生田緑地の谷戸の自然保全活動



湿地の水辺保全、キヅタ駆除
日時 2012/3/14(水) 10:00〜14:00 晴 12℃
場所 生田緑地 湿地、谷戸の合流付近
参加 岩田臣生、岩田芳美、城本法子

今日もウグイスの声を聞きながら谷戸へ降りました。

アズマヒキガエルが気になっていましたが、蛙合戦は既に終わっていました。 今年は、9日から13日の間だったようです。 例年9日なので、例年並の産卵のようです。
ハンノキ林上の池は、アズマヒキガエルの卵は、1ヶ所に集まっていましたが、2匹分の量はあるようです。 ミヤマシラスゲの群落から湧水が滲みだしているポイントと、毎年、決まっています。

上の田圃の上の段では、足にひっかけて引きずり回したのか、広がっていました。 目視では、ここは3匹分ぐらいの量と思えました。

上の田圃の下の段は、畦沿いの少し水深のあるところに、点々と分散して7〜8匹分の卵がありました。

その他の水域では卵は見られませんでしたが、上の田圃の卵の量は年々増えていて、今までで最多でした。 この谷戸を中心に生活しているアズマヒキガエルの個体数が増えていると推察できます。
こんな調べ方では調査とは言えませんが、田圃が安定してアズマヒキガエルにも利用されるようになったとは言えると思います。
私たちが再生した田圃が生き物のための田圃として機能していることの証だと思います。

女性二人は、谷戸の合流付近のキヅタ駆除の続きを行いました。
早くも、カナムグラの芽が出ていて、カナムグラ駆除活動も開始しました。
活動を待っていたかのように、モズが現れて、頭上の枝に止まり、現れるだろう獲物を探していました。


湿地の水辺保全は、2段目のチゴザサの根を取り除く活動を続けました。
今日は試しに鍬切鎌と忍者熊手を使ってみましたが、歯がたちませんでした。 やはり、三本爪備中鍬が一番のようです。この活動のために選んで、今年購入したものです。
市民活動だからどんなものでもいいというのは間違いです。 良い道具を使えば、仕事も捗り、楽しく活動することができます。
ただし、泥水を浴びることは覚悟しなければなりません。

湿地の気温は12.7℃あり、春の陽光があたっているとポカポカと暖かくて、水域が広がってくると長閑な気分になってきます。
少し太り気味ではないかと思われるヒヨドリが、何度も、畦のヤマグワに飛んできて、辺りの様子を確認してから3段目に降りるという動作を繰り返していました。 何をしているのか気にはなりましたが、見に行く気にはなれずに、作業をしながら横目で見ていました。
シジュウカラやヤマガラがハンノキの梢で、気持ち良さそうに囀ったり、何かをついばんでいました。 私の存在は無視されているようでした。 ハンノキの芽も膨らみ始めていました。
作業をしていると、そこここからケラが出てきました。 湿地のチゴザサのマットは、ケラの好きな環境のようです。
ケラも少なくなったようで、神奈川県レッドデータブックでは要注意種とされています。
見たことが無いという人も多くなったようで、これがコオロギの仲間だと知ると驚く人が増えてきました。
チゴザサの根に混ざって、他の数種類の植物の芽が見られました。 保護目的の植物の発芽はまだだと思いますが、攪乱作業は急いだ方が良さそうです。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation