谷戸の水辺保全など
【2025/8/5 更新】

谷戸の水辺保全など
日 時)8月5日(火) 9:00〜11:00 晴
場 所)生田緑地 湿地地区、上の田圃、城山下谷戸合流部、その他
活動者)岩田臣生

梅雨らしい雨が無いままに、暑い夏になってしまい、生田緑地の谷戸の水辺は涸れそうになっています。
7/24(火)には、何をできるかを考えて、できるだけの手を打ったつもりでした。
そして、雨が降らなければ状態は変わらないので、なすべきことが分からなければ、活動のしようがありませんから、少しの間、夏休みにして、事務作業をしていました。
しかし、状態だけは観察しておかなければならないと思い、この日は谷戸に降りました。

(ハンノキ林地区)
ハンノキ林上の池には濁った水が溜まっていて、水辺に近づくと、何やら小さな生きものが水面を右往左往している様子でした。
泥上げ、生物調査、水環境調査をしなければならない状態だと思いましたが、この日は状態観察だけにしました。

ハンノキ林内の木道から見える流路には、何とか水面がありました。
これは、流れが止まっても、暫く、水のある状態が残るように、連続する水溜まりをつくるように水流の泥上げを行ってきた成果だと思います。
しかし、水面が消えて、湿った泥になっている部分もありました。
タマアジサイが咲き始めていました。
タマアジサイ

(湿地地区)
湿地地区の1段目の水路には、サワガニ穴が並んでいましたが、水面はその穴の高さまで達していませんでした。
それでも、水路底の泥をあげて、サワガニ穴は塞ぎました。
しかし、流量は余りにも少なくて、水漏れ穴に水が消えているという状態ではなくて、柔らかくなった水底土に浸み込むように、少しずつ少なくなって、 1段目の水路に広がることなく消えていました。
そのため、2段目につくった水溜まりは涸れて、ひび割れしていました。
ただ、植物は、まだ枯れてはいませんでした。


チャヤガヤツリやイが繁茂していました。
チャヤガヤツリ
イ

竹林下デッキで小休止してから、上の田圃に向かいました。
 09:19 WBGT 25.4℃、周囲温度 30.3℃、湿度 61.8%

(上の田圃地区)
上の田圃への導水路は、水が殆ど、涸れていました。
ここも、大きな水漏れ穴があっての水涸れではなく、谷戸左岸水流自体の流量が非常に少なくなっているのです。

上の田圃の上の段は外周の溝には水がありましたが、水は堰下には流れていませんでした。

ミソハギ


7/22(火)に、上の段の土嚢堰の土嚢を1枚外して、下の段に、少しだけ水を分けることにしたのですが、 この日は、下の段の溝に広がっていた水面が無くなり、田圃の土がひび割れしていました。
下の段に水を分けてから2週間は、外周の溝に水面をつくることができたようです。
谷戸の左岸流自体があてにできない状態になりましたので、下の段への更なる分水は行わないことにしました。



田圃は水涸れが始まりましたが、出穂が始っていました。
イネ

(上の田圃下草地)
田圃下草地には、ノカンゾウが咲いていました。
ジュズダマ、イノコヅチ、カナムグラなどが優勢ですが、庭園ではないので、多様な生物が棲息することを優先して、消えないように管理すれば良いと思います。

ノカンゾウ
ノカンゾウ


(城山下谷戸合流部)
城山下谷戸合流部の状態も観察しておくことにしました。
谷戸右岸流に落枝ダムでつくった水溜まりには水がありました。

芝生広場側斜面下につくっていた水溜まりの水は消えていました。
少し上流まで遡行してみましたが、ここの水流も涸れていました。



(田圃下草地)
稲目谷戸に戻りました。

何かが顔にぶつかったと思ったら、キボシカミキリでした。
キボシカミキリ
谷戸右岸水流の水は途切れ途切れに水面がありました。

水流沿いは多少温度が低いのかも知れません。
ムラサキシジミ(蝶)などが水辺の草に止まっていました。
アゲハモドキ(蛾)もいました。
アゲハモドキ

 10:19 WBGT 27.1℃、周辺温度 29.8℃、湿度 75.7%

(下の田圃)
下の田圃も見に行きました。
チョウジタデの繁茂が著しく、辺りを占領し始めました。
そろそろ除草が必要と思いました。

ヨシの間に、ノカンゾウが咲いていました。

オオスカシバ(蛾)が飛んで来て、ノイバラに止まりました。
オオスカシバは動きが速くて、私に撮影できるとは思えない昆虫なのですが、この時は、近づいても逃げようとしないどころか、身動きもしませんでした。
オオスカシバ
オオシオカラトンボは撮影する必要は感じませんが、オオシオカラトンボもいたという記録として撮影しました。
オオシオカラトンボ

(上の田圃地区)
上の田圃近くのクサギが開花していましたが、いつもとは色合いが異なるように感じました。
クサギ
上の田圃への導水路を覗いたら、水が消えていました。


梅ノ木広場の地面には、クマバチの死骸が落ちていました。
クマバチ

ハンノキ林上のデッキで休憩しました。
 11:04 WBGT 27.7℃、周囲温度 30.2℃、湿度 79.1%

帰り道のピクニック広場下では、サトキマダラヒカゲが現れました。
サトキマダラヒカゲ
ピクニック広場東階段沿いでは、イトトンボ2匹が現われました。
撮影できませんでしたが、ホソミイトトンボでしょうか。


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