生田緑地の谷戸の自然保全

草刈り、アメリカザリガニ駆除、水の管理など
日時 2010/7/17(土)10:00〜13:00 晴
場所 生田緑地の谷戸
参加者 岩田臣生、岩田芳美、飯室 健、尾形達也、佐藤利奈

関東地方は雨の少ない梅雨が開けました。 暑い夏の陽差しが照りつける中、久し振りに活動することにしました。
まず、ヨシ原の池の周囲の草刈り、池の中のアメリカザリガニの駆除、昨秋伐採したハンノキの周囲の草刈りなどを行いました。
アメリカザリガニは、大30、中11を採集しました。 この他には、ホトケドジョウシュレーゲルアオガエル のオタマジャクシがいました。
池の上にはオオシオカラトンボ♂が縄張りを主張していました。

次に下の田圃に移動しました。
田圃と言っても、今年は田植えをしていません。 ミゾソバコナギアメリカセンダングサが繁茂しています。 ミゾソバの葉の上にヒメギスが観察されました。
水域には、シュレーゲルアオガエルのオタマジャクシ、ホトケドジョウなどが群れています。 ここも、オオシオカラトンボ♂が数匹見られました。
この日は アメリカセンダングサを抜き取る活動をしました。
アメリカザリガニ 大1も採集しました。


上の田圃では繁茂したコナギをいじめることにしました。
湧水の水量が少なくなっていて、田圃も中干しされている状態でした。
アメリカザリガニ 大2、中11、小107を採集しました。
ここでも、見られたトンボはオオシオカラトンボ♂だけでした。


コナギに混ざってアゼナが咲いていました。

コナギは、ミズアオイ科の田圃雑草ですが、川崎市北部の植生−生田緑地・稚児の松(鈴木正,1967)の記録以降、第6次川崎市自然環境調査報告書(吉田多美枝他植物班,2007年)に記録されるまで記録がありません。 第6次川崎市自然環境調査報告書の記録は、水田ビオトープ班が2004年に再生した田圃の中に、2004年に再生したものです。

アゼナはゴマノハグサ科の田圃雑草で、生田緑地およびその周辺では、武蔵登戸付近植物目録(1932,帝国女子医学薬学専門学校学友会)に記録がある他、第3次川崎市自然環境調査報告書(吉田多美枝他植物班,1994)に記録がありますが、第4〜6次川崎市自然環境調査報告書では記録されていません。
水田ビオトープ班では生田緑地の谷戸に3枚の田圃を再生していますが、2006年に再生した田圃の中に、2008年に復活しました。

生田緑地の谷戸の自然保全活動を始めてから、植物は種子や胞子が残っていると復活するということを体験的に知りました。 コナギやアゼナの他にも数種類の植物を復活させてきましたが、折角復活したのにアメリカザリガニに食べられてしまったのか、また消えてしまったものもあります。


帰り道、階段の途中にイタチの糞らしきものがありました。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation