生田緑地の生物多様性保全活動

特定非営利活動法人かわさき自然調査団 理事会
日時:2021/5/25(火) 10:00〜10:40 
場所 生田緑地市民活動室
出席理事 岩田臣生、岩田芳美、大貫はるみ、上西登志子、藤間X子、吉田多美枝

@今年度の総会は「みなし総会」として、5/11 に決議され、全役員が再任されました。
 新任期は 7/1 からですが、事前に、団長を決めるための理事会を開催し、「理事の互選書」に押印しました。
A各班の近況について



倒木処理についての現地協議
日時:2021/5/25(火) 10:50〜11:10 
場所 生田緑地 萌芽更新地区
参加者 岩田臣生
    指定管理者(木遼子)

5/24(月) に下図の場所で枯木が倒れて、自然探勝路を通行不可にしたため、伐採処理したので、伐採材の置場等について協議したいという連絡がありました。
そこで、現地で、状況を確認し、必要な協議を行いました。
大きな被害は、丁度、倒れた場所にあった木製階段と手摺が破壊されたこと、萌芽更新中のクヌギの萌芽枝の一部が折れたことぐらいで、その他の植物については、自然の出来事として、 特別な事ではないと思いました。
また、階段が壊れたといっても、もう 10 年前頃に、付け替えることを通告されていた階段なので、やっと実現するのかと思っただけでした。
@枯れ倒木伐採材の置き場所について
 伐採材は、二つに分けてあり、一つは木道に沿って積まれ、一つは木道上に置かれていました。
 木道脇に積んである材は、植生管理上問題なので、林内のカントリーヘッジを指定させていただきました。
A丁度良い機会だったので、同様に倒れる危険がある枯損木を教えました。
 しかし、伐採材のハンノキ林側はゲンジボタルの棲息域なので、伐採は 10〜2 月で計画するように、翌日、5/26(水)に、お願いしました。



谷戸の水辺の状態観察と水漏れ補修(田植えの準備)、
カナムグラ刈りなど

日時:2021/5/25(火) 11:10〜14:00 
場所 生田緑地 湿地地区(B05)、上の田圃地区(B06)、下の田圃地区(B07)
参加者 岩田臣生、岩田芳美

湧水の流量は明らかに少なくなっていましたが、湿地地区内の水は涸れていませんでした。
ただ、植物の草丈は一段と高くなっていましたので、水面は殆んど隠れていました。
昨年、1段目に移植した保護植物の状態を観察していたら、ミヤマシラスゲの茂みを揺らして、シマヘビが逃げました。
辺りには、コチャバネセセリ、キタテハなどがいました。




2段目では、開花していたオニスゲが倒され、寝ていました。
そこだけに強い風が吹いたとは思えません。
足跡は確認できませんでしたが、何者かが遊んだ痕かも知れません。
保護している植物は、大株となり、早くも花茎を伸ばして、開花しそうな勢いでした。
シオヤトンボは見られませんでしたが、ヤマサナエ(オス)に会えました。




3段目でも、保護植物を観察しましたが、株数が多いので、生育を妨げるチゴザサやミゾソバの除草は、時間のある時にすれば良いと思ってしまいました。
晴の日の昼日中です。まさかと思いましたが、ハンノキの樹陰で、ミドリシジミがミゾソバの葉上で、翅繕いをしていました。
今年の初認ですから、ゆっくり観察しようと思ったのですが、スズメバチが飛んで来て、追い払ってしまいました。
ハンノキには、マイマイガなどの大きなケムシがいました。



上の田圃の下の段が湛水していませんでしたので、何とかしたいと思い、水漏れ穴を探しました。
しかし、田圃に来ていたカルガモが、水漏れ穴を塞ぐために押し込んだイネワラを悉く、引きずり出していました。
そこで、これらの穴を塞ぐことから始めて、今まで、何度も補修してきた場所を一つ一つ当たりました。
田圃の畦の水漏れ穴を補修していたら、木道の上から、田植えは何日かと尋ねられました。
今年の田植えは、5/30(日) です。
子どもたちが田植えをしていることを知っている人のようでした。




先週の木曜日(5/20) に、田圃の中に転がっていたシュレーゲルアオガエルの卵塊を保護しましたが、これに、水をかけてみたら、小さな小さなオタマジャクシが流れ落ちてきました。
田圃の中には、大きさが区々なシュレーゲルアオガエル幼生(オタマジャクシ)が泳いでいました。

トンボは、シオヤトンボに代わって、シオカラトンボが繁殖行動を行っていました。
また、谷戸の奥に向かって、オニヤンマが飛んで行くのを観ました。(今年は早い初認です。)

水涸れの田圃の中に、アカシジミが飛んで来て降りたので、吸水に来たのかと思いましたが、飛び方が変でした。
後で、田圃の裏を観ていたら、このアカシジミが畦の上にいました。
良く観たら、後翅が食いちぎられていました。

導水路の木道下を通過する部分など、今まで、水漏れ原因となった場所などに手を入れましたが、湧水の流量が少ないので、直ぐには効果が現れません。
木道の住宅地側に生えていた、まだ枝を広げていないモウソウチク 2 本を見つけたので、これは除伐しました。
田圃下草地の池には、水が流れ込んでいませんでしたが、水は残っていましたので、底の方からの水漏れは止まっているようです。
樹陰では、イチモンジチョウが飛んでいました。

下の田圃地区は、益々、ヨシが育っていました。
5/10(月) に畦の上に放り投げておいたヨシが復活して、頭をもたげていました。
田圃の泥の中に鋤き込んだミゾソバも、復活していました。
下の田圃のトンボも、シオカラトンボに代わっていました。

5/10(月) に見つけて、奥に移しておいた県絶滅危惧IA類の植物は、大きくなっていました。

キタキチョウが吸水にきました。


久し振りに晴れて、暑くなりました。
湛水できていないことについては、一人で、短時間で解決することはできないと判断し、ベランダ栽培の稲の苗が気になりましたから、帰ることにしました。

かわさき自然調査団の活動

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation