生田緑地の生物多様性保全活動


ホタル・ガイド・ボランティア 2024-1  
日時:2024/6/7(金) 19:00〜21:00
参加:岩田臣生、伊澤高行
一般参加:深瀬典子、両角亮子
場所:生田緑地 ホタルの国


令和6年度(2024)の生田緑地ホタルの国は、6/5(水)〜6/23(日) 16:00〜 翌朝 9:30 の閉鎖管理とし、 そのうち、6/7(金)〜6/9(日)、6/14(金)、6/15(土)の 19:30〜20:30について、特別に開国することになりました。
この特別開国時に、ゲンジボタル成虫の保護と入国者のケアに当たるのがホタル・ガイド・ボランティアの役割です。

この日は、今年のホタルの国特別開国の一日目です。
ホタルの国の活動を始めてから、一晩に3千人の来場を経験するようになって、何とか入場制限をしたいと思いながらできなかったのですが、 コロナ流行時に全面閉鎖を行ったことから、少しずつ入場者を増やすという局面になり、今回は、一晩に100人も入場させてもらえるのかという受け止め方がされました。

この日の実際の入場は、89名でした。
入場は、指定管理者による受付を済ませてからであり、この日は、指定管理者が引率する形で入場していましたので、 殆ど、団体行動と言ってもいいようなホタル観賞でした。
ですから、ホタルの観賞ルールに反するようなことは見られませんでした。
この様子は、もっと自由にしてあげればいいのにと思ったぐらいでした。

今年のホタルの国のために準備した「ホタル・ランタン(モウソウチクの竹筒に灯りを灯す道しるべ)」は、ミニ光源ながら、暗がりの道しるべとしては、充分なものでした。
ホタル観賞を楽しむには、目を暗さに慣れさせることが重要ですから、丁度良い明るさだったと思います。
また、クリアカップによる装着は、充分、容易であったことも確認できました。
これなら軽いので、ホタル・ガイド・ボランティアが入る夜は、毎回、灯すことが可能だと思いました。


今年は忙しくて、ホタルの国の開国前に、ホタル調査を行うことができませんでした。
昨秋から今冬にかけて、ナラ枯れ対策として、ハンノキ林東側のコナラ林の伐採更新を進めていましたので、 それがホタルの棲息に影響するのかが心配されました。
伐採はホタルの蛹化時期には行っていませんが、何本もの大木が水辺に倒れましたから、幼虫に影響が無かったという保証はありません。
しかし、ハンノキ林内を飛翔するホタルは、12頭を数えることができました。
大多数のホタルは、地上から2〜3mの高さを、ゆっくり飛翔していました。
高さ4m超のアズマネザサの林を除伐した斜面の辺りでも、ゆっくり飛翔するホタルが観察できました。
ハンノキ林上の池とハンノキ林西の池の間の樹林でも、木々の間を飛翔するホタルが観察できました。

今回は、ハンノキ林とヨシ原地区の間を2往復して、調査しました。
城山下谷戸合流部に再生しようとしている湿地環境は、まだ全く効果が出ていませんでした。
数年前に、谷戸の屈曲部の暗い樹林が消えたことによって、そこで過ごしていたホタル成虫が観察できなくなりましたが、 そこで過ごしたかも知れないホタルは、今は何処で過ごしているのでしょう。
ホタルの里のホタル出現数は、6頭でした。
湿地地区から梅ノ木広場にかけては、風に乗って飛翔している様子が観られ、一つの大きな空間として捉えられそうでしたが、 上の田圃〜下の田圃〜ヨシ原については、大空間を飛び回ってくれるようなホタルは殆どいませんでした。

この日の各調査区の最大値を合計すると、出現数は 33頭になりました。
水辺保全しか行わない活動で、ゲンジボタルが生き続けていてくれることに感謝です。
また、資生堂や、住友商事といった大企業の社員が、今年も、呼びかけメールだけで、ホタル・ガイド・ボランティアに参加してくれたことを嬉しく思いました。
今夜、ホタル観賞のために入場した皆さんは勿論ですが、ホタル・ガイド・ボランティアとして活動した私たちも、楽しい時間を過ごせました。


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