里山倶楽部
【2025/4/19 更新】

令和 7 年度第 3 回里山倶楽部
飯室山南地区のアズマネザサ刈り、モウソウチク除伐

日 時)2025年4月19日(土) 9:00〜12:00 晴
場 所)生田緑地 飯室山南地区(皆伐更新地区とその周辺)
参加者)東 陽一、伊澤高行、加登勇司、北川英樹、廣瀬朗子、政野祐一、吉澤正一
事務局)岩田臣生           計 8名

活動場所図
(上図)活動場所位置図

2008年に、国内の森林に広がっているナラ枯れについて知り、将来、生田緑地でも起こるかも知れないと考えて、何らかの対策を考える必要を感じました。
生田緑地は、昭和16年(1941年)に都市計画決定された都市計画緑地です。
それから、公有地化が進められ、樹林は薪炭林等としての利用がされなくなり、遷移が進んでいると思われました。
一様に老熟していると、ナラ枯れに対しては弱いだろうと思われました。
老熟した樹林も、若い樹林も、様々にあることが、多様な生物の棲息する雑木林に求められるのではないかと考えました。
若い雑木林は、ナラ枯れにならないという情報もありました。
そこで、飯室山南地区に、皆伐更新地区を計画し、2010年末に皆伐し、雑木林を再生するための植生管理を継続し、2018年には、若い雑木林に育てました。
しかも、外部から苗木を持ち込んで再生したのではなく、皆伐のインパクトによって、埋土種子を発芽させ、それを育てて、雑木林に育てたのです。

生田緑地の雑木林には大量の埋土種子が眠っていることが分かり、それを発芽させて育てることで雑木林を再生させることができることを体験しました。
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2018年夏には、カシノナガキクイムシをハンノキ林で見つけることになり、ついに、ナラ枯れが始まりました。
そこで、2020年1月には芝生広場上雑木林、2022年にはハンノキ林東地区の伐採更新に着手しました。
また、飯室山南皆伐更新地区隣接地については、モウソウチクの除伐なども行っていた隣接地において、2022年1月には、ナラ枯れとなった大径木伐採を行なって、 伐採更新を始めました。
皆伐更新地区は、皆伐後、14年が経過し、構成樹木の中に、直径20cm超が現れてきたので、2024年末から、大きく育った樹木の萌芽更新に着手することにしました。

昨夏は新たなナラ枯れが起こっていないように思いますが、伐採更新という植生管理を行ってきた雑木林は、今、魅惑的な植生変化を見せてくれています。
飯室山南皆伐更新地区では、消えると思われたキンラン、タマノカンアオイ、エビネなどが、増えて、広がっています。
拡張区域では、明るくなったことから、クサイチゴが繁茂し、開花していました。
かつて、雑木林が適度に利用されていた時代の多摩丘陵には、このように、あちこちに、キンランなどが咲いていたのだろうと想像されます。
伐採更新を行なう前は、鬱蒼たるアズマネザサのヤブだった所が、林床にキンランが咲く、明るい雑木林に変わったのです。

飯室山南地区の若い雑木林のアズマネザサ刈りが、この日の活動目的です。
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丁度、タマノカンアオイやキンランの開花時期で、あちこちに咲いていました。
タマノカンアオイ
キンラン

拡張区域側は、伐採後2〜3年ですが、コナラ実生などが成長していました。
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クサイチゴ

エビネが蕾をつけていました。
エビネ
休憩して、皆伐更新地区の林の中で、木の枝を避けながら、集合写真を撮りました。
辺りをアゲハチョウが飛び回っていました。
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後半は、拡張区域のアズマネザサ刈りを少し行いました。
高さ2mほどに成長したコナラ実生がありました。
コナラ
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コナラ実生に大きな虫こぶがありました。
コナラの虫こぶ

アズマネザサ刈りはほどほどにして、モウソウチクの除伐を行いました。
モウソウチクは成長して枝葉を拡げてからだと、重くて、除伐も大変なので、タケノコのうちに除伐してしまうのが良いと思います。
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