生田緑地の生物多様性保全活動

生田緑地整備事務所との現地協議
新規入団者に対する活動説明

日時:2021/9/7(火) 10:00〜12:30
場所 生田緑地 ピクニック広場付近〜ヨシ原地区
参加者 岩田臣生、井口 実、生田緑地整備事務所(今井、長澤、小林)

この日の朝、生田緑地整備事務所からメールがあり、木道等の改修工事を検討しているので、その場所の工事についての注意事項などについて協議したいということでした。
この日は、水田ビオトープ班に参加したいという井口さんに、水田ビオトープ班の活動についての説明をすることになっていましたので、倉庫前に集合した後、一緒に、現地に向かい、協議しました。
協議したいという現場は、下図の赤線区域で、現状の線形ではなく、直線に近い形に改修したいということでした。
屈曲した園路を直線にするということは、谷側に庇状に出る部分が発生することになるので、そこを支える構造を、新たにつくらなければなりませんから、コストの高い工事になると想像されます。
あまり重要ではない園路を高コストで改修するよりも、危険な状態になっている階段などを先に補修すべきではないかと思いました。
このような場所は、公園緑地の設計基準に合わなくても、地形に合わせて、安全に通れれば良いと思います。
しかし、今回の依頼事項は、当該地の改修工事について注意すべき事項ということでしたので、それについては、特に留意すべきことはありませんと答えました。
また、階段下端部の木製デッキについて、低コスト化を検討したいと相談されました。
これについては、階段の一部だと思いますので、急に、ここだけ安価なものにすることは止めてほしいと、希望は申し上げました。
行政は、最初につくる時は予算をとれるけれども、維持管理費については、予算化が難しいのかも知れません。
生田緑地内の園路の維持管理の考え方については、自然会議において協議し、基準的なものを策定しておいた方がいいと思いました。
谷戸内の全ての木道の状態については、前所長の時に調査していたと思いますので、それをもとに、5年程度の改修計画を立てて、自然会議に提起していただきたいと思いました。
また、この機会に、生田緑地内の園路を減らすことも考えていいのではないかと思いました。


急に申し込まれた協議を終えましたので、事務所の皆さんと別れて、入団希望者に、実際に、谷戸の水辺を観察しながら、ジョレンも使いながら、 水田ビオトープ班の活動について説明することにしました。
しかし、私が生田緑地の自然保全活動を始めたのは 2004年です。
彼は、その時、既に、生田緑地の雑木林を育てる会の会員として活動していたので、先輩に対して、保全活動の説明をするようなものですから、非常に、やり難い、入団者説明でした。

水田ビオトープ班では、「取り返しのつく範囲で、やって、みて、考える」という順応的管理を基本にしていますので、 ハンノキ林など、活動開始以前から在来の生きものが棲息していることが分かっている地区については、取り返しのつく範囲を見極めるまでに時間がかかり、活動開始が遅くなりました。
これ以上待てないと判断して、活動を開始してからも、こうした水辺の活動は 10月〜翌年 3月に限るようにしています。
湿地地区、上の田圃地区、下の田圃地区、ヨシ原地区については、公園整備工事後に、私たちがつくってきた水辺ということで、私たちの管理スケジュールをベースに、 生きものに配慮しながら行うことにしています。
ハンノキ林上の池、西の池の状態を観察して、泥上げが課題であることを説明しました。

竹林下地区に、ホタルが棲息できる水流をつくる活動をしていることを説明しました。

湿地地区には、連れて入り、状態を観察してもらい、活動目的、動植物の棲息状態などについて説明しました。
カナムグラが繁茂し、苗木畑は埋もれていました。

コブナグサが繁茂する梅の木広場で、キスジホソマダラ、イチモンジセセリなどに出会いました。
キンミズヒキが花盛りでした。



上の田圃地区については、導水路部の泥上げを行った所で、青少年科学館の中さんに出会いました。
ムネアカハラビロカマキリを探しているということでした。
私は、前日、生田緑地整備事務所の外壁で、1匹、見つけて、駆除したことを伝えました。
田圃を見たら、不思議な形で、イネが倒れていました。
田圃は湛水していたので、アライグマではないと思うのですが、初めての出来事で、原因が分かりませんでした。


田圃下草地の池には、浅いものの、水が残っていました。
導水していた近くの沢は、溜まっていた泥が綺麗に流されていました。
そして、陸側には土砂が溜まって、導水路は消えていました。
田圃の土嚢堰からは、水がオーバーフローしていましたので、これが消えている穴を見つけて補修しなければなりませんが、この日は止めました。
田圃下草地の活動について説明しました。

下の田圃地区について説明しました。


谷戸末端のヨシ原地区の活動について説明して、入団者説明を終わらせて、水田ビオトープ班の倉庫に戻りました。

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