谷戸の水辺保全 日時:2024/1/16(火) 9:00〜12:30 晴 場所 生田緑地 旧岡本谷戸(B03)、科学館裏谷戸(B02)、野鳥の森の谷戸(B01) 参加者 岩田臣生 生田緑地中央地区の水辺として、水田ビオトープ班が保全活動を行っている谷戸は、 北側の稲目谷戸と城山下谷戸、南側の野鳥の森の谷戸、科学館裏谷戸、旧岡本谷戸の5つです。 水田ビオトープ班は、ホタルの里整備事業後の谷戸に田圃を再生することから始まっていますので、その田圃のある谷戸がホームグラウンドになっています。 ここは、ホタルの里整備事業が行われた場所ですから、ホタルの里と呼称すればよいのかも知れませんが、一般的に使われている「ホタルの里」は、 ホタルが消えた場所にホタルを復活させた場所について使われている名称ですので、生田緑地では使いたくないのです。 稲目谷戸は、普段は、「谷戸」と呼んでいます。 また、枡形山の西側の谷戸は、「城山下谷戸」と呼んでいます。 中央地区南側の3つの谷戸は、年1回、水流に溜まった泥上げを行っています。 昨秋は、この水辺保全活動を行っていなかったので、今回、できる範囲で実施して、状態を観察しておくことにしました。 @旧岡本谷戸 旧岡本谷戸という名称は一般的な名称ではありません。 岡本太郎美術館の計画当初の建設予定地であった谷戸のことです。 その場所に建設することは、自然保全上、適切ではないとして、現在地に建設されました。 旧岡本谷戸の水辺保全を始めたのは、2008年4月19日です。 それは、ここの水流に捨てられていた伐採材を放置するのは良くないと判断して、どうしたら良いかを話し合って、できる範囲でやってみたものです。 その後、当該地区の植生管理計画としては、スジグロボタルの棲息環境を目標に設定して、スゲ植物の繁茂する環境を目指した植生管理を年1回程度実施してきました。 具体的には、水流の水溜まりの泥上げで、落枝ダムによる階段状の水流をつくってきました。 水流は、1年経たないうちに、土砂が溜まって、水面が消えてしまうので、小さな水溜まりが数珠状につながる状態にすることが大切と考えています。 活動中に、園路から声をかけてくる人がいました。 大きな望遠レンズを持っている、鳥見の来園者でしたが、「ここは○○○○の棲息地だから荒らすな!」と言われました。 今の環境になったのは、長年の保全活動によるものだと考えていますので、急に疲れが出て、西側の飯室層の崖面下の水流の手入れを済ませたところで、 この日の活動は止めることにしました。 休憩していたら、ルリビタキが飛来し、手入れを行った水流の上に張り出したキブシの枝に止まりました。 冬の雑木林でアズマネザサ刈りをしていると、ルリビタキが近くまで来て、待っていて、作業を終えると直ぐに刈っていた場所にやってくることがよくあります。 A科学館裏谷戸 科学館裏谷戸は、ナラ枯れコナラが多数あり、危険なので、現在、閉鎖されています。 解錠して中へ入ると、倒木や、落枝があり、周囲を眺めると沢山の枯木が青空に向かって立っていました。 この日は冷たい強風が吹き荒れていて、柔軟な樹木は枝をぶつけ合いながら、身を捩らせていて、その音が絶えず響いていました。 野鳥観察舎の窓は、谷戸最奥部の水溜まりに集まって、水浴びする野鳥の様子を観察できるようにつくられていますが、 この最奥部の水溜まりは消えていました。 そこで、落枝ダムをつくっておいてから、溜まっていた砂泥を掘り出しましたが、湧水は非常に少なく、なかなか水が溜まりません。 水溜まりの観察は断念して、園路までの間の繁茂しているスゲ類?の間に、いくつかの小さな水溜まりを掘りました。 最奥部の飯室層の崖面下部の水溜まりづくりは、土嚢を使う必要がありそうですが、今回は溜まっていた砂泥を掘り上げるだけで済ませました。 この日の科学館裏谷戸は、木々のぶつかり合う音が凄まじく、観察舎付近のヤツデ、アズマネザサなどを除伐して、止めることにしました。 野鳥観察舎からの眺めは最奥部まで眺められますが、水溜まりが消えていては、野鳥は飛来しないでしょう。 スジグロボタルの保護を行っていた東側のエリアは、泥が溜まっていましたが、今回は強風が気になり、作業はしませんでした。 スズメウリの実が白くなっていました。 B野鳥の森の谷戸(水流) 野鳥の森は、頻繁に観察することができないので、状態観察だけでもしておくことにしました。 野鳥の森も閉鎖されていますが、解錠して入りました。 園路沿いは、落枝・倒木などの危険は全く感じませんでした。 倒れかかっていたイチョウは、変わらず、そのままでした。 水流には水面がありました。 源頭部近くに設置したはずのポンプ設備は見当たりませんでした。 キチジョウソウの繁茂は変わらず、掘りかけた池は確認できませんでした。 水辺については、春までに、一度、手入れを行う方が良さそうでした。 |
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