生田緑地観察会
谷戸の自然


日時 2012/8/19(日) 10:00〜12:00 晴
ガイド講師 水田ビオトープ班 岩田臣生、事務局 岩田芳美 
観察会参加者 24人 (子ども 1人)

子どもが1人しか参加してくれませんでした。 やはり、「谷戸」とつけたのは良くなかったようです。
観察ルートは下図の通りです。 猛暑の季節の散策路としての課題も学べそうです。

中央広場の草地の上を、ウスバキトンボが群飛していました。

蝉時雨の園路で、生田緑地で鳴いているセミについての質問がありました。 丁度、ニイニイゼミ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ヒグラシ、ツクツクボウシの5種が鳴いています。
今朝出がけにクマゼミの声を聞いた話、川崎市でもクマゼミの声が聞かれるようになっていること、 ハルゼミは絶滅したかも知れないこと、等々を話しました。

七草峠の崖面には、オトギリソウが咲いていました。
この辺りでは、春には ヒゴスミレ、ニオイタチツボスミレ、スミレ、タチツボスミレ、コスミレが咲き、夏には ヤマユリ、オトギリソウ、 やがて、ハギ、ホトトギスなどが咲くことを話ました。

キツネノマゴに、ヤマトシジミやキタキチョウがきていました。

ツリガネニンジンが咲いていました。
根がニンジンに似ているといっても、赤い野菜のニンジンではありませn。
ヤブニンジンはセリ科で赤いニンジンと同じ、ツリガネニンジンとツルニンジンは共にキキョウ科で高麗人参の根に似ていること、 また、最近まで、ツリガネニンジンは何処にでもある雑草だと思っていたが、急に少なくなったといった話をしました。

夏の昆虫は観察対象としては 樹液に集まるものと、草地で出会えるバッタ・コオロギ・キリギリスの仲間の幼虫が主になります。
クヌギの樹液レストランには カナブン、クロカナブン、ルリタテハ、サトキマダラヒカゲ、そして チャイロスズメバチが来ていました。
チャイロスズメバチは先月、昆虫班の山本が見つけたのですが、川崎での初記録です。 個体数の少ないスズメバチで、神奈川県内でも数例の記録に止まっています。
このスズメバチは、春に、モンスズメバチやキイロスズメバチの女王蜂が巣をつくり始めたところで、その巣に侵入し、女王蜂を殺して、働き蜂を手なずけ、巣づくり、産卵を引き継ぎます。 このため、モンスズメバチやキイロスズメバチの働き蜂が生き残っている間は、これらとチャイロスズメバチの共同生活が行われます。 この生態を社会寄生性といい、注目を集めています。

谷戸へ降りたところで、ピクニック広場東斜面に草地を広げていること、草地にはオトギリソウの仲間のトモエソウや、ナギナタコウジュなどが生育していることを話しました。


ヤブミョウガ、ヒヨドリバナ、ホトトギス、オカトラノオ実、カシワバハグマ蕾、ハナイカダ実などを観察し、むしり取られたツルニンジンの蔓と葉を観察しました。


生田緑地の湧水のと、この辺り(標高)から染み出し始めていること、ミヤマシラスゲが繁茂していることなどを話しました。
ハンノキを観察し、生田緑地のハンノキ林についての話をしました。


池には メダカ、モツゴ、ヌカエビなどがいますが、誰かが持ち込んだものと考えていること、 アメリカザリガニは駆除していること、 人工的な池だが、谷戸の一番奥の池ということで大切であることなどを話しました。


ホタルの里は木陰がありません。 ミソハギ、セリ、ジュズダマ、イヌトウバナなどを観察しました。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation