生田緑地の生物多様性保全活動


夏の谷戸の水辺保全など
日時:2022/8/23(火) 9:30〜12:30
場所 生田緑地 湿地地区、田圃地区
参加者 岩田臣生

先週 8/15(月)から1週間が過ぎましたので、谷戸の水辺の水漏れ点検、補修を行っておくことにしました。
谷戸に降りると、ミンミンゼミとツクツクボウシの合唱に混ざって、ガビチョウが大きな声を発していました。
ハンノキ林辺りでは、落枝が目立つようになっていました。
前回、8/15(月)にキバラヘリカメムシの幼虫が群れていたコマユミには、3匹のキバラヘリカメムシ成虫がいるだけになっていて、数個の羽化殻がぶら下がっていました。

明るくなったハンノキ林の木道沿いには、オオシオカラトンボが集まって、待っていました。

湿地地区の西端、竹林下からの水流は、橋の下で水漏れ穴に消えていましたので、これをイネワラで補修しました。
この水流が湿地地区2段目に広がるのを追おうとしたら、2段目の全域が水涸れを起こしていました。
水があって欲しい場所は、地割れが始まっていました。


ハンノキ林からの水流が止まっていることは明らかでしたので、調べて、水漏れ穴を確認し、イネワラで補修しました。
そこから湿地地区1段目を調べていくと、1段目全域の水が涸れていました。

広がり始めた水を追いかけて、水辺の状態を観察しました。
沢山の花をつけたヒメシロネがありましたので、標本用に一枝切りました。
ノハラアザミが咲いていました。
お辞儀をしているのは暑さのせいでしょうか、水涸れのせいでしょうか。


3段目には、水面が広がっていませんでした。
保護してきた植物は種子をつけていましたが、葉が枯れ始めていました。
水涸れと暑さのせいでしょうか。


竹林下デッキで休憩してから、田圃地区に移動しました。

上の田圃への導水路部分には、沢から土嚢堰までの間に3ヶ所ほど、水漏れ穴が開いていて、土嚢堰の下には水が流れていませんでした。
そこで、この部分の水漏れをイネワラで補修しました。
また、その水が木道下を通過するために設置したパイプの入口と出口が共に土砂に埋まっていました。
そこで、ここの泥上げを行い、長いヨシを取って来て、そのヨシを使ってパイプ掃除を行いました。

この水漏れなどの影響は、未だ田圃には現れていなかったようで、田圃は湛水していました。
そして、殆んどの苗が出穂して、花が咲いていました。
一ヶ月後の稲刈りまでに、結実、成熟してくれるのでしょうか。

今回は、田圃下草地の水辺については、諦めて、点検も行わず、下の田圃を観察しに行きました。
下の田圃のイネは、田圃いっぱいに溢れんばかりの勢いで、穂を立てていました。



日の当たる場所での活動は辛いので、早々に引き上げることにしました。

この日の谷戸は、中年男性の一人散歩が多く見られました。
ハンノキ林上の木陰のデッキ上で休憩していたら、話しかけて来る人がいて、私の前に座り込んで、ナラ枯れの話から始め、私の活動について尋ねて来ました。
その方はマスクをしていないので止めて欲しかったのですが、私が調査団の団員だと分かってから、話が止まらなくなって困りました。
しかし、保全活動をしてくれるボランティアがいるから、自分たちが生田緑地の自然を楽しむことができると言われては、無下にはできませんでした。


かわさき自然調査団の活動

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation