシオヤトンボのペアが来て、産卵していました。


B城山下谷戸合流部
生田緑地中央地区は園路密度が高いのですが、園路から離れていながら、私たちにとってはアクセスし易い地点が、城山下谷戸合流部(B10-2) です。
ここでは、タヌキとアライグマの両方が子連れで撮影されていますので、来園者の多い時期のモニタリングには最適だろうと考えました。
アズマネザサのヤブが接しているのですが、何故か、このヤブがスカスカ状態になっていました。
普通に考えれば、中心にあるイロハモミジの大木に設置するべきかも知れませんが、10 本ほどのアズマネザサを縛って、これにカメラを設置し、イロハモミジ方向を撮影するようにしました。
ここにもセリバヒエンソウが繁茂して、しかも、殆んど全てが、実に移行していました。
思わず、抜いて、持ち歩いていた袋に入れましたが、全てを抜いている時間は無いので、カメラを設置できたことに満足して、外来種駆除は止めて、引き上げました。

萌芽更新地区下に向かう道端で、小さなジョウカイボンを見つけました。
帰宅後に調べてみたら、マルムネジョウカイのようでした。


セリバヒエンソウ駆除など
日時:2021/5/3(月) 10:00〜14:00 
場所 生田緑地萌芽更新地区下 
参加者 岩田芳美

来園者の多い萌芽更新地区下の園路沿いなどのセリバヒエンソウ駆除を行いました。


帰り道の階段の手摺で、アトジロサビカミキリや、オオアオシャチホコの終齢幼虫などに出会いました。


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