生田緑地の生物多様性保全活動


夏の谷戸の水辺保全  
日時:2024/9/17(火) 9:00〜12:30
活動参加:岩田臣生
場所:生田緑地 湿地地区、上の田圃地区、下の田圃、ハンノキ林西の池など

少し気温が下がって、時折、吹いて来る風が心地よく感じられました。
この日の活動目的は2つ、下の田圃の奥で保護していた植物の種子の採取とハンノキ林西の池の泥上げです。
どちらも、本格的に行うなら、ウエイダーが必要だと思いますが、今回は、何とか、長靴で済ますことにしました。

先ず、湿地地区から活動開始しました。
ハンノキ林から導水している水路には、水際に小さな穴が開いていましたので、潰して、水路の泥上げを行いました。
大きなサワガニが迷惑そうに現れて、ウロウロしていましたが、逃げようとする動きはありませんでした。
水路際のヒメシロネが開花の盛期を迎えたように、小さな花を咲かせていました。




ノハラアザミは倒れながらも、花を咲かせていました。
根元の水漏れは止まっていました。


竹林下の水流は園路の橋の下で、水漏れを起こしかけているように見えたので、当該部分の泥上げと泥寄せを行っておきました。
2段目への水流には問題ありませんでした。

2段目末端に近い所には、今回も、水漏れがあって、水が消えていましたので、補修しました。

2段目から3段目に落ちる辺りに溜まった泥を移動して、3段目の水面の広がりを少し調整しました。
ツリフネソウの花が増えたようですが、ミヤマシラスゲの繁茂が著しいので、今秋は、ハンノキや低木の伐採と合わせて、草刈りと攪乱を行った方が良さそうです。


上の田圃地区に移動しました。
ヒメウラナミジャノメがツルマメの葉上にいました。

導水路の土砂は溜まっていましたが、流れには問題ありませんでした。
ヨレが起こっている水面に、数匹のシマアメンボがいました。

田圃には、水面が広がり、シオカラトンボ、オオシオカラトンボが縄張り争いをしていました。
観ていたら、橙色のトンボもいて、これが、着水を繰り返していました。
ウスバキトンボだろうと思います。




下の田圃に移動しました。
畦に降りて、田圃の奥にまわりました。
保護していた植物は、既に枯れていました。
一応、少しだけ残っていた種子を採取しました。
既に、種子散布された種子が発芽して、緑色の葉が数本、出ていました。
来春、普通に発芽してくれるのだろうかと心配になりました。

ウドの実がなっていました。


木道に上がって、休憩しました。
10:41 気温 27.4℃、湿度 77.9%、暑さ指数 WBGT 24.5℃(注意)

谷戸の中央の水路には水がありましたが、谷戸末端からヨシ原の池に導いている水路は水涸れを起こしていましたので、少しだけ、水路の泥上げを行いました。


ハンノキ林西の池に向かいました。
途中、樹木の木肌に、何か模様のようなものがあるように感じて、観察してみたら、ヨコヅナサシガメの幼虫が円陣を組んでいました。
ヨコヅナサシガメは外来種で、生田緑地では、2000年頃に、侵入が話題になっていたように記憶しています。
その頃は、サクラの樹洞などに集まって、越冬しているヨコヅナサシガメの幼虫を観察していました。
このように、木肌に、丸見えの状態で広がっているのを観察したのは、初めてでした。
茅ケ崎の岸一弘さんに尋ねたら、円陣の中心部に親が産卵したもので、幼虫がその周囲に展開していただけとのことでした。


ハンノキ林西の池には、ナラ枯れコナラとヤマザクラが、南側から倒れ込んでいました。
初めに気がついた時は、これらの倒木を池の外に出さなければならないと思ったので、何もできませんでした。
しかし、倒木を取り出さなくても、大きな問題は無いと思うようになり、 水域としては、少し泥上げを行って、水深のある部分をつくっておけばよいだろうと考えました。
活動は、倒木が押し倒したキブシを適度に伐採して、枝葉を池の排水口辺りに積みました。
池の端の、長靴が潜ってしまわない深さの所で、ジョレンを使って、土砂を掻き取り、置いた枝葉の上に積みました。
これだけでは、水を堰き止めることはできませんが、水が涸れたわけではありませんから、このまま暫く放置しておいて、積んだ枝葉が落ち着いたら、 もう一度、そこに泥上げをすれば良いだろうと思います。
その程度の土砂の移動で、水深のある水域を広げるだけなので、生物調査は行いませんでした。


泥上げをしていたら、数尾のホトケドジョウが遡上していきました。
これだけ泥に塗れていると何のヤゴなのか分かりませんが。枯木に掴まって、空中に出て来たヤゴがいました。もう9月ですから、どうなるでしょう。




 12:05 気温 28.5℃、湿度 77.3%、暑さ指数 WBGT 25.5℃(警戒)


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