谷戸の水の状態点検と保全 日時:2024/7/18(木) 9:00〜12:00 活動参加:岩田臣生、冨田健斗 途中から、田村成美、鈴木潤三 場所:生田緑地 湿地地区、上の田圃地区など 夏の水辺保全活動は、私たちが再生・保全している水辺や水路などの水の状態点検と水漏れなどの補修だけで良いと考えています。 先週は休んでいた木曜チームが今週は活動するようでしたので、彼らに任せて、休ませてもらおうかと思ったのですが、 遠方に就職したことで、活動から離れていた冨田さんが、久し振りに、活動したいというので、話も聴きたいと思い、活動することにしました。 谷戸に降りる階段の上に、何があったのか、コガタスズメバチがいましたが、飛び立つ気配はありませんでした。 当調査団では、水辺の活動は水田ビオトープ班の活動、雑木林の活動は里山倶楽部の活動として考えるようにしていましたので、 水田ビオトープ班の活動中に雑木林の話が出ることは殆どありませんでしたが、この日は、ナラ枯れの話が出てきました。 仕事として取り組むようになって、里山の自然の全体を見るようになったのだと、嬉しく思いました。 コナラの多い雑木林では、何処も、ナラ枯れが進行したと思いますが、今、その勢いは明らかに落ちていると、現場では感じています。 (湿地地区) 2004年に水田ビオトープ班が自然保全活動を開始した湿地地区は、かつて低地部から田圃が続いていた時代には、一番奥の田圃だった場所です。 狩野川台風による土砂崩れがあってから、地主さんは、畑への転用のために、排水管を埋設したり、様々な手を入れて、土地を乾燥させてきた場所です。 そして、川崎市が用地購入してから数年間は放置され、ヤマグワやヒメコウゾ、ススキ、アズマネザサなどが繁茂していました。 昔は、そこには大事な水草が生えていたと聞いたので、その水草の復活を目標に、水を導入して、水辺を再生しました。 この消えていた植物の復活は成功して、保護していますが、埋土種子から復活できる種子植物は凄いと感動させられました。 こうした復活劇を、仕事を通して経験しているようでしたので、話は楽しいものでした。 しかし、折角復活したのに、水が涸れたことで消えてしまった植物もありましたので、この暑い夏だからこそ、 水涸れを起こさせないように手入れを欠かせないという話をしました。 そして、サワガニが活動する夏季には、度々、水漏れを起こしている箇所の手入れを行っておいて、上の田圃地区に移動しました。 水路上空に巣を張っているオニグモがいました。 (上の田圃地区) 上の田圃地区では、導水路部分が頻繁に問題になります。 谷戸左岸水流から分流している導水路途中の水漏れ穴を補修し、木道下を通過させる部分のパイプの掃除などを行いました。 上の田圃は、湛水とは言えませんが、充分な水深がありました。 シオカラトンボが群れていました。 上の田圃の下の段の斜面側の水面にいたオオアメンボは数が増えていました。 オオアメンボは、神奈川県では、準絶滅危惧種とされています。 谷戸に再生した田圃では、初期の頃から観られたと思いますが、今年は、稲のできが悪いのですが、そのために、オオアメンボにとっては棲み易い環境になっていたのかも知れません。 観察していると、お互いに、ぶつかり合っている2匹の個体がいました。 何をしているのか分かりませんが、これだけの数が集まっている場面は、家族でワイワイやっているようにも見えました。 皆は導水路の手入れを済ませてから、どうするかと見ていたら、セイタカアワダチソウや、ヒメコウゾ実生の抜き取りなどを始めました。 上の田圃と梅ノ木広場の間のオダ場周辺は、初秋の頃はツリフネソウの花を楽しんでもらえる場所なので、それをイメージして、 毎年行っているように、ヨシ、ススキ、ヒメコウゾなど、丈の高い植物を全て刈って欲しいと思っていたのですが、・・・。 上の田圃の上の段と下の段の間にあったヤマグワ?は、大きく繁って、田圃に影を落としているので、枝落としを行いました。 この茂みの中には、アオバハゴロモの幼虫や成虫が多数群れていました。 ハゴロモの仲間の羽化の季節ですね。 谷戸右岸水流の状態や、城山下谷戸合流部の水辺の点検と手入れを行ってから、上の田圃地区に戻りました。 田圃脇では、ミソハギが咲いていました。 田圃下草地のノカンゾウが小さな蕾をつけていました。 ノカンゾウの葉は、殆んど、他の草の下に寝ていましたが、少しだけ、その辺りの草刈りを行っておきました。 できれば5〜6月から、適度な草刈りを行っておけば良かったと思います。 マメコガネがいました。 アオバハゴロモばかりでなく、ベッコウハゴロモも、草地に出ていました。 田圃下草地の水流の手入れも行いましたが、直ぐに水漏れ穴ができてしまう場所なので、根本的に考え直す必要があると思います。 生田緑地の水辺保全についても、入団しなくても活動できる仕組みが必要かも知れません。 ただ、水辺の自然は脆弱なので、自然を理解して、考えて、行動できるメンバーであることを期待してしまいます。 |
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