生田緑地の生物多様性保全活動


湿地地区と田圃地区の水辺保全、セリバヒエンソウ駆除など  
日時:2023/4/25(火) 9:00〜12:00 晴後曇
場所 生田緑地 湿地地区(B05)3段目
参加者 岩田臣生、伊澤高行

谷戸の湿地地区は、水田ビオトープ班が本格的に自然保全活動を始めた最初の場所です。
昔は、低地から続く谷戸田の一番奥の田圃があった場所で、狩野川台風による土砂崩れが起こるまで、農薬を使わない水田耕作が続けられていた場所です。
当時は、畑作への土地利用の転換と、公有地化というイベントによって、ススキが繁茂する乾ききった場所になっていましたが、 かつては、貴重な水草があったという情報を頼りに、その水草の復活を目的とした水辺・湿地づくりを始めたのです。
そして、その目論見は成功して、目的の植物が復活しました。
しかし、生き続けさせるための活動には、様々な困難がありました。
水辺環境が出来てくると、同様の環境に生育する様々な植物が生えてきたので、それらに負けないようにすることことも必要でした。
それは当然のことだと思いますが、何よりも悲しかったのは、水田ビオトープ班のメンバーによって、除草されたり、環境を変えられたりして、その場から消えてしまい、慌てて、 その場に復活させる活動をしなければならなかったことであり、それが何度も繰り返されてきたことです。
また、湿地環境になったことで復活した他の植物には、魅力的な植物、活動によってダメージを与えたくない植物もありましたので、 特に、春〜夏には、発芽したばかりの植物を見分けられない団員が立ち入ることも避けたいと考えるようになりました。

ですから、湿地地区の活動は、大勢でワイワイとではなく、一人でのんびりと行いたいと思っています。
そこで、集合時に、伊澤さんに、この日、何処で、何をしたいかと尋ねたところ、セリバヒエンソウの駆除と田圃の水漏れ補修などをしたいということだったので、 田圃地区で活動してもらうことにしました。
田圃地区での活動は経験しているはずなので、自分で考えて活動できると思いました。
こうして班の活動日としながら、一人で湿地地区で、行わなければならないと思う活動をさせてもらいました。
前回、長靴が完全に潜ってしまって、意気消沈という事態になりましたので、今回はウェイダーを用意して、深さをきにすることなく活動するつもりでもいました。

谷戸に降りたら、ピクニック広場辺りで、猛禽類の食痕と思われる羽根が散らばっていました。


ハンノキ林まで来たら、キビタキの声に包み込まれました。
初夏になったと思いました。
湿地地区に入ったところで、いつものように、水路に面して開いた穴を見つけて、補修しました。
サワガニが活動する季節になったようです。
この水漏れを止めたら、水路に水が流れて、少しずつ1段目に広がりました。
竹林下からの水流は、流量が極端に少なくなっていましたが、原因は分かりませんでした。

2段目の活動は、田圃状の水域を保全することだと思いますが、 先ずは、繁茂していたミヤマシラスゲの群落を囲むように水路をつくることにしました。




ミヤマシラスゲの茂みの中を調べながら、泥上げを行っていたら、前回、見つけられなかった植物が一株、育っているのを見つけました。
これを、明るくて、柔らかい泥の場所に移植しました。
消えていなかったことに感謝して、活動を続けました。


ミヤマシラスゲは早くも開花し始めていましたが、ゴウソ?も花穂を見せていました。


晴れていた時は、草の間に、トラフシジミ?が現れました。

オナガアゲハが吸水しようとするかのように、湿地に飛んできました。

空が曇ってきたら、クロコノマチョウが現れました。


12時になったので、合流して、帰りましたが、上の田圃に導水している水路に落葉が溜まっていたので、取り除いたという報告を受けました。
帰りのハンノキ林では、ホウチャクソウの花で、コマルハナバチが吸蜜していました。
キビタキの美しい声が続いていました。


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