生田緑地の生物多様性保全活動

旧岡本谷戸、科学館裏谷戸の水辺保全
日時:2021/11/4(木) 10:00〜12:30 晴
場所 生田緑地 旧岡本谷戸(B03)、科学館裏谷戸(B02)
参加者 岩田臣生、鈴木潤三、田村成美

中央広場側の水流、旧岡本谷戸、科学館裏谷戸の水辺保全活動を行いました。
11/3(水)が文化の日でしたので、この日は青少年科学館など、博物館施設が休館でした。


<旧岡本谷戸>
この谷戸は、昔、岡本太郎美術館建設計画があったことから、調査団の中では「旧岡本谷戸」と呼ばれています。
山側(西側)斜面は飯室層が露出した崖になっていて、その表面を上部の雑木林から染み出した水が滴り落ちていて、その水量が多い時には、裾部に流れができます。
その水流の東側には、ミヤマシラスゲが分布していて、神奈川県の準絶滅危惧種であるスジグロボタルが棲息していました。
2008年4月、そこに、伐採材が捨てられていることが分かって、その伐採材を取り除く活動を行いましたが、それが当該谷戸の初めての活動です。
以来、概ね 1年毎くらいのペースで、スゲ植物の繁茂する湿地づくりをテーマに活動していて、昨年は、11月24日に活動しました。
湿地づくりによるスゲ植物の育成は順調に進んでいました。
水流保全は泥上げによる水溜まりづくりを行っていますが、末端部が下水施設に直結しているため、生きものの棲息場所として扱うことは困難な水辺だと思います。







<科学館裏谷戸>
青少年科学館裏谷戸は、2007年12月に開催した市民部会「ホタルの棲息環境を考えよう」の事前調査において、 故大場信義博士と一緒に、現地視察を行って、スジグロボタルの棲息環境保全について話し合ったことがスタートでした。
この谷戸は、西側の崖面に飯室層が露出していて、旧岡本谷戸の飯室層の崖面と同じように、湧水が滴っていて、その下に湿地ができて、ミヤマシラスゲが繁茂しています。
この湿地に面して、野鳥観察舎が整備され、谷戸の一番奥の崖下に、大きな岩が置かれて、野鳥観察のための公園整備がなされています。
そこにできる水溜まりに、野鳥が水浴びや、水を飲みに来るので、観察舎から観察できるという仕掛けです。
前回は、昨年 11月24日に活動しました。
今回、現地に来て、驚いたのは、園路から入る所に、生え始めていた実生木が育って、奥が見通せない状態なっていたこと、 また、中に入っても、落枝が行く手を阻んでいて、それを片づけながら進むことになったことです。
更に、水流の形状は消えていて、幅広く、濡れた状態になっているものの、かなり締まった、固い地面になっていて、水溜まりがありませんでした。
落枝を片づけてから、一番奥の崖面下に水溜まりを掘り、そこから溢れた水の流れをイメージしながら、凹みを掘って、水溜まりづくりを行いましたが、 水はなかなか溜まってはくれませんでした。
仕方なく、野鳥が水場として利用している場面を想像して活動しましたが、入口付近の実生木のヤブを植生管理も行わなければならないと思いますので、近々、再度の活動が必要と思います。







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