日時 2010/9/11(土)10:00〜12:30 晴
場所 生田緑地の谷戸
参加者 岩田臣生、岩田芳美、小泉恵佑、前田浩子
前日に引き続き、湿地再生地の生物の棲息環境を保全する活動です。
2段目と3段目の境界部分のヤマグワ、ススキなどを刈り取ること、一面に広がって咲き出したカナムグラ
を取ること、湧水が区域全体にいきわたるようにすることの三つの活動を予定して谷戸へ降りました。
谷戸へ降りたところに ヤマトフキバッタがいました。翅が退化して飛べないバッタです。
水は1段目の水路の途中で穴に消えていましたが、2段目、3段目に滲み出して、湿地再生保全地の全体を潤していました。
水が入ったことで、シオカラトンボ、オオシオカラトンボが集まっています。
時折、オニヤンマが水流の上に姿を見せます。
ツリフネソウが咲き出して、刈り取る場所にも何本かが蕾をつけていましたが、
その程度は止むを得ないと考えました。
それよりも、カナムグラがツリフネソウの上を覆うように広がってしまって、
雄花が花粉を撒き散らしています。既に雌花もありました。
今夏の暑さはカナムグラには恵みだったのか、やたらと元気良く、ツリフネソウや
ミゾソバの上を覆ってしまいました。
暑さに負けて遅くなってしまいましたが、結実する前に少しでも多く引き抜いておきたいと考えています。
カナムグラの茂みの中にこんな毛虫がいました。キタテハの幼虫のようです。カナムグラはキタテハの食草なのです。
昆虫班の山本さんにお尋ねしたところ、脱皮直後の終齢幼虫とのことでした。
草むらにヤマイモハムシがいました。陽光を受けて青い翅と赤い頭部、胸部は鮮やかで、目に飛び込んできました。
写真を撮ろうとすると葉の裏側に移動してしまい、更に追いかけると飛んで逃げてしまいました。
ツチイナゴもいました。赤みが強く感じましたが、もう成虫のようです。
日の当たる場所での作業は辛く、長くは続けられません。
中間の休憩を木道のベンチでとりました。冷たいお茶と通り抜ける風が体温を下げてくれます。
後半の作業は30分、2段目と3段目の境界部分の草刈りを終えたところで終了することにしました。
カナムグラはまだまだ際限がありません。
終了後、再度、木道のベンチで休憩しました。
汗で全身ずぶ濡れの体に、谷戸を吹き上げる風が心地良く感じます。
ヤマガラの一群が、近くのエゴノキの枝先で、何やら夢中でついばんでいます。
入れ替わり立ち替わりという感じで賑やかで、私たちが居ることなど眼中に無いといった感じです。
何をしているのだろうと観察していると、枝先の実をついばんでいるようです。
確か、エゴノキの実には毒性があって、水流に流して魚を獲ることができるという話を聞いたことがあります。
痺れさせるだけだったと思いますが、ヤマガラはそんなものを食べるのでしょうか。
帰宅後、調べてみたら、ヤマガラはエゴノキの実が好物だということが分かりました。
果皮の部分は捨てて、種子をどこかに蓄えているそうです。種子に含まれているエゴサポニンは晩秋の頃には消えて食べられるようになるらしいのです。
ヤマガラには食料備蓄の習慣があるということでしょうか。
ヤマガラに興味が湧いてきました。
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