生田緑地の谷戸の自然保全活動




低木層の常緑樹の除伐、キヅタ取り
日時 2012/2/24(金) 11:00〜15:10 晴 12〜13℃
場所 生田緑地 下の田圃周辺
参加者 岩田臣生、岩田芳美

下図 E 地区は昭和30年代には水田が並んでいました。 その後、放置された結果、サクラ、ハンノキなどが樹林を形成した場所です。
或いは、この樹林の中のハンノキの大木は、水田が続いていた頃からあったものかも知れません。 腕をまわしても届きません。胸高直径は60cmはありそうです。
この日は、この E 地区の低木層に広がりだしていた常緑樹を除伐し、林床に繁茂していたキヅタの駆除を行いました。 しかし、キヅタの繁茂は尋常ではなく、まだ何回もの活動が必要です。

除伐した常緑樹はシラカシ、シロダモ、アオキ、ヤツデ、シュロ、ネズミモチ?などです。
アズマネザサは部分的には2mを超えるところもありましたが、概ね、50〜60cmの高さに止まっています。

かつて水田だったと思われるところは湿地になっていて、10cm程度は足が潜るようになっています。
また、E 地区に接している斜面は遷移が進んで、草本〜亜高木層を常緑樹が優占しているようです。
この斜面はじっくり調べて、手の入れ方を検討し、合意形成をはかってからの植生管理にしたいと思います。

カサスゲ刈りの時も、ヨシ刈りの時も現れた モズが、この日は2羽、飛んで来て、梢の上から、キヅタを剥がしているところをジッと見つめていました。
そのモズをフィールドスコープで観ている人が数人、木道の上にいました。
先日ヨシ刈りをした A には、キジバトが数羽飛んできて、しきりに何かをついばんでいました。

気温が高くなって温かかったためか、越冬していた ルリタテハキタテハが姿を見せてくれました。

通りかかった来園者からヨシについて尋ねられました。 「佐賀県では除福伝説として片葉の葦が知られている。 ここの葦も観察していると片葉になっているが、普通の葦とは異なる特別な種なのか。」というのです。
谷戸の中を吹き抜ける風の方向に偏りがあるために、風下側に葉が向いているだけのことではないかと思ったものの、 そんな現象に特別な意味を感じる人もいることは分かりますので、「特別な種ではありませんが、片葉の葦というのは初めて聞きました。」と答えておきました。
帰宅後、ネットで検索してみると、全国に様々な片葉の葦の伝説があることを知りました。


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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation