生田緑地の生物多様性保全活動


水辺保全、希少種の種子採取など  
日時:2023/8/22(火) 10:00〜12:00 曇
場所 生田緑地 湿地地区(B05)、上の田圃地区(B06)、下の田圃地区(B07)
参加者 岩田臣生

今日は、午後に科学館との協議がありますので、スタートを遅らせて、10時にしました。

 △WBGT26.9、気温29.2℃、湿度78%
天気予報では、雷雨があるかも知れないということでしたので、降雨を期待しながら、谷戸におりました。
周辺では、アブラゼミ、ミンミンゼミに加えて、時折、ツクツクボウシが鳴いていました。
ただ、何故か、この日は沢山のカラスが煩く鳴いていました。

ハンノキ林末端の通行止めゲート脇の竹柵が壊れていました。
竹が老朽化していたためということはあると思いますが、通行止めゲート脇を通り抜けようとした来園者が乗り越えようとして折ってしまったのだと思われます。
この柵は、ホタルの国の来園者の安全のためと、湿地の保全のために、来園者がハンノキ林内に入らないようにするために、私たちが設置したものを指定管理者が引き継いでくれたものです。


(湿地地区)
 △10:23 WBGT27.3、気温28.4℃、湿度87.7%
ハンノキ林からの水路の流量は少ないため、サワガニ穴は水面に接することなく、水は流れていました。 穴は、イネワラも使って、潰しました。
湿地地区1段目をカナムグラを刈りながら歩いて、水路には少ないながら水が流れていることを確認しました。
ヒメシロネは育っていますが、ツリフネソウの陰など、少し陽射しが陰っている所にしか、花が見られないように思われました。
ヒメシロネは、明るい湿地を好むと思っていましたが、明る過ぎるのも好みではないのかも知れません。


竹林下からの水も少ないながら流入していて、2段目には水面が広がって、ミヤマシラスゲやオニスゲが繁茂していました。
ヘクソカズラが咲いていました。

3段目に落ちた水が水漏れ穴に吸い込まれていましたので、この穴を塞いでおいて、田圃地区に移動しました。

 △10:51 WBGT29.4、気温29.5℃、湿度89.7%

(梅ノ木広場)
梅ノ木広場で休憩しました。
 △10:56 WBGT29.3、気温30.0℃、湿度89.5%

(上の田圃地区)
上の田圃への導水路の流量は非常に少ないながら、流れてはいました。
その落ち込みには、ホトケドジョウが泳いでいました。

さて、上の田圃はと眺めていたら、遠くで雷鳴が轟いて、気温が下がって、いよいよ雨が降ってくれるかと期待しましたが、霧雨が2〜3分降っただけでした。
田圃の稲は殆ど出穂していました。


木道沿いのクサギ、ヤマグワ、ヒメコウゾなどが、木道上に枝を伸ばしていましたので、田圃に降りる前に、これらを剪定しました。
上の田圃は上の段も、下の段も、水面が広がっていました。
下の段の土嚢堰の上にトキワハゼが開花しているのが、木道から見えましたので、降りて、土嚢堰の辺りを調べました。
すると、土嚢堰の下に大きなザリガニ穴が開いていたので、ザリガニを掴み出そうとしましたが、見つけられませんでした。
ただ、その穴から排水されている様子はありませんでしたので、今後、気を付けて様子をみることにしました。


ナミアゲハが飛んで来ました。

クサギの花の周囲には、カラスアゲハ、ナガサキアゲハなどが舞っていました。


(下の田圃地区)
下の田圃の稲も、ほぼ出穂したようです。
田圃として考えると周囲のミゾソバなどは刈らなければならない状態ですが、私たちの田圃では、大きな問題ではありません。
水域の生物にとっては、棲み心地が良いだろうと思います。

この辺りの希少種の成熟したと思われる種子を少し採取しました。
雷が近づいて、雷鳴が大きくなり、黒雲が上空に広がり始めたので、活動を終えることにしました。
急いで谷戸の末端部の状態を観察して、水辺は状態に問題が無いことを確認しました。
辺りでは、木道沿いのヤブマオが開花期を迎えていました。

帰り道のメヤブマオ(サガミヤブマオ?)も開花期を迎えていました。

 △12:00 WBGT 28.7、31.3℃、74.8%


かわさき自然調査団の活動

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation