日時 2007年4月29日(日) 10:00〜15:00 講師 倉本 宣(生田緑地植生管理協議会会長) 参加 久保田浩二、谷口朗、谷口喜美代、前田宏、吉田多美枝、吉留憲子、渡辺忠志 小礒毅( 青少年科学館館長 )、島田秀雄( 総合企画局都市経営部主幹 )、山口泰民( 北部公園事務所 ) 岩田芳美・臣生 計13人 目的 生田緑地中央南地区(野鳥の森〜ゴルフ場との境界尾根の園路〜つつじ山〜梅園〜奥の池)を歩いて、課題を抽出し、各地区毎の目標、 管理における注意事項などを整理する 【岩田】市民部会が昨年スタートした時は、ゆっくり勉強しながらやっていこうと考えていた。昨年度末にいろいろな問題があったので、難しいかも知れないが、 地区毎に、今わかっていること、問題になりそうなこと、既に決めている方針などを整理することにした。 5回位に分けて生田緑地の植生管理計画の基になるようなものをつくりたい。網羅的な計画づくりは無理と思うが、点的に、ここはこのままでよいのか、 このようにしようとか、はっきりしているところははっきりさせたい。わからないところについては、計画を進めずに、何かをする時に踏むべき手続きを決めておきたい。 そういうゾーニングをある程度やりたいと思っている。 第1回目の今日と次回は色々と問題の起こっている生田緑地中央地区の南側について皆さんが考えている事を出し合って整理していきたいと思う。 午前中は野鳥の森から岡本美術館脇までを見ながら歩き、午後ここで整理をする。 今日は植生管理協議会の会長の倉本先生が参加されています。 一言ご挨拶をお願いします。 【倉本】皆さんおはようございます。 昨年度から植生管理協議会では団体と団体の活動調整の他に、市民部会を設けて特に生田緑地の植生管理を担う人材を養成することを目標の一つに掲げて活動を行っています。 今日は、急だったので広報が十分に出来なかった点がありましたが、精鋭にお出で戴いていると思いますので、どうぞ、宜しくお願いいたします。 ...調査用地図を配布... 【野鳥の森入口にて】 【】北部公園事務所から「地表の土が流れて、道が凸凹しているので補修したい」との話があります。 そのことを頭に入れて、歩いて欲しい。 【】補修というのは鋪装ですか。穴をうめるだけでなくて。 【】最初は鋪装したいと言われた。とんでもないと言って話をしているうちに補修という言い方になっている。 【】穴を何かで埋めるだけ。見守っていかなければいけないですね。 たしかに車椅子の人や足の不自由な方がまわるのも大事ですが、必ずしも困難な所まで全部回らなければいけないから鋪装しましょうというのは考えが違うのではないか。 【】もう一つ、今は落葉樹も葉を繁らせていてあまり目立たないが、アオキが密生してアオキだらけになりつつあります。また、最初に整備をした時の植栽も残っています。 ご自身で見ながら判断をして戴きたいと思います。 【】どんな林が良いか自分のイメージを持って歩くことも大事です。 【】落葉樹ばかりの山の方が明るくて気持が良いけれど、私たち植物班は夏に調査をする時には「あの暗い所を見に行きましょう」と言って常緑樹が多い場所として考えています。常緑樹が多いけれど、その中で整理をすべき常緑樹は当然あると思います。 【】植生管理を進めていく時にここをどのような森にしていきたいかを考えて、こうする、ああするという話になるのですけれど、そこまで考えることができればベストだと思います。 【入口から少し入った所で】 【】植栽のサザンカは不必要。 【向ヶ丘遊園駅菅生線関連道路工事の直下の場所で】 【】ここに穴があります。 岡本美術館の時と同じことになるのでは。 【】道路工事が終わった後、大雨の水が大量に流れた時にどうなるか、経過を見るのか、事前に対策を考えるのか。 【】飯沼泥岩層のところから滴っている水は大切。 【】今まで歩いた限りでは補修の必要があるのはこの急勾配の所の穴だけでは。 【】水道(みずみち)になっているので。補修が必要。 【】でも、雨の日には普通の人は通らない。特別な人のために工事の必要はないのではないか。 【途中歩きながら】 【】アオキが多い。アブマネザサは完全に負けている。 【】考えも無しに植栽された不自然な樹木でも、大きくなっていて、伐るには可哀相。 【地層観察ポイントで】 【】ローム層盗掘のため大きな穴があいている。崖崩れに結びつくのでは。 【】何の為に持ち帰るのか。マニア??学校の先生とも言われている。 【】大々的な土砂崩れになりそうな所は早急に対応が必要では。 【上の出口付近で】 【】ここも暗いので植栽された樹木は伐っても良いのではないか。 【】出入り口と言う雰囲気が無い。 【50本伐採地の入口手前の公道で】 【】ここから大型ゴミが捨てられる。 【】おし沼町会では投棄者対策として防犯カメラを取り付けた。 【】公道側のフェンスを高くする必要がある。 【50本伐採地で】 【】擁壁保護のためと言っていたが、木の根は柔らかい土の方に伸びていて、壁には影響を与えていなかったようだ。 【】このあとの斜面崩壊の方が心配だ。 【】話を聞いた時には必要な伐採と思ったが、現地を歩いて壁面をみると不必要な伐採だと判った。 【】木の根が腐った後の方が心配だ。 【】道にオーバーハングをしていたから木を伐ったとしたら、北部公園事務所は生田緑地中の樹木を同じ理由で伐りまくるのではないか。 【ツツジ山】 【梅園】 【】花付きが悪いので...東側の樹木を伐採したいと公園事務所は計画をしていました。 【】12時に太陽がこの位置なら、日当りを理由に樹木伐採をするのは奇怪しい。 【】最初にゴルフ場側(内)の常緑樹をどうするかという事だ。 【】出入り自由なので地面が硬くなりすぎている。 【】梅の剪定が最悪。もっとまともな業者に頼むべき。 【】むしろ市民で植木の好きな人を募集(バラ園ののようにして)頼む。 【】大きな木を伐るという発想の前に、何の為に伐るのか整理をする必要がある。 【】1本、1本の木ごとに対応すべきで、纏めてなどとはとんでもない。 【】低木のアオキが問題。市民でも即対応できる。 午後の部 場所 青少年科学館 参加 倉本 宣(生田緑地植生管理協議会会長) 久保田浩二、前田宏、吉田多美枝、吉留憲子、渡辺忠志、山口泰民( 北部公園事務所 ) 岩田(芳)・臣生 【岩田】午前中に歩いて調べたところについてご意見を戴きたい。 【久保田】月に2回程雑木林で作業をしている。美観、景観の為ということも結構ある。 野鳥の森は今日が初めてかも知れない。アオキ、ヤツデ、シュロが多かった。皆さんと相談して間引いていく必要がある。 私どもがまだまだやる場所が有る。皆さんと一緒に考えながら雑木林を育て、景観を考える必要があると言う認識を持った。 【岩田】野鳥の森全体として雑木林という言い方をしていたが、こんな感じの林にしたいというイメージは持たれたか。 【久保田】私は素人でよく判らない。 【岩田】そう思ったと言うことで良いと思う。 【吉田】駐車場の後から入った所で「私、これいらないわ。」と言ったサザンカだか、道の両側でひょろひょろと伸びた。あれは無い方が良いと思う。ずっと入っていって、アオキは間引いた方が良い。物凄く混み合っているあたりのヒサカキは間引いた方がよい。シュロも取った方が良い。ただ、野鳥の森のあり方としては、私は「暗い森のイメージ」だ。暗い場所は暗くても良いと思うので、常緑樹を伐れとは言わない。 【岩田】先ほど帰られたが、谷口さんのご主人の気にされていたことは、おし沼の工事で木がみな伐られて明るくなったことだ。もうこれ以上は伐られないと思うが、これ以上伐られたら明るくなって変わってしまうのではないかということと、野鳥にとってはああいう感じの方が良いのではないかということを言われていた。 【吉田】ずっと上に上がった所でカゴノキがあるといった部分は植栽されている。だからといってあれを取れとは言えない。育ってしまうとなかなか取れない。 【岩田】生田緑地の園路は整備をした時に必ず植栽をしている。あそこの伐り始めたツバキもそうだ。 【吉田】上の木が大きくなって条件が変わってくるので、全く花も咲かないでずるずると伸びて、むしろ歩く道として邪魔になるものが沢山有ったと思う。そういうものは整理して行った方が良いかなと思う。 次の尾根の道、ゴルフ場の縁を歩いた時に道の肩に木の葉が沢山積もっているのが問題だという意見があった。木の葉を捨てるという感覚は間違っていると思う。1カ所にごみ捨て場をつくって、木の葉を全部そこに入れるのでなく、そこで落ちたものはその場で土に返していく事が出来たらよいと思う。 ずっと行ってツツジ山の芝生広場だが、芝生は殆ど死んでいる。秋になるとチカラシバ広場になる。チカラシバでも何でもよいから伸びてきたら伐る。伸びてきたら伐ると意外と自然な草原になる。アメリカで経験したのだが、すごい綺麗な芝生があると思って行ってみると普通の草だった。メヒシバとかオヒシバなど、その辺にある雑草と呼ばれているイネ科の草を短く伐ると良いものになる。 そこのツツジをみんなとって、あそこは閉鎖的な空間になっているが、ツツジが無くて草原だったら良いのではと思う。皆が憩えるかなと思う。 【久保田】いま言われた所は噴水広場の所のツツジの事か。 【吉田】そうです。芝生で休めるような所が広場の周りに有ったらよいのではと思う。 梅の所は2月頃の見どころですから、梅園として上にかぶっているものはある程度伐っても良いかなと思う。ただ、ばっさりと伐るのではなく、かぶっている所だけ伐るとか、寿命がきたものを伐るとか、選んで伐る必要がある。全部伐ると梅が咲いていない時にまるっきり楽しみが無い。梅の裸の木だけが下にあるというのは、山のような道を歩いてあそこに来たら途端に裸の梅だけでは何の面白味も無い。 【岩田】駆け足で全体をいきましたが(笑い)、ゆっくり行きましょう。 【吉留】シュロとヤツデとアオキが気になった。 根っこが洗い出された様になって、いつ崩れるか判らないような崖が気になった。 一番気になったのはあの伐られた木だ。多分根が腐ってくると思う。 【岩田】あの場所は今後どのようにしたら良いのか難しい。広がりとして意識出来ない。あの斜面をこれからどうするのか、道に崩れそうなのをどうするのか。 【吉田】なにも無くて、石垣だけでこうなっているのも味気ない話だ。あまり大きくならないような木を植えるのも一つの方法だ。低木にしかならないような木、亜高木程度にしかならない木とか種々ある。あのままでは問題だ。 【吉留】アオキがいっぱいあったが、残念なのは東口の駐車場の所の、いつも観察会で使っていたアオキが伐られたことだ。階段の降口のトイレの所のアオキが無くなり、グミも伐られた。 【吉田】観察会という立場ではわりと花が咲いて良かった木が、ある時、急に無くなったとか、いろいろある。青少年科学館前のはショックだった。来たら無くなっていた。「実生で何年経つとこの大きさになるのか」といつも話をしていた。 【吉留】事前に伐る話は無かったのか。 【岩田(芳)】伐る話は全く無かった。 【岩田】気がついたら伐られていた。 【久保田】ひょろ長いツツジみたいなのが有った? 【吉田】あった。 【久保田】あれも無かった。 【吉田】園路整備として植えたと思う。綺麗だった。上の木が伸びたから花が咲かない。そういう植栽樹は定期的に整理をしていかないと外から見ると酷くみっともない。良いとか悪い以前に景観として問題だ。 【岩田】役目を終えたということですね。 野鳥の森に話を戻しましょうか。 【前田】私は植物についての知識は殆ど無いが、最初の話で車椅子でも歩けるという、道を改めて整備するという話を聞いたもので、自分が見て来たイメージという形で考えてみた。まず野鳥の森に入る所の側にヒマラヤスギ、反対側にサクラがある。あの先が緑のトンネルという感じで、低いトンネルではなく、かなり背の高いトンネルになっている。空が、極端に言うと全然見えない感じで、緑に被われている。夏になると良い日陰になると思う。反対に木漏れ日とか、明るい所も部分的に有った方が良いのかなとも思う。その辺の木が陽光を求めてかなり高く伸びている。下枝が全然無い。その辺は専門家から見てどうか。結果、下草が少ないような感じを素人として持った。 1年を通しての林の様子をイメージしてみた。個人的には、冬の葉の落ちた時期のスカイライン、斜面が見えたりする景色が好きなので、今回の場所では、見える場所は、野鳥の森の中で今造成している、家が建っている辺りだ。だから目隠しの為に木を何とかするように考えた方が良い。 【岩田】あそこは造成して家が建つのでなく道路になる。冬場は東生田2丁目の方の尾根筋のスカイラインが見える。今は繁って見えないが。 前田さんの話で難しいのは、ここだけで考えると暗い森だが、生田緑地全体で考えると暗い森が有っても良いのではという話がある。その辺をどういう風に盛り込んだら良いのか。全体の中でここは野鳥の森という暗い森、あの立体駐車場が出来てから人がいかなくなっているということも事実だ。 【吉田】立体駐車場は邪魔。 【岩田】こちらは生田緑地ではないという感覚になっている。中央広場や北側地区しか生田緑地として意識されていないので人も少ない。人が行かない分、鳥には良い環境となっているが、ただ住み込む人もいるので、そのような人がいると、初めての人はそれ以上行きたくなくなる。 【山口】私は昔植生管理教室にいたので、植物の方はある程度判るが、この辺の植物を専門にやっているのではないので。アオキとかシュロとかさっきも出ていたが、アオキの下などは植物が無くなる。これ以上種が貧化していっても悪いので多少間引いた方が良い。それから谷戸毎にある程度調査して、種とか整理して、伐ったら伐ったで1年毎位で調査して、種数が増えているか。単位を谷戸ごとにすると判りやすいのではないか。 道路のことだが、斜面が急になっている所が一番問題で、昔から水道ができている所がコンクリート護岸をやっても駄目だったりということがある。といってもこの道をつくったのもかなり前でしょうから整理する所は整理する必要があるのではと北部公園事務所の立場を越えて思った。しかし、軟土の斜面で水道が出来るというのは仕方ないこと、どういう風に直したら良いの考えてみると...、発言し難いですね。野鳥の森はかなり良い森だなと思って見ていたが、かなり野鳥は多く出るのでしょうか。生田緑地全体から見てもここは多い所ですか。 【岩田(芳)】野鳥班の人が帰ったのでなんとも言えないが、今、野鳥班が鳥が出るのでよく歩いているのは中央地区北側だ。それと旧岡本谷戸と言われている所で、道を何とかしたいと位置づけられている場所だ。あそこの水場を野鳥は利用していて、いろいろな種類の鳥が出ているようだ。 野鳥の森は、昔はツミなども出た。あの近くで営巣した聞いている。私が最後にツミの営巣を確認した向ケ丘遊園跡地の林とも近いので利用されていなかったとは言い切れない。また、いつ営巣しても奇怪しくない場所だ。北側に比べるてどうかは分からないが、観察会の時はコースとして回っている。 水場があることが大事だ。湿地状態だが、野鳥は利用をしている。 【岩田】アオキが生えている所としては野鳥の森地区が生田緑地で一番だ。少なくとも、かつては鳥がいっぱい観られた。(笑い) 【山口】鳥がいるのは高木層、亜高木層、低木層としっかりしているのが良いのだろうが、それを嫌う鳥もいるのだろうから。 【岩田】そうですねアオジ等だとピクニック広場ですね。あの辺りのヤマグワだとか、コウゾだとかが藪をつくっている辺りが多い。秋〜晩秋には歩いていると必ず出会える。 【山口】落葉の話は、なかなかどうしたら良いのか分からない。1ヶ所にためている理由は、昔、ここには捨てないでくれとか、1ヶ所に捨てる方が全体にばらまくよりも影響が少ないのではないかと言われたと聞いている。 【吉田】ためたのだったら、堆肥などに利用出来れば良いが。 【山口】出来れば確かに良い。 【岩田】溜めるのであれば、何処か目立たないところに落葉溜めをつくった方がいい。 【山口】出来れば使えるようにしたい。使い道を考えるように。 【吉田】その場で落ちたものをそのままにしておけば、下から出るものにそんなに影響しないのではないか。 【山口】ササは結構そこら中に生えているので影響は心配していないが、他の植物は肩の所に出るので、全部そうやっていくと肩の所に溜まる。 【吉田】まず、道から近い所のササをやっつけなくては。 【山口】かも知れないですね。多分、肩の所で溜まるのでしょう。 【岩田】野鳥班からササを守れと言われそうですね。 【山口】なかなか難しい。 【倉本】公園の中の性格として野鳥の森はどういう位置づけなのか、私は知らないが、野鳥の観察を一般の人が出来る場所ということですか? 【岩田】そのような位置づけは無い。 【岩田(芳)】倉本先生、野鳥の森の中にはいろんな鳥の看板が山ほどありますよね。 【倉本】そういう看板を見て鳥を識別出来るという場所なのかなと思った。どういう場所なのかなということを多分、つくる時にはちゃんと決めないでつくっているかも知れないが、もう一度考えたいという事が1点。それから、野鳥にとって棲みよい場所がどのくらいの面積なのかということ。今でも足りないのですよね。野鳥班の人に言わせると。 【岩田(芳)】確かにそう言います。 【倉本】先ほど岩田さんが言った3つの場所位がちゃんと確保されていれば良いのか。そういうことをちゃんと考えないと全体をどうしていくかを考えることはやりにくいかなと思います。これは現場で思ったのでなく、いま話を聞いていて思いました。 それから植生管理協議会で会長をしていて、責任があると思うことは、道路の問題で、道路については建設センターは全然しっかりとした調査をしてなくて造り始めてしまい、造り始めたらいろいろ不都合があるという造り方で、それに対して植生管理協議会の名前でこのようなことに注意をして欲しい、対処をして欲しいというお願いの文書を出しただけで、今までの経過から考えると意見のもらいっぱなしだったり、多少考えただけで実行のある対策が取れるかどうか疑問なので、どうなっているかを知りたいものだと下から見ていて思いました。 それから岩田さんが仰っているようにその為の影響が出ない対策は建設センターがやることなのか、公園事務所がやることなのかが分かりませんが、どちらかちゃんと早くやらなければいけないと思いました。 野鳥の森の植生ですが、野鳥の森の中でアオキ等の繁茂した植物を本来そんなに繁茂していなかっただろう植物、植栽した植物の中で育っている植物について、全部ではないにしろ管理をすることは必要な事だと思います。 それから、ある程度育ってしまった植栽樹についてどうしたら良いのか、あまり好みではないのですが、どうしていくのか行政のお金を使ってやったこととするのか、その辺も含めて、どうしていくのか考えなければいけないと思います。 【岩田】はい、次は渡辺さん、お願いします。 【渡辺】順番が後なのでネタが無くなってきて、細かいことですが、野鳥の森の排水路が良いですね。虫が反対側に這って行けるという。良いと言っていたので、今日もう一遍更めて見ましたが虫が渡って行けるなと思う。他の場所で排水路を造る時には使える範囲であればどんどんああいうのを使っていけば良いのにと思いました。 あと、園路の補修をすると言うことで園路を見ましょうと歩いたのですが、その中で皆さんと色々話をするなかで車椅子が通れるようにするとか、しないとかと話してきたのですが、野鳥の森は無理だろうと思います。無理なら無理で車椅子では入れませんよと言っていけば問題ないのではと思います。車椅子で通れる所と、難しいですよという所をはっきり来る人に判っていただければ良いと思います。 それと重複しますが、暗い森と明るい森と言う議論があるのですけど、森の中が暗くなってしまうと地面に光りが届かなくて草が生えなくなって、表土が流出するという悪循環になるのかなという目でついつい見てしまいました。明るいから良いかと言うとそれはそれで困ることもある。 どっちが良い、悪いという問題ではないのですけど。昼でも暗くて、草も生えない。それで良いのかなと、野鳥にはよいのだろうなと難しいところで自分では結論が出ていないのですが。そのようなことを感じながら歩きました。 【岩田】今、暗くて植物が育たなくて崩れると言われていましたが、そこの崩れはそういう事が原因で崩れたのではないと思います。 この地図にはあの道が出てない。ここに無理やり造ったんですね。急なところに無理やり造ったので、その辺の施工の問題とかいろいろ有るでしょう。崩れるべくして崩れたと思います。昔を知らないので分かりませんけれども。常緑樹林で下草が生えていないのではありませんね。 【山口】道の整備で車椅子という事が出ていましたが、車椅子というのはある意味で象徴です。車椅子が通ればお年寄りの方、体が不自由な方の問題が大体クリア出来ます。乳母車を引いて歩いている人も結構います。そういう人に関しても問題がない。西口方面、西口駐車場があるから北部公園事務所の所で乳母車を引いている人を見かけます。そういう人たちがもう少しこちらに来て貰いたいなという気があります。そういうことも有って段差を少し整備したいと思います。整備をすると人も入ると思います。車椅子だけではなくて、象徴です。 【岩田】基準が車椅子だと一番厳しいですよね。 【山口】それだけでなく、お年寄りでは少しの段差も嫌だという人もいます。人にも自然にも優しいのが良いという時代なので。 【岩田】この種の議論は昔からある。山などでケーブルカーを設置する時、車を通すための道を造る時。私は反対する立場だったが。車の道を造っても、さっと入ってさっと出るだけで、本当に見るべき所は見ていない。環境が変わって、そこにいけば見られた花が無くなってしまうとか、いろいろな事が有る。 生田緑地整備構想策定委員会が始まって初めて現地を案内されて歩いた時に、生田緑地というのは何で公園にしないで緑地にしたのかということについて、先月退官された局長さんが説明していたが、「この山坂があるのが大事なのだ。ここは自然を保全するために公園にしないで緑地にした。園路の基準が公園だと厳しいから、道を造るために全部崩さなくてはいけなくなる。そうしないために緑地にしたのだ」と言っていた。その方向と今回車椅子でも通れるようにしょう、鋪装して緩くしてという発想とは何か違うような気がする。公園の管理の仕方、方針が変わってきたのか、そのことが気になる。どこもかしこも行けるようになったら良いのかと言うとそうではない。これは生田緑地ワークショップのなかでも議論がされてきた。生田緑地全体で見ると中央地区の真ん中の中央広場、東口から広場までというのは殆ど平坦で行かれるので、その範囲で生田緑地の粋がわかる様にするべきだ。方々歩き回れるようにしたとしても一日で回りきれるものではない。この範囲で、ある程度の体験ができ、自然に接することが出来る様にするべきだ。 話を戻す。1月に市民部会をやる時に見て回って感じたのは、まず東口を入って、冬ですから落葉樹が葉を落しているのでよく見えたのですが、入っていきなりこちら側の山の斜面がアオキだらけ。他は何も無い。アオキしか生えてない。玄関口がこんなで良いのか。中に入って見るとアオキがすごく大きいのです。鈴木君が入って手をあげても遥かに届かない。4m位ありそうなアオキが林立している。アズマネザサが負けている感じ。アオキがどんどん伸びてアズマネザサが後退している恐ろしい状況だなと言うことで、やり方は分からないが、間引くといわれると間引くのがよいかも知れないなと今思っていますが、減らし方を考えないといけないなと思って、今日はあまり目立たなかったのですが、それでもやはり大きいから何とか減らしていく方法を考えたいと思いました。 後は先程来出ているように「暗い」。昔樹木が小さかったころは良いのだけどもそのまま全部が育ってしまうと木の数が多過ぎる。今年度の市民部会で目標植生が描けるか分かりませんが、まずは、ここではいらないなというものを少しずつ間引かせてもらった方が良いのかなと思いました。 【吉田】蚊とり線香さえ持っていれば、野鳥の森は夏でもすごく涼しいですよね。高い木がわりと上空を被っていて、暗いのって大体気持ち良いですよね、夏は。ただ、冬は入る気がしません。 【岩田】冬はほんとうにアオキだらけでね。気持ち悪い。 【吉田】だから何かヨーロッパの森に入ったような。 【岩田】木が大きいです。高いです。あそこのフウなんかすごく高い。 【吉田】それから、さっきから車椅子がと言ってる、私もあるきながら言ったのですけど、実は家の主人が障害者です。車椅子に乗らずに杖で歩いていますが、弁膜症があるもので坂はかなりきついです。それで生田緑地に降りたらどうするかというと有るんですよ選べば奥の池からこっちに回ると意外となだらかな道で鋪装されているので、あそこを歩いてここに出て家までそのまま来ます。だから選んで歩く。枡形山に行く時も北部公園事務所の方からいけば上がれるんですよね。上がれない所に無理やりにコンクリートで鋪装してまで急な道を付ける必要があるのかという事があります。 車椅子でも通れる道という標識が有ったら、ここはなだらかなんだなという事で、ただ足が悪い(弱い)だけの人にも分かるんですよね。いま、そういう標識は無いですね。 【山口】北部公園にマップがあります。うちに来ないと無いんですが。 【吉田】ちょっと車椅子マークでも、矢印でもあるとそっちに歩いていけば行けそうだなとなると思います。 【久保田】それは良い考えですよね。費用も一番安くできる。 【吉田】前に北部公園事務所に言っても実現されなかった事で、今どうなっているか記憶に無いのですが、上の尾根を初山の水生植物が生えている分園に行く所に何も標識が無い。そうするとあそこを出た所で、「これから先どっちに行ったら良いのか」と何人にも聞かれるのですよ。私に聞いてくれて良かったですねといって降り口まで連れて行ってあげる。分かり難いです。ですから判りやすい標識が必要です。勿論植物をとってはいけないとか、いろいろありますけど。肝心な物が沢山抜けている気がします。選べば結構足が悪くとも、心臓が悪くとも何とか巡れる道がある。梅園にも回っていけば行ける。 【渡辺】ちゃんと教えて欲しいですね。何回も失敗をしてやっと見つけたというのではなくて、最初からこうだと教えてもらえればわざわざ行けない道を行きません。何回か話しているが、車椅子体験というのをやっている。一番しゃくにさわるのは3段くらいの段差。それがあるからそこを通れない。通り抜けられると思ってずうっと行って最後に階段でしたということだと、またずうっと元まで戻る。往路は下り坂で、復路は上り坂なのです。「行けないよ。段差が有るよ。」と書いてあったらわざわざ行かない。皆さん何回も失敗を繰り返して、自分の行けるルートを見つけている。最初から分かっていたら教えて欲しい。 【吉田】家はこの先なのですが、家に年配の方が来る時、生田緑地の中を通ってくる。機関車の脇の道はきついと言われるのですね。だから、こっちに良い道がある、坂が緩やかと教えてあげたのですが、どうしても行き着かないでこっちからくる。どうしてそうなるかというと標識がないから。「何回行っても奥の池に戻っちゃうよ。」と言われる。こういうのって大事かなと思います。植生と関係ないですが舗装の話が出たので。 【岩田】平滑にすれば良いかというと、民家園脇の坂は鋪装をされてから自転車の物凄いスピードをだすようになった。こういうこともある。 【吉田】枡形山に行くのに、こっちは階段だけど、向うに回れば良いと言う事が分からないですよ。 【岩田(芳)】何回も皆さんが言っているように、植栽されて時間が経ち不必要になったサザンカなどは取った方がいいと思う。 林がより暗くなる原因であると同時に不自然で見よいものではない。そのへんはスッキリとした方がよいと思う。 道の方ですが、水道が出来、急勾配でここだけは普通に歩いていても引っ掛かりやすいなと思う場所は1カ所でした。あそこだけは何らかの形で 補修する必要が有るかなと思いました。そんなに大事の工事はしなくて済むと思います。 暗い林のもう一つの原因はアオキとヒサカキが増えすぎた事だと思う。間引くことによって、冬場陽差しが地面まで届き植生も変わってくる。 とはいいながら、私はあの林は結構好きです。今日、ヤマルリソウを見たあたり、フウの見上げるような大木の辺りは特に好きな所です。 【岩田】公表はしていませんけれど、ここにもホトケドジョウがいます。今年は確認していませんが、いました。ゲンジボタルもいたのですが、今年は工事のこともあり心配をしています。 排水路ですが、私が良いなと思ったのはカナダのあたり、ようするに北米のリゾート地で調査をして歩いた事があるのですが、ホテルの周りとか人が大勢集まる所は鋪装をしてあるけれども、一歩外へ出たら自然の領域だからということで一切鋪装はしていない。ただ、水の問題があるので排水路はあるのですが表面上は分からない。排水溝はあるが、そこには石が入っている。大きめの石を集めてあって、溝を掘ってそこに石を並べてある。水も流れるし、生き物も通れる状態で、排水路としてコンクリートでつくったような物は無い。大体、そういうスタイルでやられていて、『あっこれはいいな。』と思った。ここは市街地の中なので、そこまでは出来ないでしょうけれども。 【吉田】調布市が浸透枡でやってますよね。やると補助金が出るとかでかなりやっていますよ。 【岩田】逆に市街地の中の雨水と下水を分けてある所は透水性にどんどん移行していると思う。道路も透水性に。 それでは次の場所に行きましょうか。吉田さんはもう言われましたが。 【吉田】私は居眠りをしています。 【岩田】50本の木が伐採された辺りというのは下もあまり見えない。冬場は反対側の尾根が見えるが、この時期になるともう見えなくなる。その辺で伐られてスッキリとして良いでしょうという人もいるみたいですが。今の状態でそのまま放置して良いのか。 【吉田】夏になると良くないです。あそこは夏になると日陰になって意外と涼しかったのです。あそこに入るとほっとできた。今度は上からの陽が入るのでもう駄目です。 【岩田】土が露出している所とか。崩れだすのではないか心配している人もいます。 普通の道路ではないのだから、「生田緑地に入ってきたな」と言う感じがやはり必要だと思う。 【渡辺】嫌だと思ったのは野鳥の森の上の方で地層を調べるとか言って勝手に削って持っていく事。あれは、本人は一生懸命調べているのかも知れないが、自分勝手過ぎる。人災ですね。伐採された所は、論点が2つ有って、一つは事前に何の連絡も無く抜き打ちに伐られてしまったこと。もう一つは本当にあそこの木は伐採の必要があるのか検討されなかった事。どうしてもという事ならば1本たりとも伐ってはいけないと言うわけにはいかないかも知れません。ただ、本当に必要があるのかということを検討する場が必要だったと思う。今後の問題としては皆さんが仰っているように木の伐り株が腐ったり、空洞化したりした時に、木が生えている時以上に面倒な問題になるのではないか。考えてやっているのか、どうせ考えてはいないでしょう。 その他、こっちの梅林の方まで行っちゃいますが、梅の管理がきちんとしていないで梅の花が咲かないのを日当りが悪いからだというのは何処かで問題をすり替えているのじゃないですか。管理をちゃんとやっていて花が咲かない、いくらやっても日当りが悪いから花が咲かないと言うのだったら、ああそうかとも思うのですが、管理に不備があって咲かないのに木を伐るのは如何なものかと思う。日当りが悪いといわれても、それは違うでしょうと言いたい。正午の太陽の位置から考えて陽あたりを言うのだったら、伐るのはゴルフ場の方の樹木だ。皆現地で太陽の位置を見て同じことを思ったはず。東側の木を伐っても朝日が当たるのが少し早くなるだけです。 園路脇の植栽樹がこちらに来ても間延びしていてパッとしない。あると目障りなものがありました。整理することを検討されたらどうかと思います。 【岩田】今、言われたのは。 【渡辺】ツツジの周りです。ツツジ山の周辺も。 【岩田(芳)】ツツジは伐ったんですよね。もっとすごかったから。雑木林を育てる会が整理をしている。 【渡辺】良いですね。伐るのは勇気が必要ですけど。 【吉田】見通しが良くなると怖くなくなる。特に女一人では歩きたくない。人が来ると怖いです。人が来ない方が良いです。 【久保田】全体でそういう所はございますよね。特に今話に出たツツジは、育てる会が中心にやらせて戴いた所です。花がチャンと咲くかどうかが心配だったが、ツツジは思いきって伐っても大丈夫だった。日が当たれば。 【岩田(芳)】その年咲かなくても次の年に咲きますから。 【渡辺】陽差しと伐る時期さえ間違わなければ。 【倉本】地層の事ですけど、ガイドブックというか、教材等に紹介されているでしょうか。 【岩田(芳)】ここは、すごく有名な所で地層関係の本にも出てきます。学会の方でも知られています。また、インターネットでも(採集地として)出回っていたようで、科学館の成川先生が抗議して、生田緑地を削除してもらったと聞きましたが、どれだけ出ているか判らないと仰っていました。関東付近では本当に有名な場所の様です。 【吉田】昔、芝浦工大が授業で採集に来ていました。 【岩田】小学校等の事業のサンプルに持ち帰っているそうで、標本にするのだとか。 【倉本】教育の為だったら許されると思いがちだから、そうならない為に対策が必要だと思います。それから落葉の問題です。雑木林から落葉を掃かれて貧栄養な環境になっている事が環境に対して不適切であるかもしれないので全部返すように管理をするという考え方もあるかも知れないが、ある貧栄養になっている、なりそうだと思える場所に戻す。環境に悪影響を与えると思われる所にはあまり戻さないとか、その場所毎の管理を考えてもよいのかも知れないと思いました。やってみないと本当に良いかどうかは分かりません。 伐採の所については、これは私にも責任があるかも知れない。渡辺さんが仰った事の最後にも有ったのですが、これからの対策、伐採した後全部について、何かをしなくてはいけないのでは無いですけど、ちゃんと何かしなければいけない所については、何かかをするつもりでそのためには生田緑地には生き物を持ち込まないという事なので、野生の植物を植えるのならば、苗木を育てる仕組みとかそういうものも作って対応していく必要がある。そういう事ですよね。持ち込まないということは。 【岩田】そうですね。苗木の話ですが、苗床、苗畑を作りたいという事で、2年前からお願いしているのですが、まだ造ってもらえません。昨年も、戸隠不動尊跡の下の民家がなくなり、あそこなら使って良いと言われたのですが、スコップでは歯が立たない。住宅撤去後、つき固めてしまってある。そこで、ユンボを入れて、そこを耕してくれるという話になったのですが、実際にはまだやってくれていないという状況です。 【岩田(芳)】50本伐る前にそちらをやってもらいたかった。 【吉田】入る道はあるのですか。 【岩田】撤去する時の道がそのまま使えます。 あそこだったら当面使わないようなのでその程度の苗畑はできる。やりましょうと言われてまだそのままです。家でもドングリを拾ったのを育てているのですが、ポット苗のままなので一寸危ない状態です。 【岩田(芳)】早く地面に降ろしてあげたいです。 【岩田】そこでなくとも良いが、生田緑地の中のどこかに造っておかないと、今回だけの問題ではなくて、生田緑地全体の樹木が大きくなって、私個人としては大きくなってすごく良いと思うのですが、ある日突然駄目になることもあるので適切な更新を考えていかないといけない。苗はいくらあってもあり過ぎる事は無い。 【山口】私が来る前の事なので、とは言いながら行政がやっている話なので。 【倉本】行政を代表して発言する必要は無いと思いますよ。 【山口】伐った所の斜面は結構急な所なので、出来るかなと言うような気がします。少し様子を見ながら、何かシダでも生えてくれないかなと。あそこを植林するのは大丈夫かなという気がしています。えぐれていた所が一番記憶に残っていて、やるとしたら、岩田(芳)さんが言われた様に、草の種を植えつけることとかとか、多少崩すとか、ほんとうにえぐれた部分は崩さないと崩れるかも知れないし、あそこはおし沼の方から人が入って来るでしょう。怖いなと個人的には思っています。計画がどうなっていたか知らないのですが。 【岩田(芳)】こんなことを私が言って良いのか分かりませんが、伊藤前所長はそのうち萌芽更新するでしょうと仰っていましたが、無理ですよね。萌芽更新の伐り方では無いでしょう。 【岩田】所長はどんな伐り方をされたか知らないので、その様に言われたのでしょうが。 【山口】あの崖は50年位経っているので。木があるのは余りよくないと考えて伐ったのでしょうけど。あと、土砂崩れが起きたので、よくないと思ったのでしょうか。最近の異常な雨量等もあり、昔に比べて集中豪雨等が非常に多くなりましたし、ああいうのが一緒になってなったのでしょうか。 【岩田(芳)】木を伐られたことによりもっと怖いことになっているので、それをこれから先どの様にカバーしていくかが問題ですね。 【吉田】この伐採を問題にしているのに、所長さんは現場を見てないの。 【岩田(芳)】その時の所長はですね。問題が大きくなった時点では見ていると思います。 今の所長は事前協議無く申し訳なかったと言ってくれているので、これからどうするかという前向きに捉えましょうという方向でいます。でも前向きに捉えようがないので、倉本先生どうしましょうかといったのですけど。 【吉田】関係の無い人が、私たち(調査団植物班)が生田緑地で活動をしているのを知っているので何で伐ったんだと怒られたんですよ。 【山口】こんなに大きな事だと皆さんに伝わらなかったという事ですね。 【吉田】気がついたら伐られていたんですよ。 【山口】うちの方でも気がついてこれはやらなくてはいけないとなった所が多少有って、ここまでは計れないと思ったのか、大きな木が1〜2本公道の方に垂れ下がっていて。 【岩田(芳)】午前中で帰った方が言う機会があったらこれだけは言ってくれと言い置かれたのですが、生田緑地には道を被う木が沢山あるけど、あそこが被っているという理由で伐られたのなら私は納得出来ない。今回のことを認めたら同じ理由で生田緑地中全部伐る木を伐る許可を与えた事になるので私は納得出来ないと伝えてと言ってました。 【吉田】昔からわりと目立つ木を伐られれば必ず市民からクレームが来るわけですよ。湿地の中のコブシを何本か伐った事がありますが、市民が文句を言いに北部公園に行ったんですって、そしたら調査団が伐れと言った野で伐ったと言われたそうで、言った覚えは無いのに植物班が悪者にされていました。伐れば問題になるのだから、ちゃんと考えてやらなければという認識だけは持って下さい。 【渡辺】安全のためという理由で伐って、伐る前よりも危険な状態をつくったというのは皮肉ですね。 【岩田(芳)】でもほんとうにどうしていったら良いのでしょうね。 【倉本】木が大きくなり過ぎたという理由で伐ったのなら大きくなる木を植えるのは無理ですね。大きくなる木を植えたら、今回やった事は意味がないと言っている事になります。だからそんなに大きくならない木を選んで植えるというのが道かなと思うんです。 【岩田】或いは、初めから定期的に萌芽更新をすることを前提で植えるかですね。 【倉本】萌芽更新を繰り返していくと、根が育つので。今回の場所ではどうでしょうか。 【吉田】一つ面白いのが有るんです。初山の水生植物の所の壁を業者が間違えて削ったんですよね。3分の一を残さなければいけないのに削って赤はだかになったのです。当時、海野さんが工務係に居まして私に働きに来てくれと言い出したんですよ。何のために私にアルバイトをさせたかったのかその時は判らなかったのですが、植物をやっている立場から、そこに何を植えたらよいかを見てもらおうと思ったと言うのです。で、この辺にあるものを見繕って植えました。業者は何だかとんでもないものを持ってきましたが。結局植えたものは全部駄目になって、そのへんからの種が入ってきて、あそこの壁は綺麗になりました。そういうのも多少は参考になると思います。只、あそこは上が無くなるとつるつるすぎるからどうなるか判らないですけど。何かは着生すると思うんですよね。それには時間がかかり過ぎるから、小さいものを少しの期間だけ植えるとかするんですかね。 【山口】あそこもササが生えてくると良いのですが。 【岩田】あそこの崖になっている所は生えて来ないでしょう。少し削って土を入れる必要が有るかも知れません。 【吉田】初山では崖に穴を空けて土を埋め込んだんですよ。でもそとから持ってきた植物はやっぱり駄目です。 【岩田】そこに土があるから、種から芽吹きますよね。ただ、一般的に生田緑地の土は崩れやすい。どこもかしこも崩れやすい。夏に台風が来て大雨が降ると沢が埋まった事は何回もある。見ていると草地でも繁らせたところは下の土がふかふかで非常に軟らかい状態になっていて、大雨が降ると崩れてくるという形になっているので、植生と含めて崩れにくい斜面のあり方みたいな事を考えていかないといけないと思います。 【岩田】ツツジ山の所ですが、先ほど吉田さんから短く刈るという提案がありました。 短く刈られると気持ちよいですよね。 そこにツチイナゴ(成虫越冬)がいるのですが、大丈夫でしょう。 【久保田】ツツジをやる時に刈払機を使って刈っています。どうしょうかと言っているのですが。 【吉田、岩田】やってください。年2回位はやった方が良い。 【久保田】今日は人がいたし、今まであまり人が居なかったところを利用する人がいると、作業をしている我々も嬉しい。 【吉田】なかなか良いところなんです。見通しさえよければ。 【岩田(芳)】野鳥班がいたら違う意見が出ると思うので。あそこ以外の場所を残せば良いですよね。 (みなさん多数の人が、よく相談してと言っていました。) 【岩田】作業の前によく話し合って。 【前田】見た目の印象なんですが、斜面の急な場所がすごく多いということですね。しかも崩れかけている場所を見るとすごく心配です。最近おおきな地震がずいぶんありますし、風水害も信じられないようなひどいのがありますよね。現状は辛うじてもっていますが、大きな地震とか嵐とかの時に大きな木が揺すられて根元が崩れると大変だなと思います。それから誤解されると困るのですが、自然を壊すのは自然愛好家だという事で、ようするに山登りの人が増えれば登山道近辺が痛んでくる。知床の自然はほっといた方が良いのでしょうけど、生田緑地というのは手を入れていかないと守っていかれない自然だと思う。今後はそれが一つの課題になっていくと思う。私は土木屋ですから木というのはあくまでも土が無いと生えないだろうから、木ばかりでなくて、土の動き全体を考えていかないといけないと思います。さっき岩田さんのお話で土がサラサラだという事でしたが、いわゆるシルトという粒の単位が小さなやつですね。多分火山灰か何かだと思う。崩壊防止は地質からいってなかなか難しいと思うのです。至急に根本的に考えなければいけないと思われる場所は随分あります。木とからめて考えて戴きたいなと思います。 【岩田】これは私の意見でしかないのですが、根本的にいじるという事ではなくて、こまめに手を入れてやる事が必要なのではないかなと思います。大々的にやると言うのではなく、少し奇怪しくなったら、そこに手を入れてやる。元に戻してやる。そうしないと、そこがだんだん大きくなって、そこから崩壊してくるという事が起こる。崩壊するのは当たり前と考えて、手当てをキチンとしてやる方が大事なのではないかと思います。自然の話でいけば、平成15年に生田緑地の整備構想策定委員会が始まった時に、生田緑地のイメージ云々というなことで、里山という話が出て、それはかっての昭和の里山ではなく、その時に薬袋先生から出たのですが、平成の里山という言い方をされました。要は使い方が違う。昭和の里山は薪炭林としての使い方だったが、今の里山はそうではなくて活動することを楽しむという管理のあり方で、こまめに手をいれることにより保全される自然、そういう里山じゃないかという議論を一部の所ではしました。 私の使っている里山はそういうイメージの里山です。 【吉留】梅園ですけれども、剪定は業者さんに頼んでいるのですか。お金を払って?。その割には花が咲かないですよね。そしたらやはり、剪定の仕方か、肥料か、地形的にはそんなに、こっちの木を伐らなくとも日影になることは無いですよね。少し落す程度で。 【山口】ぼくもどういう話をされていたのかよく分からないのですよ。 【吉留】確かに花は少ないですね。一寸がっかりしたことがあります。折角見に来たのに。 【山口】見に来る人もかなり多いので何とかしたいと思います。集客力もありますし。 【吉留】確かに春のポイントですね。向かいの見晴台からみても綺麗だし是非復活させて欲しいのですけど。やはり一番は剪定だと思います。 【山口】今年は、ちゃんとした業者が入っていると思います。去年はちょっと違う業者が入ってしまいました。 【吉田】何だかそのことは他の木についても言えますよね。マテバシイだってひとつもドングリがならなくなったし、ヒマラヤスギは全部上を向いている。ここに来たら不思議な木しか見てないような気がします。 【岩田(芳)】樹形が目茶苦茶だと言っているんです。 【山口】毎年剪定出来ればこういう事にならないと思うのですが。何年かに1回だとか、民地際だとか考えると必ずしも樹形じゃなくて、仕方ない場合もあるのですが。数年経っても変な樹形のままもあります。なにも考えなくて伐っているのではなくて、それなりに考えてはいるのですが。言われる事はよく分かります。私も見てて変だなと思います。 【吉田】よくね、何も知らない人がヒマラヤスギってこうなっているものなんですか(枝は下を向く)と言われます。ここのは皆立っていると言うんですよ。伐り方が悪かったのよと笑っているのですが。 【渡辺】それは理由が有ろうが無かろうが、結果としてああなのだから。 【吉留】農家なんか上手に毎年梅を咲かせるから。 【山口】少し剪定が必要なところも有ったと見受けられるようなので伐るという話だったのですが。 【岩田】我々の所にニュースが入ったのは伐ると言う事でいきなり入ったんです。 【山口】計画しているとしてではなくですか。 【岩田(芳)】そうではなく、私は青少年科学館館長から「岩田さん、この話知っている?」といって、管理運営協議会の議事録をみせられました。そこには40本伐採と書かれていていたんですよ。あそこで40本という事は、50本伐採の場所の伐採本数を最初20本と言われていたので、少なくとも、100本伐採をする気かなと思いましたね。それって全部じゃないのと思いました。、 一寸話しが違うんじゃないのとガンガン北部公園事務所にクレームのメールを入れました。それで、現段階では白紙に戻しましたと言われましたが。 【山口】その辺の詳しい話はまだ聞いていないので。白紙に戻ったという話しか聞いていないので。 【岩田(芳)】ほんとうに白紙に戻ったんですよね。その担当者の人からも白紙に戻しましたというメールは戴きましたが。 市民の方からは、上の方は生田緑地の雑木林を育てる会に頼んで、あとは業者だと聞いていました。 【岩田】そういう事でなくて、本質的に周りの木を伐るのが目的になっていますが、梅を咲かす事が目的の筈ですよね。梅を咲かせる為にはという事を考えていかなければいけないと思います。 【山口】その方向だったと思うのですよ。その内の一つの方法として樹木の伐採が有ったのだと思います。まず剪定が奇怪しかったのは事実みたいなので。 【岩田】剪定だけでなく、土もあんな状態で良いとは思わないですよね。 【山口】人が入るから多少踏圧は仕方がないのでしょうが。 【岩田】そうしたら根回りには柵をするとか、梅を守るための最小限の柵をして入らせない。例えばヤマモモですが、あれでは咲くはずがない。樹冠の範囲くらいは立入禁止にするとか。 植栽でも結構あるので。そういうのをどういう場でやったらよいか分からないのだけれども。 【久保田】トータルで見られる専門家みたいな人が欲しいですね。回っている時に話していましたが、水戸だとか、小田原だとか、あの辺のトータルで地形から見られる専門家に見てもらうこともありなのかなと思いました。 【岩田】樹木の専門家ですね。梅程度だったら、市民の方でシニア世代で植木いじりの好きな方もいるし、やりたい人もいるのでは。それこそ、バラ園ボランティアのように梅のボランティアを募集すれば良いのですよ。 【山口】バラ園の園長は樹木医なので一寸見てもらうとか。 【岩田】そういう枠組みを作っていかないとお金を出して、ひどい剪定をされたのでは。 【山口】うちとしては梅園は綺麗にしておきたいです。 【岩田(芳)】と言う事はゾーニングの中では現在の場所から動かさないという事ですね。梅園としてこのまま維持していくということですね。 【山口】という事だと思います。何か他に話がありましたか。 【岩田】生田緑地ワークショップの時に必要ないんじゃないかとか、梅園を岡本美術館の裏に移すとか。 【渡辺】裏に移すという話はありましたね。 【吉田】新しいのは別につくれば良いのではないですか。ここはこのままで。 【岩田(芳)】すみません。先ほど歩きながら、久保田さんと梅園の所のアオキはいらないので樹木を伐る前に、先にアオキを何とかしたいと話しました。階段の近くの所に随分と大きくなったアオキが沢山あります。取り返しのつかない攪乱の前に取り返しの付く攪乱です。アオキを伐れば風通しよくなり、見通しも良くなる。鬱蒼とした感じも無くなると思います。 【吉留】ハリギリの所のですか。 【岩田】そうです。ハリギリもいらないなとは思ったんですが、それは一寸おいといて。 【吉田】ハリギリはすぐにすごく大きくなるから。早い方が良いです。 【久保田】あの辺のアオキなら、生田緑地の雑木林を育てる会でも出来ますから。まず協議をしてからですね。 【岩田(芳)】協議会に出せますよねという話もしたんです。 【岩田】まず我々でやれるところをやっていく。そうすると状況が変るから、それからまた、考えると言う。 【久保田】見通しが違うと全く変わってきますよね。不思議なくらい。 【岩田】市民部会では、基本的に我々ができることを見つけ出してやろうという事で動いていますから。他に何かありますか。 【吉留】こちらの方はいじらないですね。ハクモクレン。伐らないでね。 【岩田(芳)】あのハクモクレンを伐ったら、それこそ50本の時以上に市民の方から大ブーイングですよ。 【吉田】それこそ、ただでは済まないと思いますよ。誰かが辞めるとか。 【岩田(芳)】梅の木10本とハクモクレン1本とどちらも伐ったとしたら、ハクモクレンの方がクレームがつくんじゃないかしら市民の方から。 【吉留】絶対に守らなくては。 【岩田】立入禁止の階段の所は見せて戴けるのでしょうか。 【山口】行くなら良いですよ。 【吉田】下から見た方が見えると言っていたのです。 【岩田】それでは案内をしていただいて解散とします。 以上 ・・ 生田緑地植生管理協議会 ・・ 川崎市北部公園事務所 ・・ |