生田緑地の自然保全活動

田圃の畦の草刈り
日時 2009/9/29(火) 10:00〜13:00 曇、雨が降り出して止めた
場所 生田緑地
参加 岩田臣生、岩田芳美

稲刈りに備えて畦(あぜ)の草刈りを行いました。
ミゾソバ、ユウガギク、ゲンノショウコ、アメリカタカサブロウ?、ハシカグサなどが咲いていていましたが、畦(あぜ)の部分のみ刈らせてもらいました。
田圃にはアメリカザリガニが沢山いました。採集できたのは1〜8cm×429匹でした。
他には、ホトケドジョウ、マメゲンゴロウ、クロセンブリ幼虫、カワニナなどが掬えました。
アキアカネマユタテアカネ はオダや木道の手摺りに止まっていました。

下の田圃の周辺のミゾソバツリフネソウ は益々賑わいを見せています。


ジュズダマも増えて、畦にまで生えていましたが、クロコノマチョウ の前蛹(ぜんよう)や蛹(さなぎ)がついているものは刈れませんでした。
里山の景観要素としてジュズダマは人気があったこと、クロコノマチョウのために残してほしいという蝶屋さんの希望などから、少し優遇しただけなのですが、ジュズダマがすっかり増えてしまいました。
そのせいか、クロコノマチョウも増えました。
幼虫も蛹も綺麗な黄緑色をしています。この姿から成虫は想像できません。


田圃の畦に生えて白い花を咲かせていたのはアメリカタカサブロウでしょうか?
タカサブロウとアメリカタカサブロウは、よく似ています。
タカサブロウは、東アジアの湿潤な温帯域に分布していたものが稲作とともに弥生時代初期に渡来した史前帰化植物です。
これは強壮、止血などの薬草として、稲作とともに意識的に移入されたものと考えられているようです。
また、第二次大戦後の植物検疫の行われなかった時期に、これは無意識的に持ち込まれていた第2期の帰化が起こっていたようです。
一方アメリカタカサブロウは、北・中米の湿潤地域および乾燥地域に分布していたものが、第二次大戦後の植物検疫の空白期に大量に流動した物資に混ざって、 無意識的に移入されてしまった帰化植物だそうです。
戦争がもたらした植物の伝播の典型例とされています。
生田緑地の谷戸では田圃の周囲に生育しているものの、個体数の多い種ではありません。外来種のレッテルを貼らなければならない状態ではないでしょう。

参考)大阪府大農学術報51:25〜31,短報「タカサブロウとアメリカタカサブロウの日本への帰化様式」 梅本信也、山口裕文


チャバネアオカメムシ木道の手すりにいました。
ツヤアオカメムシ、クサギカメムシと並んで、果樹に加害するカメムシ類の代表格とされています。
成虫が落葉の下などで越冬し、6月下旬頃にスギやヒノキに産卵、幼虫は球果を餌として成長し、7月下旬〜10月に羽化します。
スギやヒノキの球果が十分あれば果樹園に出てくることはなく、スギやヒノキの林内で生活しているようです。果樹に加害するのは本意ではないようなのですが。


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