生田緑地の生物多様性保全活動


科学館裏谷戸、野鳥の森の水辺保全活動
今秋の生田緑地中央地区南側エリアの水辺保全活動は、11/17(木)に野鳥の森の水流(B01)の保全活動を、11/24(木)に旧岡本谷戸の水辺(B03)保全活動を行いました。
今回は、同エリアの残る水辺、科学館裏谷戸の水辺(B02)の保全活動を行うことにしました。
また、時間があれば、毎年活動している野鳥の森の水流の上流域(源流域)について、倒木や落枝を片付けて、状態を観察しておきたいと思い、生田緑地整備事務所裏を出発しました。



(科学館裏谷戸) B02-1
日時:2022/12/1(木) 10:00〜11:10 曇
場所 生田緑地 科学館裏谷戸(B02)

(野鳥観察舎付近)
参加者 岩田臣生
科学館裏谷戸のうち、野鳥観察舎のある側の水辺は、ミヤマシラスゲやシラコスゲが一面に繁茂し、水流が見えないほどでした。
一番奥の飯室層の崖にあった水溜まりは、土砂に埋まっていました。
ここは、野鳥が水浴びをできるように、水溜まりをつくりました。
野鳥観察舎は、この辺りで水浴びする野鳥を観察できるようにと考えたものだと思います。
ここは、毎年、泥上げをしていますが、必ず埋まっていますので、年1回では足りないかも知れません。
スゲ植物の繁茂はスジグロボタルの棲息には良いことだと思います。





(東側の飯室層の露頭下の園路沿い)
参加者 岩田臣生、伊澤高行、鈴木潤三、田村成美
この辺りも、スジグロボタルの棲息地として保全している所で、園路縁のU字溝も水辺として保全させてもらっています。
そして、園路の通行止めはできないが、コーンを置いて、園路を狭くすることは構わないという配慮をしてくれました。
ところが、この辺りに溜まる土砂量は多くて、U字溝がいっぱいになると溢れた湧水が園路上に広がり、冬期には凍結などで来園者の安全が脅かされます。
そこで、年1回程度は、溜まった土砂を少し排出して、溢水が起こらないようにおく必要があると考えています。
また、公園内清掃として、落葉の溜まりをゴミとして捨てられることもありましたが、このような落葉溜まりは生きものの越冬場所となっていることがあるので、 園内清掃はお断りして、落葉溜まりなどについても、水辺保全として扱っています。
これが当該地区の今回の活動目的なのですが、飯室層の露頭にアズマネザサやヤツデなどが大きく育って、日照を遮るようになったのか、崖面にはゼニゴケの仲間?と思しきコケが繁茂していました。
スジグロボタルの棲息環境としては望ましくないと思ったので、ヤツデを除伐し、アズマネザサを刈って、明るくしました。







野鳥の森地区の水辺保全活動
日時:2022/12/1(木) 11:10〜12:00 曇後小雨
場所 野鳥の森の水流(B01)
参加者 岩田臣生、伊澤高行、田村成美

野鳥の森の水流の保全活動は、泥上げによる水溜まりづくりを行い、流れ難く、水涸れを起こし難い水流にするための活動を続けてきました。
この対象範囲の流れは、先端から少し降った所に湧出する伏流水を流すことで考えていました。
この範囲の水流の状態は目標イメージに近いものになってきたので、毎回の活動では抜かしていた源流域が、ナラ枯れ倒木などによって荒れた状態になっていたので、 ここの保全も考えた方がいいだろうと思いました。
そこで、今回は落枝などを片づけながら、状態を観察して、保全イメージを組み立てることにしました。
当該活動を始めた頃は、この源流域から開放水面を繋げることを試したのですが、繋げられず、伏流水があったので、それで良いことにしたのです。

今回、源流を遡って、飯室層の表面を滴り流れる湧水が源流であることを確認しました。
野鳥の森の整備については資料がありませんが、少し平坦な場所になって、植栽されたと思われるキチジョウソウが繁茂していました。
具体的な保全イメージは、ゆっくり検討していきたいと思います。





今年の中央地区南側エリアの水辺保全活動を果たしたという安堵感に浸りながら、整備事務所裏に戻りました。


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