谷戸の水辺保全など 日時:2024/6/13(木) 9:00〜12:00 活動参加:岩田臣生 (鈴木は田圃下草地でカナムグラ抜き、田村は城山下谷戸でシダ植物の保護活動) 場所:生田緑地 4〜7月は水辺保全の活動は控えるようにしていますが、水涸れを放置することは問題だと思います。 状態を観察して、手入れが必要な場所には手入れを行うことにしています。 やるべきことは、実際に観察して、判断しなければなりません。 代掻き、田圃の泥上げ、田植え、稲刈り、脱穀などのように、事前に行動計画を立てて準備する活動は、ホタルの季節を迎えた今は無いと思います。 毎回、今日は何をしますか?という質問から始まる朝は、何とかならないものかと悩んでいます。 水田ビオトープ班として、何をしなければならないか、何ができるのかを、自分で考えられる人材がほしいと願っています。 ●ピクニック広場 そろそろ蕾をつけてもよいはずのトモエソウが周囲の草に埋もれたようになっていましたので、絡みついていたヤマノイモや、アズマネザサ、ドクダミなどを刈っておくことにしました。 草むらには、蚊が待ち構えていたので、慌てて蚊取り線香をつけようと思いましたが、ライターを持っていませんでした。 仕方なく、整備事務所に戻って、火をつけてもらいました。 少し時間を無駄にしましたが、ピクニック広場に戻って、草刈りを続けました。 すると、1本だけ、先端に蕾らしきものがついていました。 トモエソウは、県内に広く分布しているが、個体数は少ない植物のようです。 ピクニック広場のトモエソウは、毎年、種子をつけていましたが、周囲に株を増やす様子は見られませんでした。 株が大きくならないのは、他の草に負けて、発芽できないのだろうと考えて、2020年3月には、採取しておいた種子をプランターに蒔いて発芽させ、苗にしてから移植してみました。 そうしたら、その新しい株は順調に育ち、時々、周囲の草を刈ってあげれば、負けずに咲いています。 シハイスミレ、フデリンドウ、イチヤクソウ、トモエソウ、ヤマユリなどの保護は、水辺保全や、雑木林の植生管理とは、別のリズムの活動なので、 こうしたガーデニング的な保護活動を行ってくれるグループがあるといいのだがと思っています。 ●ハンノキ林 ホタルの飛翔発光を思い出しながら、ハンノキ林を観察して、歩いていたら、ヤマグワ実生?に、キボシカミキリが3匹もいました。 木道から手が届く枝でしたが、2匹はペアのようでした。 ●湿地地区 オカウコギは鋭いトゲがあって、好きにはなれませんが、実が膨れてきています。 一昨日、水漏れ補修を行った水路部分は問題無く流れていました。 しかし、竹林下谷戸からの水流が橋の下を抜けた所で、水漏れ穴に消えていました。 また、2段目末端近くでも、水漏れ穴に消えていました。 そこで、これらを補修しました。 2段目から3段目に水面をつなげましたが、3段目のミヤマシラスゲの繁茂は著しく、水面はミヤマシラスゲの茂みに被われていました。 試しに、岸から水面までの間のミヤマシラスゲを刈ってみました。 この辺りには、コケは見られなかったので、現時点では、可もなく不可もなくといったところでしょうか。 カノコガがオオミゾソバの葉裏にいたので、葉を裏返してみました。 ホウチャクソウの実が黒くなっていました。 チダケサシが穂先を伸ばし始めていました。 ●上の田圃 湧水の流量が多いので、田圃の水の状態は良好でした。 でも、田圃下草地の水路に水がありませんでした。 水路沿いに草刈りを行って、水路に水を流そうと試みましたが、穴だらけで、直ぐに水は消えてしまいました。 少し範囲を広げて、草地の状態を調べたら、なんと、谷戸の右岸水流が途中で涸れていました。 田圃下から城山下谷戸合流部までの間が、完全に水涸れしていました。 これは一大事です。 まず、この水流を回復させなければなりません。 季節的に大きな問題を引き起こさない程度の作業を行って、谷戸右岸の城山下谷戸合流部までの水流を復活させました。 ●城山下谷戸合流部 城山下谷戸合流部には、一面に、ミョウガが育っていました。 昔の景色が蘇ってきました。 水辺に転がしておいた枯木には、コケが生えていました。 この場所の環境再生について、希望がでてきました。 ただ、この地区の外周に回した水路には、いくつもの水漏れ穴ができていましたので、気がついた穴を塞ぎました。 そして、今年切り開いた道を歩いて、苗木畑に抜けました。 ●城山下谷戸苗木畑 上の園路沿いのナラ枯れ大木が伐倒されたままになっています。 園路外、雑木林の中は、ナラ枯れ枯損木でも、伐倒して放置して良いという考え方をしています。 その樹林の植生管理計画については、全く配慮してくれません。 苗木畑周辺の手入れは、私たちが行わないと、ヤブになってしまいそうです。 ただ、伐倒された材は非常に太くて、大きいので、この状態を見ても、気軽には、手を着けられません。 ●城山下谷戸の園路〜芝生広場 このヤブを抜けて、園路に出ました。 田村班員が、芝生広場から城山下谷戸に降りる丸太階段の辺りのアズマネザサ刈りをすると聞いていたので、現場確認のみ、行いました。 芝生広場の外周は、フデリンドウ保護のために、芝生広場の草刈り作業から外してもらいましたが、アズマネザサが1m以上に伸びて、ヤブ化してしまいました。 ここのフデリンドウ保護のために、アズマネザサだけを刈る活動を任せられる人を探さなければなりません。 団員が減って、特定の植物の保護活動は、現状の水田ビオトープ班では、困難になってきました。 種子植物を理解している種子植物班が、昔のように活動してくれるようになると嬉しいのですが、・・・。 帰り道には、オカトラノオが咲いていました。 |
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