生田緑地の生物多様性保全活動

谷戸の田圃の稲刈り準備<田圃の泥上げ、アメリカザリガニ駆除など
日時:2021/9/16(木) 10:00〜12:00
場所 生田緑地 上の田圃地区
参加者 岩田臣生、鈴木潤三、田村成美、上路ナオ子、井口 実

田圃は普通、米をつくることが目的ですから、畦に草が生い茂っているなどということは無いと思います。
生田緑地に生き残った生きもののための田圃では、畦に生えてくる植物も、関心を持って観察し、できるだけ刈ることはしないようにしています。
しかし、里山の自然学校の子どもたちが稲刈りを体験する日が近づきましたので、畦の上ぐらいは草刈りが必要だろうと思います。
子どもたちは、稲刈りの時も、裸足で田圃に入りますので、草刈りを行った畦の上を歩くのは痛いだろうと思われますので、 草は刈らずに、踏み倒して、その上に泥を載せる方法を続けてきました。
谷戸に再生した田圃の畦は、土を寄せただけでしたから、毎年、少しずつ泥を積むことで補強できると考えてのことです。
お蔭で、畦は高くなりましたので、今年の稲刈り後は、畦を低く、幅を広げる改修を考えたいと思います。

泥上げの目的は、もう一つあります。
田圃の畦の内側に、明確な溝を掘ることです。
この溝にだけ、水がある状態まで、水を落とすと、アメリカザリガニは、水を求めて、この溝に出て来てくれますから、後は、畦の上から、柄の長い手網で掬えば、 比較的容易に、アメリカザリガニを採集することができます。
採集したザリガニは、その場で殺して、辺りの叢に放り投げておけば、他の生きものが食べてくれます。
この日は、田圃の泥上げ後の僅かの時間で、2〜6cm大のアメリカザリガニ 200匹を駆除しました。
驚いたのは、3cmほどのホトケドジョウが多数、掬えたことです。
田圃の米がみのるためには、田圃の水が、ホトケドジョウが棲めない水温にまで上がる必要があると考えていたからです。

先ず、田圃の畦に泥上げをする前に、ジュズダマだけは、刈り取って、近くのジュズダマの茂みに突っ込みました。
この時期のジュズダマには、クロコノマチョウの幼虫や蛹がついている可能性が高いから、これは踏み潰すのは止めようということです。


その後は、畦の上の植物を長靴で踏みつけて、そこに田圃の泥を載せていきました。
畦が高いという声は、ジョレンで泥を掬う時に、発せられていました。
活動中、上空には、オニヤンマが飛んでいました。
木道の手摺に、小さなニホンカナヘビがいました。












田圃への導水路部も、覆っていたミゾソバなどを退けて、泥上げをしました。





なお、下の段から田圃下草地の池までの水路についても、覆っていた草を分けて、多数の水漏れ穴を塞いで、池までの水流をつくりました。
これは、何度も繰り返していますが、まだ解を見つけられずにいます。

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