生田緑地の自然保全活動

月日 2010年4月3日
場所 生田緑地 上の田圃
参加 小泉恵佑、佐山美智子、下口達夫、岩田芳美、岩田臣生

私たちは2004年〜2006年に3枚の田圃を再生しました。 そのうちの一番新しい田圃は、昔田圃だった場所を機械で壊して再生しているようで、シルト層の一部と思われる粘土が沢山混ざっています。 毎年、落葉を入れてきたので大分柔らかくなってきましたが、まだまだ田圃の土にはなっていません。
今年もまずこの田圃の田起こしを行い、投入してあった落葉や稲藁を漉き込む作業を行うことにしました。
生田緑地は桜が満開になり、花見客で賑わっていました。
そんな中を土を積んだトラックが何台も通っているのには驚きました。 工事車両は東生田4丁目側から入るようにすれば、花見客の中を通らずに済むと思うのですが。
谷戸へ降りるとウグイスの声が出迎えてくれました。

田圃に着いたところで、木道の手摺りにトラフコメツキがいました。 体長10mm。3〜4月に平地で見られるコメツキムシです。
田圃の周りにはケキツネノボタン、タネツケバナ、カキドオシなどが咲いています。

田起こしの前に、アズマヒキガエルのオタマジャクシを手網で掬って、一時的に避難させることにしました。 オタマジャクシと一緒に小さなアメリカザリガニ(1〜2cm)が混ざります。

猛禽類に襲われた野鳥の羽が散乱していました。多分カルガモと思われます。 オオタカなどの猛禽類は、獲物の鳥の羽を抜き取ってしまってから運ぶそうです。 冬のホタルの里は猛禽類の狩場になっているようです。 野鳥を狩る場面に遭遇したり、羽だけが残されているのを見つける機会がよくあります。 でも今回の羽の量は特別多く、大きな獲物だったことが窺えます。??
生田緑地観察会(野鳥)のガイドをしている野鳥班から、今年の冬はホタルの里より野鳥の森の方が種数が多く出ているということを聞いたのを思い出しました。

田圃の排水口付近の畦を補強しました。 畦と言っても、土を積んだだけのものです。よく機能していると思います。 さて、アメリカザリガニの開けた穴も塞いだつもりですが。

田起こしをしているところに、川崎市役所の安生さんが訪ねてきました。 総合企画局公園まちづくり調整室から麻生区役所に異動になったとわざわざ挨拶に来てくれたのです。 こんな日は私が生田緑地の谷戸で活動しているだろうと思ったそうです。

畦の補強に田圃近くに積んだあった竹を使いましたが、その中に狩りバチの巣がいくつもありました。 いずれも中は空のようでしたが、こんな場所が利用されるのだということが分かりました。

この時期に生田緑地を訪れる人は殆どが桜の花見目的です。 地面に目を向けている人は少ないようです。 注意していると何種類ものスミレが見られます。
ツボスミレ
向かいの山肌には薄く紅が入って艶めいています。

ウワミズザクラが蕾を準備して出番を待っています。

アカシデの雄花序は結構、華やぎが感じられます。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation